パリ~ルーベ2022はファンバールレが初優勝

  • photo ASO/Pauline BALLET

フランス大統領選挙の影響で、例年より一週間遅い4月17日に開催された第119回パリ~ルーベ(UCIワールドツアー)は、オランダのディラン・ファンバールレ(イネオス・グレナディアズ)が独走で初優勝した。
 

パリ~ルーベ2022

■オランダのファンバールレが独走で逃げ切った

 
英国のイネオス・グレナディアズがモニュメント・クラシックの1つであるパリ~ルーベを制したのは、これが初めてだった。

追走グループは1分47秒遅れでゴールのヴェロドロームに到着し、2位争いのスプリントはベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)が制し、3位にはスイスのシュテファン・キュンク(グルパマ・FDJ)が入った。
 

イネオス・グレナディアズが序盤に集団を分断

パリ~ルーベ2022

■今年のパリ~ルーベは快晴だった

 
第119回大会は快晴の下、169選手が出走。スタートから逃げと吸収が繰り返される高速レースになり、最初の1時間の平均スピードは48.8km/hだった。イネオス・グレナディアズが先頭を引き、47km地点で集団は2つに分断。優勝候補の多くが後方集団に入り、追走を余儀なくされた。96.3km地点で30カ所ある最初の石畳セクターがスタートした時、2つの集団のタイム差は1分20秒開いていた。

152km地点で後方集団が前の集団に合流した時、すでに5選手が逃げ出していた。先頭の逃げはアランベールの石畳で2人が脱落し、スロベニアチャンピオンのマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)、ベルギーのトム・デヴリーント(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)、フランスのローラン・ピション(チームアルケアサムシック)の3人になった。

ゴールまで残り55kmで、メイン集団から12人が抜け出した。そこには優勝候補だったオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)、ヴァンアールト、ファンバールレ、イヴ・ランパールト(クイックステップ アルファヴィニル チーム)、ヤスペル・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)が入っていた。先頭グループは、残り46.5kmでピションが遅れ、モホリッチとデヴリーントの2人になった。この時、追走グループとのタイム差は1分を切っていた。
 

パリ~ルーベ2022

■石畳を走るファンデルプール

 
ゴールまで残り39.4kmで、追走グループのヴァンアールトは機材故障で自転車を交換したが、すぐに戻ることができた。先頭はモホリッチがパンクに見舞われて遅れ、残り37.5kmでデヴリーント1人になった。追走グループからは残り29.3kmでランパールトとモホリッチがアタックし、1km先で先頭のデヴリーントに合流。一足遅れて追走に出たファンバールレも、セクター7のサイソワンの石畳で先頭に追いついた。

追走グループからはスタイヴン、ヴァンアールト、キュンクが飛び出したが、ファンデルプールは後方に留まったままだった。ゴールまで残り20kmで、先頭の4人と追走するヴァンアールトたちは29秒差、ファンデルプールのグループは55秒差だった。

ゴールまで残り18.6kmのカンパン・アン・ペヴェールの石畳(セクター5)で、先頭グループからファンバールレがアタックし、独走を開始した。彼は快調に走り続け、タイム差はどんどん開いていった。後方では、ゴールまで残り7kmの石畳で、ランパールトが観客と接触して転倒するアクシデントが発生した。

ファンバールレはそのまま独走で逃げ切り、後続に1分47秒の大差を付けてルーベのヴェロドロームにゴールした。彼は2週間前のロンド・バン・ブラーンデレン(ツール・デ・フランドル/UCIワールドツアー)でも2位になって表彰台に上がっていた。
 

パリ~ルーベ2022

■ヴェロドロームでゴールするファンバールレ

 
■パリ〜ルーベで初優勝したファンバールレのコメント
「今日の自分のパフォーマンスには、まだザワザワしている。ヴェロドロームに到着した時の気分は素晴らしかった。言葉では言い表せない。ここで1番の男になるような経験はしたことがなかった。去年はタイムオーバーだったから、最後の男の気分は知っていたよ。

フィニッシュラインで応援しているデイヴ(ブレイルスフォード)を見た時は、鳥肌が立った。まるで彼はヴェロドロームに一人で居るみたいだった。セルファイス(クナーフェン監督)が、無線で可能な限り楽しめと言ったので、そうした。我々は何年間も石畳クラシックでの大きな勝利を追い続け、今日ボクが優勝する前には、何度かあと一歩だった。チーム全体が、この為に多大な努力を払い、機材テストなどを行ってきた。この勝利はそのおかげだ」
 

パリ~ルーベ2022

■左から2位のヴァンアールト、優勝したファンバールレ、3位のキュンク


第119回パリ~ルーベ 結果

[4月17日/UCIワールドツアー/フランス/257.2km]
1. DYLAN VAN BAARLE (INEOS GRENADIERS / NED) 05H 37′ 00”
2. WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) + 01′ 47”
3. STEFAN KÜNG (GROUPAMA – FDJ / SUI) + 01′ 47”
4. TOM DEVRIENDT (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / BEL) + 01′ 47”
5. MATEJ MOHORIC (BAHRAIN VICTORIOUS 05H 38′ 47” + 00H 01′ 47”
6. ADRIEN PETIT (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / FRA) + 02′ 27”
7. JASPER STUYVEN (TREK – SEGAFREDO / BEL) + 02′ 27”
8. LAURENT PICHON (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA) + 02′ 27”
9. MATHIEU VAN DER POEL (ALPECIN – FENIX / NED) + 02′ 34”
10. YVES LAMPAERT (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) + 02′ 59”

パリ~ルーベ公式サイト

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