ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第15ステージはマイカが逃げ切り優勝

  • photo Luis Angel Gomez / Photo Gomez Sport / UNIPUBLIC

スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月29日にナバルモラル・デ・ラ・マタからエル・バラコまでの197.5kmで、山岳区間の第15ステージを競い、ポーランドのラファウ・マイカ(UAEチーム・エミレーツ)が独走で逃げ切り、2017年に続いて2度目の区間優勝を果たした。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

区間優勝したマイカは、亡き父に勝利を捧げた

区間2位はオランダのスティーフェン・クラウスウェイク(ユンボ・ヴィスマ)、3位はオーストラリアのクリスファー・ハミルトン(チームDSM)だった。総合首位はノルウエーのオッドクリスティアン・エイキン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)が守り、ブエルタ2週目を終えた。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

エイキンがラ・ロハを守ってブエルタ2週目を終えた


マイカが87kmを独走

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第15ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

第15ステージは163選手が出走。前日のステージでエクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)が途中リタイアし、このステージでは同郷のジョナタン・カイセド(EFエデュケーション・NIPPO)がスタートしなかった。

この日は4つの峠を越える山岳ステージで、峠越えが始まる前からアタックが続き、25人の大きな集団が一時逃げ出したが集団はこれを許さず、最初の峠越えが始まる前の67km地点で全員が吸収された。最初の1時間の平均時速は51km/hを超えていた。

この日最初の峠だったアルト・デ・センテネラ(カテゴリー1)の登坂が始まり、集団からマイカがアタックし、ファビオ・アール(チームクベカ・ネクストハッシュ)とマキシム・ヴァンヒルス(ロット・スーダル)が付いて行った。ヴァンヒルスは機材故障で遅れ、85.1kmの山頂はマイカとアールが追走グループに1分35秒差を付けて通過した。メイン集団はここで3分遅れていた。

続く2つ目のプエルト・デ・ペドロ・ベルナルド峠(カテゴリー2)の登坂が始まり、山頂まで残り3.5kmでアールが遅れ、ゴールまで残り87kmで先頭はマイカ1人になった。山頂でマイカはアールに17秒、追走グループに1分52秒、メイン集団に5分差を付けていた。後方ではジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアズ)がリタイアし、2日間で3人のエクアドル人選手がブエルタを去ってしまった。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

今大会が引退レースになるアール(右)はマイカと逃げたが、最後まで一緒に行く事はできなかった

3つ目のプエルト・デ・ミハレス峠のふもとでアルーは追走グループに吸収された。ここからゴールまで残り56kmでクラウスウェイクが単独でアタックし、先頭のマイカを追ったが、タイム差はすでに1分50秒開いていた。ゴールまで残り38.4kmの頂上を追加した時、マイカはクラウスウェイクに1分45秒差、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーが引き続ける集団に6分20秒差を付けていた。

マイカは最後のカテゴリー3の峠でもまだ追走するクラウスウェイクに1分42秒差を付けたままで、そのまま残り5.4kmを疾走し、区間優勝を果たした。メイン集団は一時6分以上遅れていたが、最後は2分57秒差にまで挽回し、レースを終えた。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ラ・ロハの集団は2分57秒遅れでゴールした

■87kmを独走で逃げ切って区間優勝したマイカのコメント
「特別だ。時としてトライし、逃げに行くのは簡単な事ではない。しかし、今日ボクはスタートからゴールまでトライした。今日は誰も待たなかった。ステージを勝ちたかった。特に亡くなった父のために、2人の子供たちのために、そして素晴らしいチームであるUAEチーム・エミレーツのためにも勝ちたかった。だからとても嬉しいよ。シーズンのスタートは良くなくて、それは自分にとっても家族にとっても簡単な事ではなかった」
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

87km独走で逃げ勝ったマイカ。彼はこの日の敢闘賞も受賞した

■総合首位を守ったエイキンのコメント
「最後はホッとした。本当にハードな日で、本当に長かった。ボクのチームは本当に良いレースをしたと言わなければならない。チームなしでは、今日ラ・ロハは持っていなかったかもしれない。彼らにはとても感謝している。チーム全員がとても強いと知っている。我々はこれまでこういう状況になった事がないだけだ。総合で僅差のマルタンとログリッチの2人に注意して、彼らを行かさないようにした。ものすごくタフなゴールだった。山頂を通過した後、すごく安全だと分かった」


■第15ステージ結果[8月29日/ナバルモラル・デ・ラ・マタ~エル・バラコ/197.5km]

1. MAJKA Rafal (UAE TEAM EMIRATES / POL) 4:51:36
2. KRUIJSWIJK Steven (JUMBO-VISMA / NED) +1:27
3. HAMILTON Christopher (TEAM DSM / AUS) +2:19
4. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:42
5. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +2:57
6. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) +2:57
7. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +2:57
8. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +2:57
9. DE LA CRUZ MELGAREJO David (UAE TEAM EMIRATES / ESP) +2:57
10. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:57
153. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +35:47

■第15ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) 59:57:50
2. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +54
3. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +1:36
4. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:11
5. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +3:04
6. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS) +3:35
7. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +4:21
8. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +4:34
9. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +4:59
10. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +5:31
129. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +2:43:31

[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : BARDET Romain (TEAM DSM / FRA)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : MAJKA Rafal (UAE TEAM EMIRATES / POL)


31日から最終週がスタート

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第16ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

ブエルタ一行は北部カンタブリア州へ移動し、8月30日はサンタンデールで2度目の休養日を過ごす。翌日からはいよいよ最終週がスタート。8月31日はラレドからサンタ・クルス・デ・ベサナまでの180kmで、今年最後の平坦区間となる第16ステージが行われる。

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021開幕情報(スタートリスト)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!