ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第18ステージはイギタが逃げ切り区間初優勝
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スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年9月12日にコムニダド・デ・マドリード(コルメナル・ビエホ)からベセリル・デ・ラ・シエラまでの177.5kmで、カテゴリー1の峠を4カ所越える山岳区間の第18ステージを競い、コロンビアのセルヒオ・イギタ(EFエデュケーションファースト)が独走で逃げ切り、グランツール初優勝となる区間優勝を果たした。
区間2位には総合リーダージャージのラ・ロハを着たスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)が15秒遅れで入り、6秒のボーナスタイムを獲得。区間3位は世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)で、彼も4秒のボーナスタイムを獲得した。
白い新人賞ジャージを着ていたスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)は、最後に越えた標高1830mのプエルト・デ・コトス峠でログリッチのグループに付いて行けず、1分16秒遅れでゴール。コロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)に新人賞総合首位の座を明け渡した。
前日にドラマティックな逃げで総合2位に浮上したコロンビアのナイロ・キンタナ(モビスターチーム)もポガチャルと一緒にゴールし、総合3位に後退。総合2位はバルベルデに戻った。
グランツール初出場のイギタが独走で逃げ切った
第18ステージは158選手が出走。チームユンボ・ビスマがコントロールする集団からなかなか逃げが決まらず、最初のカテゴリー1の上りがスタート。ウァウテル・プールス(チームイネオス)がアタックして先行し、山岳賞ジャージを着たジョフレ・ブシャール(AG2R・ラモンディアル)らが追走した。
40.3kmの山頂をプールスは後続に45秒差を付けて先頭で通過。ブシャールは2位で通過し、6ポイントを獲得した。下りでブシャールを含めた追走グループがプールスに追いつき、54km地点で先頭の逃げは7人になった。ここにイギタも加わっていた。2つ目の峠のふもとで逃げグループはメイン集団に1分20秒差を付けていた。
2つ目の峠で先頭の逃げグループはさらに選手が合流して13人になった。山頂まで3kmで、メイン集団とのタイム差は5分に広がっていた。78.2km地点の山頂は、山岳賞ジャージを着たブシャールが先頭で通過した。
ゴールまで残り70km地点で、逃げ集団からルイ・メインティス(チームディメンションデータ)とヨーナス・コッホ(CCCチーム)がアタックし、後続に23秒差を付けて3つ目の峠を上り始めた。しかし、山頂から残り3kmで逃げ集団は再び1つになり、残り56.7kmの山頂はブシャールが先頭で通過し、さらにポイントを稼いだ。
メイン集団は3つ目の峠に入るとアスタナプロチームが先頭を引き、大勢の選手が遅れ始めた。さらに残り60kmでロペスが攻撃を開始し、メイングループから先行した。下りに入り、先頭の逃げ集団からイギタがアタックし、独走を開始した。ゴールまで残り45kmで、イギタは追走グループに34秒差、ロペスに1分11秒差、メイングループに1分40秒差を付けていた。
メイン集団はチームユンボ・ビスマが引き、最後のプエルト・デ・コトス峠が始まる前にロペスを吸収した。しかし、イギタはふもとで1分以上のタイム差を付けて独走を続けていた。メイン集団では峠の中腹でロペスが再びアタック。ログリッチェとバルベルデはすぐに付き従い、ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)も合流したが、ポガチャルとキンタナは付いて行けなかった。
ゴールまで残り25.6kmの山頂で、先頭のイギタはラ・ロハのグループに45秒のタイム差を付けていた。彼はそのまま逃げ切り、グランツール初出場で区間初優勝を成し遂げた。
■グランツールで区間初優勝した22歳のイギタのコメント
「今日のステージはボクにとって完璧だった。ボクは逃げてもスプリントでも勝てた。コトス峠の上りでものすごく脚の調子が良いと感じた。だからボクは追走者を寄せ付けなかった。
非常に困難なブエルタだったから、チームに区間優勝をもたらすためにすごくやる気満々で、フィニッシュラインではエンジン全開だった。エネルギーは残っていなかったけれど、長い間追いかけてきた夢のことを思った。コロンビアのファンが多かったから、フィニッシュラインはとても感動的だったよ」
■第18ステージ結果[9月12日/コムニダド・デ・マドリード(コルメナル・ビエホ)~ベセリル・デ・ラ・シエラ/177.5km]
1. SERGIO ANDRES HIGUITA GARCIA (EF EDUCATION FIRST / COL) 04H 33′ 09”
2. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 15”
3. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 15”
4. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 15”
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 17”
6. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR) +1′ 16”
7. LOUIS MEINTJES (TEAM DIMENSION DATA / RSA) +1′ 16”
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) +1′ 16”
9. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) +1′ 16”
10. OSCAR RODRIGUEZ GARAICOECHEA (EUSKADI BASQUE COUNTRY – MURIAS / ESP) + 03′ 47”
149. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 27’ 37’’
■第18ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 71H 16’ 54’’
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02’ 50’’
3. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03’ 31’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 04’ 17’’
5. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 04’ 49’’
6. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 07’ 46’’
7. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 9’ 16’’
8. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR) + 11’ 50’’
9. JAMES KNOX (DECEUNINCK – QUICK – STEP / GBR) + 12’ 44’’
10. MARC SOLER (MOVISTAR TEAM / ESP) + 21’ 09’’
133. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 03H 55’ 07’’
[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
※第19ステージはTADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)が着用
■山岳賞 : GEOFFREY BOUCHARD (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞 : MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL)
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 : SERGIO ANDRES HIGUITA GARCIA (EF EDUCATION FIRST / COL)