ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第13ステージはセネシャルが初優勝

スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月27日にベルメスからビリャヌエバ・デ・ラ・セレナまでの203.7kmで、今大会最長区間となる第13ステージを競い、フランスのフロリアン・セネシャル(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、イタリアのマッテーオ・トレンティン(UAEチーム・エミレーツ)とのゴールスプリントを制し、グランツール区間初優勝を果たした。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

グランツール区間初優勝を果たしたセネシャル(©Bettiniphoto)

レース終盤、セネシャルはゴールスプリントの準備でチームメートたちと一緒に列車を組んで集団の先頭を引いていた。そのスピードで長く伸びた集団は、残り3kmで分断し始め、残り1.5kmでは10人足らずがわずかに先行する展開になった。

ところが5番手を走っていたポイント賞ジャージのファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が突然失速。ドゥクーニンク・クイックステップは急遽戦略を変更し、セネシャルにゴールスプリントを託した。チャンスを与えられたセネシャルは、トレンティンとの一騎打ちのゴールスプリントを制し、区間初優勝を手中に収めた。

区間3位にはイタリアのアルベルト・ダイネーゼ(チームDSM)が入った。総合リーダジャージのラ・ロハを着ていたノルウエーのオッドクリスティアン・エイキン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)は、11秒遅れのメイン集団でゴールし、総合首位の座を守った。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

セネシャルがゴールスプリントでトレンティンを打ち負かした


ドゥクーニンク・クイックステップがコントロール

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第13ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

第13ステージは165選手が出走。負傷していたオマール・フライレ(アスタナ・プルミエテック)とマクシミリアン・シャッハマン(ボーラ・ハンスグローエ)がスタートしなかった。

スタートしてすぐに、主催者招待枠(ワイルドカード)で参加した地元のUCIプロチームの3選手がアタック。メンバーはディエゴ・ルビオ(ブルゴス・BH)、アルバロ・クアドロス(カハルラル・セグロスRGA)、ルイスアンヘル・マテ(エウスカルテル・エウスカディ)だった。

しかし、集団はドゥクーニンク・クイックステップがコントロールし、タイム差は2分以上開かなかった。グルパマ・FDJ、チームDSM、ロット・スーダルも集団の先頭で仕事を始め、タイム差が3分以上になる事はなかった。

ゴールまで残り60kmで、先頭をAG2R・シトロエンチーム、チームクベカ・ネクストハッシュ、イスラエル・スタートアップネーションが引き始め、集団は一時2つに分断したが、残り55kmで1つに戻った。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

地元スペインの3選手が逃げた

逃げていた3人は残り28.5kmで吸収され、残り11.2km地点の中間スプリントはヤコブセンが先頭で通過し、ポイントを稼いだ。最後はドゥクーニンク・クイックステップが集団を引き続け、ヤコブセンの今大会区間3勝目が期待されたが、まさかのトラブルにもウルフパックは動じず、セネシャルが代理で区間優勝を勝ち取った。

■グランツール区間初優勝を果たしたセネシャルのコメント
「我々はヤコブセンのために完璧なリードアウトをした。そこで彼が無線で「フロリアン、キミがスプリントできる」と言った。だから我々は待った。ベルト・ヴァンレルベルヘは素晴らしい仕事をしてくれた。ボクは落ち着いて、最後の200mに全力を出した。ヤコブセンはパンクだったんじゃないかと思う。

自分がグランツールの区間で勝ったなんて、まだ実感がない。クレイジーだよ。最初、デマールがボクを追い抜くだろうと思った。あるいはマシューズが。でも、誰も追い抜かなかった。チームメートにどう感謝すれば良いのか分からない。彼らはボクを完璧な場所に配置するために、素晴らしい仕事をしてくれた。今日はラッキーだった。家族や友人や、妻のためにもとても嬉しい。良いプレゼントだ」

■今大会区間3勝目を逃したヤコブセンのコメント
「我々は残り4〜5kmのコーナーを通過した。そこでベルナルかピドコックがちょっと間を開けたんだと思う。ボクはその間を詰めようとしたが、出来なかった。それで、スプリントする脚がなかったから、セネシャルに彼がスプリントすべきだと無線で言った。それから後ろへ下がった」
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ラ・ロハはエイキンが守った

■第13ステージ結果[8月27日/ベルメス~ビリャヌエバ・デ・ラ・セレナ/203.7km]
1. SENECHAL Florian (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA) 4:58:23
2. TRENTIN Matteo (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
3. DAINESE Alberto (TEAM DSM / ITA) +2
4. MEZGEC Luka (TEAM BIKEEXCHANGE / SLO) +3
5. DEWULF Stan (AG2R CITROEN TEAM / BEL) +3
6. ALLEGAERT Piet (COFIDIS / BEL) +3
7. EINHORN Itamar (ISRAEL START-UP NATION / ISR) +3
8. SOTO GUIRAO Antonio Jesus (EUSKALTEL – EUSKADI / ESP) +3
9. OLIVEIRA Rui (UAE TEAM EMIRATES / POR) +3
10. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +6
22. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) +11
92. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:05

■第13ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) 50:31:52
2. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +58
3. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +1:56
4. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:31
5. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +3:28
6. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS) +3:55
7. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +4:41
8. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +4:57
9. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +5:03
10. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +5:38
125. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:57:23

[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : CUADROS MORATA Alvaro (CAJA RURAL-SEGUROS RGA / ESP)


第14ステージはカテゴリー1頂上ゴール

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第14ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

8月28日はドン・ベニトから標高1580mのピコ・ビリュエルカスまでの165.7kmで、カテゴリー1頂上ゴールの第14ステージが行われる。ピコ・ビリュエルカスは全長14.5kmで、平均勾配は6.2%だ。

ラ・ロハを守っているエイキンとアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーにとっては、大きな試練になるだろう。エイキンは「明日はラ・ロハを守りたいが、それは主にログリッチ次第だ。もし、彼が立ち上がってそれを取りに来たら、難しくなるだろう。でも、もしボクが幸運で、脚があれば、このジャージのために戦い続けられるよ」と、語っている。
 
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021開幕情報(スタートリスト)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!