ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第12ステージでジルベールがグランツール区間10勝目を達成!

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ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第12ステージでジルベールがグランツール区間10勝目を達成!

(©Bettiniphoto)

スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年9月5日にナバラ・サーキットからビルバオまでの171.4kmで第12ステージを競い、逃げ集団から最後の丘で単独アタックを決めたベルギーのフィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、そのまま逃げ切って区間優勝した。これで彼のグランツールでの区間優勝数は10勝になった。

区間2位はスペインのアレクサンダー・アランブル(カハルラル・セグロスRGA)、3位はスペインのフェルナンド・バルセロ(エウスカディバスクカントリー・ムリアス)だった。

メイン集団は3分2秒遅れでゴールし、スロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)が、総合リーダージャージのラ・ロハを守った。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第12ステージでジルベールがグランツール区間10勝目を達成!

(©Bettiniphoto)

アルデンヌ・クラシックのようなバスク区間でジルベールが優勝

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第12ステージでジルベールがグランツール区間10勝目を達成!

第12ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

第12ステージは165選手が出走。バンジャマン・トマ(グルパマ・FDJ)がスタートしなかった。バスクの丘越え区間は風が強く、スタート前から逃げが決まるだろうと予想された。ジルベールはスタート前のインタビューで「逃げのための日になるべきだ。今日は風がすごく吹いて、ちょっと向かい風と横風だ。だから集団は分断するだろう」と、話していた。

予想通りスタートからアタックが繰り返されたが、逃げはなかなか決まらなかった。42.4kmのカテゴリー3の丘はセルヒオ・エナオ(UAEチーム・エミレーツ)が先頭で通過した。

中盤に入り、100km地点の下りでウィレム・スミット(チームカチューシャ・アルペシン)がわずかに先行したのをきっかけに、19人の集団が逃げ出すことに成功した。ここにジルベールはチームメートのティム・デクレルク(ドゥクーニンク・クイックステップ)と一緒に加わっていた。19人の逃げはゴールまで残り50kmで集団に4分20秒差を付けた。

この日、終盤に連なっていた3つのカテゴリー3の丘の1つ目を越えた後、残り32kmで逃げ集団から前日区間2位だったヨナタン・ラストラ(カハルラル・セグロスRGA)がアタック。フェリックス・グロースシャルトナー(ボーラ・ハンスグローエ)とマルコ・マルカート(UAEチーム・エミレーツ)が合流し、3人で2つ目の丘を上り始めた。

2つ目の丘で先頭はグロスシャルトナーだけになったが、頂上まで残り1kmでツガブ・グルマイ(ミッチェルトン・スコット)が追いついた。2人は後続に40秒差を付けて頂上を通過した。

ゴールまで残り15kmで、先頭のグロースシャルトナーとグルマイはまだ15秒差を付けていたが、追走グループはジルベールのためにデクレルクが先頭を引き、最後のアルト・デ・アライツの上りが始まった残り9.8km地点で2人を捕まえた。

アルト・デ・アライツの丘の頂上まで残り1.6kmで、逃げ集団からジルベールがアタック。アランブルとバルセロが食らいつこうと試みたが成功しなかった。ジルベールはゴールまで残り7.6kmの山頂を独走で通過した。

メイン集団ではアルト・デ・アライツの丘で新人賞ジャージを着たミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)がアタックしたが、ログリッチェがすぐに反応して捕まえた。

アランブルとバルセロの追撃を振り切ったジルベールは、両手を広げて10を示してフィニッシュラインを通過した。彼のブエルタでの通算区間優勝回数はこれで6になり、ツール・ド・フランスの1勝、ジロ・デ・イタリアの3勝と合わせ、グランツールでの区間優勝数が10勝になったからだった。

■グランツール区間10勝目を達成したジルベールのコメント
「ここまで本当にハードなブエルタだったから、素晴らしい勝利だ。勝てるチャンスはあまりなかった。今日は逃げ出すために長い闘いがあった。ものすごい数のアタックがあり、信じられないほどだった。ボクも自分で20回はアタックしたよ。それは本当にキツくて苦しかった。

一緒に良いクライマーたちがいたからあまり自信がなかった。ボクは賢く走るように努力し、チームメートのデクレルクにもすごく助けてもらった。彼はこの勝利の大部分を占めていて、ボクと同じくらい勝ちに値する。最後の丘の連なりはアルデンヌみたいだった。ボクはこの類の短い労力が好きで、10分未満のクライミングでは最高の1人になれる。

グランツールで区間10勝目というのも特別だ。それは素晴らしい数だ。最後の上りの雰囲気は熱狂的だった。旗と大勢の観客でクラシックのようだった。それはボクにすごくモチベーションを与えてくれた。バスク地方はちょっとフランダース地方に似ている。彼等は自転車競技を愛していて、素晴らしいよ」

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第12ステージでジルベールがグランツール区間10勝目を達成!

(©Bettiniphoto)

■第12ステージ結果[9月5日/シルクイト・デ・ナバラ~ビルバオ/171.4km]
1. PHILIPPE GILBERT (DECEUNINCK – QUICK – STEP / BEL) 03H 48′ 18”
2. ALEXANDER ARANBURU DEBA (CAJA RURAL – SEGUROS RGA / ESP) + 03”
3. FERNANDO BARCELO ARAGON (EUSKADI BASQUE COUNTRY – MURIAS / ESP) + 03”
4. JOSÉ ROJAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 22”
5. NIKIAS ARNDT (TEAM SUNWEB / GER) + 26”
6. TOSH VAN DER SANDE (LOTTO SOUDAL / BEL) + 29”
7. CYRIL BARTHE (EUSKADI BASQUE COUNTRY – MURIAS / FRA) + 29”
8. MANUELE BOARO (ASTANA PRO TEAM / ITA) + 29”
9. TIM DECLERCQ (DECEUNINCK – QUICK – STEP / BEL) + 29”
10. VALERIO CONTI (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 31”

82. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) +14’ 23’’

■第12ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 44H 52’ 08’’
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 52’’
3. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 02’ 11’’
4. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03’ 00’’
5. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)  + 03’ 05’’
6. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR)  + 04’ 59’’
7. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL)  + 05’ 42’’
8. NICOLAS EDET (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA) + 05’ 49’’
9. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) + 06’ 07’’
10. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 06’ 25’’

141. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 02H 04’ 53’’

[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 
※第13ステージはNAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) が着用
■山岳賞 : ANGEL MADRAZO RUIZ (BURGOS BH / ESP)
■新人賞 : MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) 
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 :  PHILIPPE GILBERT (DECEUNINCK – QUICK – STEP / BEL) 

ブエルタ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第12ステージでジルベールがグランツール区間10勝目を達成!

カンタブリア出身のマドラソは息子と一緒に表彰台へ上がった (photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

第12ステージのハイライト映像

ciclissimo no61 ツール・ド・フランス 21日間の神話