ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第9ステージはカルーゾが逃げ切り初優勝

  • photo Luis Angel Gomez / Photo Gomez Sport / UNIPUBLIC

スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月22日にプエルト・ルンブレラスから標高1800mのアルト・デ・ベレフィケ頂上までの188kmで、超級頂上ゴールの第9ステージを競い、イタリアのダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)が独走で逃げ切り、区間初優勝を果たした。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

カルーゾが71kmを独走で逃げ切って区間初優勝した

区間2位には1分5秒遅れで総合リーダージャージのラ・ロハを着たスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が入り、総合首位の座を守った。区間3位はスペインのエンリク・マス(モビスターチーム)だった。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

総合リーダージャージはログリッチが守った

 
カルーゾが71km独走で逃げた

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第9ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

第9ステージは175選手が出走した。スタートから高速の展開で、アタックと吸収が続いたが、抜け出せる選手はいないまま、最初の峠越えが始まった。74.5kmの山頂はウァウテル・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭で通過した。

下りでグルパマ・FDJのオリヴィエ・ルガックとリュディ・モラールがアタックし、カルーゾが合流。このグループに更に選手が合流し、11人の先頭集団が形成された。彼らは103km地点でメイン集団に3分差を付けていた。総合成績が最も上位のモラールが5分9秒差だった為、メイン集団はユンボ・ヴィスマがコントロールを続けた。

カテゴリー1のアルト・コリャド・ベンタ・ルイザ峠の上りがスタートすると、メイン集団はイネオス・グレナディアズが引き始め、逃げ集団とのタイム差は縮まっていった。ゴールまで残り71km地点で、先頭の逃げ集団からカルーゾがアタックし、独走を開始した。彼は残り57kmの山頂で後続に10秒差、メイン集団に1分40秒差を付けていた。

カルーゾはタイム差を広げ続け、ゴールまで残り23kmで後続に2分半、メイン集団に4分22秒差を付けていた。残り13kmで、この日最後のアルト・デ・ベレフィケの登坂がスタートした時には、メイン集団はカルーゾより5分以上遅れていた。

最後のアルト・デ・ベレフィケが始まり、メイン集団はイネオス・グレナディアズが引き続け、次第に小さくなっていった。そこから残り9kmでアダム・イェーツ(イネオス・グレナディアズ)がアタックし、総合争いの戦いがスタートした。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

マスのアタックをラ・ロハのログリッチは見逃さなかった

残り5kmでエンリク・マス(モビスターチーム)がアタックし、付いて行けたのはラ・ロハを着たログリッチだけだった。この時、カルーゾはまだ2分35秒差を付けていた。彼はそのまま独走で逃げ切り、区間初優勝を果たした。彼は山岳賞でも総合首位に立った。区間2位にはログリッチが入り、6秒のボーナスタイムを獲得した。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

区間2位で6秒のボーナスタイムを獲得したログリッチは、総合でのリードをわずかに広げた

■71km独走で逃げて区間初優勝したカルーゾのコメント
「先頭で71kmも1人なのは、かなりの距離だ。イネオスがとてもハードなテンポを設定している事を知っていたから、行ったんだ。彼らがボクのグループを捕まえる前に、アタックしろと自分に言い聞かせた。差は実際よりも大きいと思った。自分が成し遂げた事で、素晴らしい気分だ。ジロの後でこれを達成したのは信じられない」
 

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カルーゾが山岳賞総合首位になった

 
■第9ステージ結果[8月22日/プエルト・ルンブレラス~アルト・デ・ベレフィケ/188km]
1. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) 5:03:14
2. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +1:05
3. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +1:06
4. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS) +1:44
5. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +1:44
6. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:44
7. MÄDER Gino (BAHRAIN VICTORIOUS / SUI) +2:07
8. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +2:10
9. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +2:10
10. DE LA CRUZ MELGAREJO David (UAE TEAM EMIRATES / ESP) +2:40
143. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +32:55

■第9ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) 34:18:53
2. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +28
3. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +1:21
4. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS) +1:42
5. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +1:52
6. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:07
7. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +2:39
8. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +2:40
9. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +3:25
10. DE LA CRUZ MELGAREJO David (UAE TEAM EMIRATES / ESP) +3:55
143. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:23:48

[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞 : AMEZQUETA MORENO Julen (CAJA RURAL-SEGUROS RGA / ESP)

 
第10ステージは終盤にカテゴリー2の峠越え

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第10ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

8月23日は最初の休養日となり、翌24日はロケタス・デ・マルからリンコン・デ・ラ・ピクトリアまでの190.3kmで、海岸線を走る第10ステージが行われる。スタートから平坦が続いた後、終盤に標高612mでカテゴリー2のプエルト・デ・アルマチャル峠を越える。
 
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021開幕情報(スタートリスト)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!