アントワープ・ポート・エピック2021でファンデルプールが復帰優勝

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9月12日にベルギー北部のアントワープで開催された、第4回アントワープ・ポート・エピック(ヨーロッパツアー1.1)で、オランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が復帰優勝を果たした。
 

アントワープ・ポート・エピック2021

五輪で負傷した背中の状態をテストするレースで圧勝したファンデルプール(©Bettiniphoto)

東京五輪のMTB種目で背中を負傷したファンデルプールは、当初8月30日から9月5日に開催されたベネルクス・ツール(UCIワールドツアー)でロードレースに復帰する予定だったが、怪我の回復が思わしくなく参加を見合わせた。そのため、彼はシーズン後半のスケジュールを決めるテストレースに、アントワープ・ポート・エピックを選んだ。

かつて未舗装路のセミ・クラシックとして名を馳せたシュハールス・セルスから誕生したアントワープ・ポート・エピックは、全長194.21kmのコースに未舗装路セクションが36km、石畳セクションが28km含まれていて、ベルギーのフランダース地方で開催されるロード世界選手権や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で延期になり、10月3日に開催されるパリ~ルーベのためのテストには最適だった。

ファンデルプールはゴールまで残り85kmで自らアタックし、13人の精鋭グループを形成した。彼はそのグループから残り25kmでもう一度アタックし、付いて行けたのはオランダのタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)だけだった。
 

アントワープ・ポート・エピック2021

アントワープ・ポート・エピックの未舗装路を走るファンデルプール(©Bettiniphoto)

2人はゴールまで逃げ切り、最後はファンデルプールが一騎打ちのゴールスプリントを難なく制し、ロード復帰戦で勝利を収めた。追走グループは1分14秒後にゴールし、ファンデルプールのチームメートであるベルギーのティム・メルリール(アルペシン・フェニックス)が3位に入った。アントワープ・ポート・エピックは、ベルギーのワンデイレースを10戦集めたビンゴール・サイクリング・カップの1戦で、メルリールは現在2位に大差を付けて首位に立っている。

テストで走ったアントワープ・ポート・エピックで勝ったファンデルプールは、レースを中継したベルギーのスポーツチャンネル『スポルザ』のインタビューで「この勝利は良いが、過去数カ月のトラブルを完全に取り除く事はできない。とにかく、ボクはいくつかの重要な目標を逃してしまった。(背中の状態は)悪くはなかった。レースが本当にフルになった最後の1時間だけは、それを感じた。でも、以前ほどは悩まされなかった」と、語っていた。

今後のスケジュールについては「この後、数日でどうなるか分からない。(世界選やルーベは)こことは違う試合だ。決定は来週行うつもりだ」と、ファンデルプールは言っている。
 

アントワープ・ポート・エピック2021

アントワープ・ポート・エピック2021の表彰台。左から2位のファンデルホールン、優勝したファンデルプール、3位のメルリール(©Bettiniphoto)

 
第4回アントワープ・ポート・エピック 結果

[9月12日/ヨーロッパツアー1.1/ベルギー/194.21km]

1. MATHIEU VAN DER POEL (ALPECIN-FENIX / NED) 04:12:03
2. TACO VAN DER HOORN (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NED) 00:01
3. TIM MERLIER (ALPECIN-FENIX / BEL) 01:14
4. DANNY VAN POPPEL (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NED) 01:14
5. RASMUS TILLER (UNO – X PRO CYCLING TEAM / NOR) 01:14
6. PIOTR HAVIK (BEAT CYCLING / NED) 01:14
7. LUDOVIC ROBEET (BINGOAL PAUWELS SAUCES WB / BEL) 01:14
8. THOMAS JOSEPH (TARTELETTO – ISOREX / BEL) 01:14
9. DRIES DE BONDT (ALPECIN-FENIX / BEL) 01:19
10. TIESJ BENOOT (TEAM DSM / BEL) 01:30

アントワープ・ポート・エピック公式サイト