ツール・ド・フランス2021第10ステージはカヴェンディッシュが3勝目!

第108回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、休養日明けの7月6日に、アルベールヴィルからヴァランスまでの190.7kmで、平坦区間の第10ステージを競い、マイヨ・ベールを着た英国のマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が集団ゴールスプリントを制し、区間3勝目を上げた。
 

ツール・ド・フランス2021

カヴェンディッシュが今大会3勝目を上げ、メルクスの最多区間優勝記録まで、あと1勝に迫った

これでカヴェンディッシュのツール区間通算優勝数は33勝になり、ベルギーのエディ・メルクスが持つ34勝の最多区間優勝記録まであと1勝に迫った。

区間2位はベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)、3位はベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・フェニックス)だった。マイヨ・ジョーヌはスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が守った。
 

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区間優勝を喜ぶカヴェンディッシュとアラフィリップ


教科書どおりのスプリント列車

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休養日明けの第10ステージは164選手が出走。ヨーナス・コッホ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)がスタートしなかった。2km地点でトッシュ・ヴァンデルサンデ(ロット・スーダル)がこの日最初のアタックを決め、ユーゴ・ウル(アスタナ・プルミエテック)が合流して逃げグループになった。

集団はペースを上げず、20km地点で2人の逃げのタイム差は5分になった。この日唯一の山岳ポイントだった58.5km地点のコル・ド・クーズ(カテゴリー4)はウルが先頭で通過した。集団は82.3km地点の中間スプリントに向けてペースを上げた。

中間スプリントはヴァンデルサンデが先頭で通過し、1分50秒遅れる集団はイタリアチャンピオンのソンニ・コルプレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス)が3位通過でポイント賞のポイントを稼いだが、マイヨ・ベールのカヴェンディッシュはポイント争いに加わらなかった。集団では、ゴールまで残り67.2km地点で落車が発生し、リッチー・ポート(イネオス・グレナディアズ)が遅れたが、すぐ集団に戻る事ができた。

ゴールまで残り38kmで逃げる2人のタイム差は30秒になり、ヴァンデルサンデは諦めたが、ウルは単独でもう2km逃げ続けた。彼は残り36kmで吸収されたが、この日の敢闘賞を獲得した。

ゴールスプリントに向けてドゥクーニンク・クイックステップが集団をコントロール。ゴールまで残り27kmで、コルブレッリがパンクで自転車を交換しなければならないアクシデントに見舞われたが、すぐ集団に復帰できた。

終盤は横風の影響もあり、集団は複数に分断したが、主要選手は先頭のグループに顔を揃えていた。ゴールまで残り3.5kmでアルカンシエルのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が集団の先頭を1kmほど引き続けた。

最後はまさに教科書どおりのスプリント列車をドゥクーニンク・クイックステップが実演し、ゴール手前150mでミケル・モルコフ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の後方からスパートしたカヴェンディッシュが、難なく勝利を収めた。
 

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区間3勝したカヴェンディッシュはポイント賞総合のリードも広げている

■今大会区間3勝目を上げたカヴェンディッシュのコメント
「今日は何もしなかった。ボクのチームが全部やってくたのさ。それは古い学校だった。教科書のリードアウトだった。2015年にボクはこのヴァランスのステージで落とされ、アンドレ・グライペルがスプリントで勝った。ボクたちは何度もルートを研究して、エシェロンを有利に働かせようとした。実際のところ集団は本当に分断はしなかったが、ボクらには自信があり、良い列車が居るから気にしなかった。

ここには区間優勝する為にやって来た。結果としてマイヨ・ベールを勝ち取れれば、それは素晴らしいけど、優先事項ではないよ」
 

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マイヨ・ジョーヌはポガチャルが守った

 
■第10ステージ結果[7月6日/アルベールヴィル~ヴァランス/190.7 km]
1. CAVENDISH Mark (DECEUNINCK – QUICK-STEP / GBR) 4:14:07
2. VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL) +00
3. PHILIPSEN Jasper (ALPECIN-FENIX / BEL) +00
4. BOUHANNI Nacer (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA) +00
5. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE / AUS) +00
6. MØRKØV Michael (DECEUNINCK – QUICK-STEP / DEN) +00
7. GREIPEL André (ISRAEL START-UP NATION / GER) +00
8. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK) +00
9. TURGIS Anthony (TOTALENERGIES / FRA) +00
10. BOL Cees (TEAM DSM / NED) +00

■第10ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 38:25:17
2. O’CONNOR Ben (AG2R CITROEN TEAM / AUS) +02:01
3. URAN Rigoberto (EF EDUCATION – NIPPO / COL) +05:18
4. VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN) +05:32
5. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +05:33
6. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +05:47
7. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +05:58
8. LUTSENKO Alexey (ASTANA – PREMIER TECH / KAZ) +06:12
9. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +07:02
10. GAUDU David (GROUPAMA – FDJ / FRA) +07:22

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):CAVENDISH Mark (DECEUNINCK – QUICK-STEP / GBR)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):QUINTANA Nairo (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(※第11ステージは VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN) が着用)
■チーム成績:BAHRAIN VICTORIOUS (BRN)
■敢闘賞:HOULE Hugo (ASTANA – PREMIER TECH / CAN)

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逃げて敢闘賞を獲得したウルの目標は、事故死した弟のためにツールで区間優勝する事だ


第11ステージはモン・ヴァントウを2回越える

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7月7日は南仏プロヴァンスに舞台を移し、ヴォークリューズ県のソルグからマロセーヌまでの198.9kmで、山岳区間の第11ステージが行われる。レース後半に『プロヴァンスの巨人』と呼ばれる、標高1910mのモン・ヴァントウを2回越えるレイアウトだ。

モン・ヴァントウの登坂は、1回目が全長22kmで平均勾配は5.1%。2回目は全長15.7kmで平均勾配は8.8%になっている。ゴールは山頂ではなく、22km下ったマロセーヌだ。

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