エトナ山頂ゴールのジロ・デ・イタリア2022第4ステージはケムナが区間初優勝し、J・ロペスが総合首位

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中欧ハンガリーで開幕した第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、最初の休養日にイタリア南部のシチリア島へ移動。5月10日はアーヴォラをスタートし、標高1892mのエトナ山頂にゴールする172 kmの第4ステージが競われ、ドイツのレナート・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)が一騎打ちのゴールスプリントを制して区間初優勝した。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■一騎打ちのゴールスプリントを制したケムナが区間初優勝した (photo : LaPresse)

 
スペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)は、ゴールスプリントで負けて区間2位になったが、総合首位になってマリア・ローザを獲得した。24歳のロペスは、新人賞でも総合首位になった。

この日、マリア・ローザを着てスタートしたオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)は、23分近く遅れてゴールし、第5ステージではポイント賞のマリア・チクラミーノを着る事になった。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■区間優勝は逃したが、総合首位になってマリア・ローザを獲得したJ・ロペス (photo : LaPresse)

 
第4ステージは175選手か出走。スタートからアタックが始まり、14km地点でケムナとロペスを含めた8人の逃げが形成された。4km先で更に選手が合流し、逃げは14人に膨らんだ。この逃げ集団は30km地点で集団に最大で11分10秒差を付けた。

集団では、序盤にコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ カザクスタン チーム)がレースを棄権し、チームカーに乗り込む場面があった。チーム発表によれば、彼はこの数日間、左腰を痛めていたという。

25km続くエトナ山のふもとまで3kmの地点で、先頭の逃げ集団からステファノ・オルダーニ(アルペシン・フェニックス)がアタック。13人の追走グループに43秒差を付け、単独でエトナ山を上り始めた。この時、イネオス・グレナディアズがコントロールする集団は5分50秒遅れだった。

エトナ山の登坂が始まると、追走グループはバラバラになった。そこからロペスが単独でアタックし、ゴールまで残り12kmでオルダーニを抜いて先頭に立った。集団の後方では、マリア・ローザのファンデルプールが遅れていた。

集団はイネオス・グレナディアズが引き続け、優勝候補の1人だったオランダのトム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ)や、シチリア島出身のヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ カザクスタン チーム)が付いて行けなくなってしまった。2人は今大会の総合優勝経験者でもあった。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■エトナ山頂を目指すケムナ(右)とロペス (photo : LaPresse)

 
ゴールまで残り2.6kmで、追走していたケムナがロペスに追いつき、先頭は2人になった。この2人がゴールスプリントを競い、最後のヘアピンカーブで後ろのロペスがコントロールを失いかけるミスをし、ケムナが難なく区間初優勝を手中に収めた。

ケムナは2000年のツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)で区間優勝しており、これがグランツールで2度目の区間優勝だった。

■区間優勝したケムナのコメント
「とてもハードな一日だった。特に最後の上りが。ロペスが30秒差になった時、ほとんど負けたと思った。彼に追いついた時、おそらく区間優勝とマリア・ローザ獲得についての暗黙の了解があったのかもしれない。チームのために区間優勝を手に入れられてとても嬉しい。それはいくらかプレッシャーを取り除いてくれる」

■マリア・ローザとマリア・ビアンカを獲得したJ・ロペスのコメント
「今日はこのジャージを取るために一生懸命働いた。上りの最もキツい場所でアタックした。残り2〜3kmでケムナに追いつかれた。勝利のために戦おうと努力したが、それはとても難しかった。マリア・ローザを取れてとても嬉しい。どれくらい長く着られるかはわからないが、楽しむよ」
 

ジロ・デ・イタリア2022

■エトナ山頂上ゴールを制したケムナは山岳賞のマリア・アッズーラも獲得した (photo : LaPresse)


■第4ステージ結果

[5月10日/アーヴォラ~エトナ(サピエンツァ避難所)/172 km]
1. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) 4:32:11
2. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
3. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) +0:34
4. MONIQUET Sylvain (LOTTO SOUDAL / BEL) +2:12
5. VANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) +2:12
6. LEEMREIZE Gijs (JUMBO-VISMA / NED) +2:31
7. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +2:37
8. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +2:37
9. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +2:37
10. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +2:37
31. NIBALI Vincenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +4:52
53. DUMOULIN Tom (JUMBO-VISMA / NED) +9:10
97. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED) +22:54

■第4ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 14:17:07
2. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +0:39
3. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) +0:58
4. YATES Simon (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / GBR) +1:42
5. VANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) +1:47
6. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +1:55
7 BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +2:00
8. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +2:00
9. PORTE Richie (INEOS GRENADIERS / AUS) +2:04
10. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +2:06

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第5ステージはVANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)が着用)

 

ジロ・デ・イタリア2022

(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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