ジロ・デ・イタリア2021第18ステージはベッティオールが初優勝

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イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月27日にロヴェレートからストラデッラまでの231kmで今大会最長区間の第18ステージを競い、地元イタリアのアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーション・NIPPO)が独走で逃げ切り、グランツール区間初優勝を果たした。
 

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ベッティオールが逃げ切り、区間初優勝した(photo : LaPresse)

区間2位はイタリアのシモーネ・コンソンニ(コフィディス)、3位はアイルランドのニコラ・ロッシュ(チームDSM)だった。集団は23分30秒遅れでゴールしたが、総合リーダーのマリア・ローザはコロンビアのエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアズ)が守った。


チッコーネとエヴェネプールが不出走

第18ステージは147選手が出走。前日に下りで落車したイタリアのジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)と、ベルギーのレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)がスタートしなかった。

ポー平原を横断する平坦区間は、スタートからアタックがかかり、29km地点で23人の逃げ集団が形成された。ここにベッティオルも加わっていた。総合成績で上位の選手は含まれていなかったため、集団はこの逃げを追わず、最終決戦に備えてつかの間のサイクリングを楽しんだ。
 

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23人の逃げは、ゴールまで残り34kmで集団に15分半以上の大差を付けていた。ここからいくつもの丘越えがあり、町中の狭い坂道で逃げ集団ではアタックが始まった。ベッティオールはここで先行する6人のグループに一度加わっていたが、残り26kmで後続に捕まってしまった。

そこからレミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックして独走を開始した。彼は一時30秒以上のタイム差を付けたが、ベッティオールが単独で追いかけ、10数秒にまで迫った。残り10.7kmでベッティーオルにロッシュが追いつき、2人でカヴァニャを追った。

先頭のカヴァニャはカテゴリーのない最後の上り坂で減速し、単独で追ってきたベッティオールに残り6.8kmで捕まってしまった。ベッティオールはすぐにアタックし、カヴァニャにはもう反応する力は残っていなかった。ベッティオールはそのまま逃げ切り、ゴール前では観客に声援を要求するゆとりすらあった。

■グランツールで区間初優勝したベッティオールのコメント
「こういう勝利を本当に望んでいた。すでに2〜3回、あと一歩にまで近づいていた。今朝、キャプテンのヒュー・カーシーがボクにアタックを続けるゴーサインを出してくれた。彼とチーム全体に感謝したい。このチャンスを逃したくなかった。ジロの3週目に逃げるのはいつも難しく、今日は大勢の選手が勝ちを狙いたがっていた」
 

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マリア・ローザはベルナルが守った(photo : LaPresse)

■第18ステージ結果[5月27日/ロヴェレート~ストラデッラ/231km]
1. BETTIOL Alberto (EF EDUCATION – NIPPO / ITA) 5:14:43
2. CONSONNI Simone (COFIDIS / ITA) +17
3. ROCHE Nicolas (TEAM DSM / IRL) +18
4. ARNDT Nikias (TEAM DSM / GER) +18
5. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +18
6. BATTISTELLA Samuele (ASTANA – PREMIER TECH / ITA) +18
7. ZANA Filippo (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA) +18
8. TESFAZION Natnael (ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC / ERI) +18
9. CAVAGNA Rémi (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA) +24
10. MOSCA Jacopo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:12
35. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +23:30

■第18ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) 77:10:18
2. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +2:21
3. YATES Simon Philip (TEAM BIKEEXCHANGE / GBR) +3:23
4. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +6:03
5. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – NIPPO / GBR) +6:09
6. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +6:31
7. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (INEOS GRENADIERS / COL) +7:17
8. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK-STEP / POR) +8:45
9. FOSS Tobias S. (JUMBO-VISMA / NOR) +9:18
10. MARTIN Daniel (ISRAEL START-UP NATION / IRL) +13:37
78. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +2:47:58

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUCHARD Geoffrey (AG2R CITROEN TEAM / FRA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
※第19ステージは VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS)が着用
■チーム成績 : TEAM DSM (GER)


第19ステージはケーブルカー事故でコース変更

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●第19ステージのコースプロフィール(MAP :RCS Sport)

5月28日はミラノ近郊のアッビアーテグラッソから、ピエモンテ州のスキーリゾート地、アルペ・ディ・メーラ(カテゴリー1)までの166kmで、アルプス山岳区間の第19ステージが行われる。

当初このステージは、中盤にカテゴリー1のモッタローネ峠を越える予定だったが、23日にこの山で多くの犠牲者を出したケーブルカーの事故があったため、主催者はコースを変更し、モッタローネ峠の代わりにカテゴリー4のジニェーゼ峠を越えるレイアウトになっている。この変更で、ステージの距離は10km短くなった。

ゴールのアルペ・ディ・メーラは標高1531mで全長9.7km、平均勾配は9%。登坂の後半に最大14%の難所がある。

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●第19ステージのゴール・プロフィール(MAP :RCS Sport)

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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