五輪テストイベントBMXフリースタイル決勝が雨天中止、シーディングで順位決定

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自転車競技最後のBMXフリースタイルの五輪テストイベントが有明アーバンスポーツパークにて行われた。雨により決勝が中止となったが、シーディングの結果により、男子は溝垣丈司が、女子は深尾梨奈が優勝を決めた。

BMXテストイベント

BMXフリースタイル、BMXレース、スケートボードが行われる有明アーバンスポーツパーク

 

雨天時のテストとしても

5月17日(月)、東京都江東区にある有明アーバンスポーツパークにてREADY STEADY TOKYO 自転車競技(BMXフリースタイル)が開催された。

先月行われたトラック競技と同様、日本人のみの開催となった。男女それぞれ9人、合計18人のオリンピック本番と同じ人数にて行われた。なお、各国の公平性を担保するために東京五輪内定候補選手である中村輪夢と大池水杜は、今回の大会には選出されなかった。

BMXフリースタイルは2020年のオリンピックから初めて採用される、技を見せ合う採点競技である。1本の出走で60秒という制限時間以内に曲面やスロープなどを複雑に組み合わせたコースを自在に使いながら、トリックと呼ばれるジャンプや空中動作、回転などの技を繰り出していく。採点基準は、トリックの難易度や独創性、全体の構成やスピード、コントロール、着地などあらゆる点を見られる。

今回のテストイベントでは、UCIが選出した審査員が実際に得点を算出し、世界基準の厳しい採点結果となった。

BMXテストイベント

多くのスタッフを要して復旧作業が行われるコース

10時40分から女子のシーディング(予選)が行われ、それぞれが2本ずつ走り、2本の平均得点により、決勝の走行順が決められた。男子も同じく11時50分からシーディングが行われたが、雨が強くなり、中断。

コースが濡れることで転倒の危険が高まるため、モップでの拭き取りならびにブロワーでの乾燥作業が行われた。その後、雨も一度止んだために再開された。

全員がシーディングを無事に終え、1時間後に決勝というところでまたしても雨。再開が1時間後、また1時間後と見合わされたが、最終的に決勝は中止。シーディングでの順位がそのまま今回の順位として反映される結果となった。

 

個人のスタイルが見られる難しく面白いコース

今回女子で優勝した深尾梨奈は、「やっぱり決勝はやりたかったですし、自分の力が出し切れてない上での優勝なので素直に喜べないですかね。でも、広いパークでいろんな形のセクションがあって、乗っていて楽しかったです。まっすぐだけじゃなくて斜めのラインとかを使えるのがいいなと思いました」と話した。

シーディングの1走目で二番目の成績を出したが、2走目の大技で着地に失敗してパンク、最終順位が5位に沈んだ勅使川原大地は、今回初めてコースに入った感想をこう話していた。

「ぱっと見、すごくシンプルに見えるんですけど、走ってみたりルーティーンを組んでみたりすると、かなりいろんなルートがあって、その中で技を入れ込んで、見せたい技をどこで出すかっていうのを考えるのが難しい。単純ではないですね、意外と。ライダーの一人一人のスタイル、ルーティーンが出てくると思うのでいいなというのが僕の印象です」

また、今回は風が強く、ライディングにも影響があったそうだ。

会場が一体になって盛り上がるのがBMXフリースタイルの醍醐味でもある。だが、現在の状況で予定通りの観客数を入れての開催というのは考えにくいものがある。今回のテストイベント同様、無観客での開催も可能性として残る。勅使河原は代表の中村輪夢のマインドについても口にした。

「(無観客の状況を)想像するとしたら、普段の練習風景。その中で気持ちを引き締めて、やる技をしっかりやって競い合うという感じですね。特に輪夢なんて、一人で練習してるので、多分メンタル的にもマインド的にも無観客でも関係なくできるものは持ってると思います。コースも発表されていて、何をやるかっていうのも彼の中で考えてるみたいなので」

また、今回は雨天による決勝中止となったが、競技の特性上オールウェザースポーツとはいかず、会場が屋外にある以上、天候に対する脆弱性は存在する。予備日など、さまざまなパターンが想定されてはいるものの、昨年のような日本の長引く梅雨を想定すると、不安が残る面もある。

しかし天候ばかりは運に任せるほかない。ともかくオリンピック初開催となるBMXフリースタイルがエキサイティングな大技の見せ合いとなることを期待したい。

 

男子出走者

BMXテストイベント

BMXテストイベント 男子

大和 晴彦(オワ ハルヒコ)
勅使川原 大地(テシガハラ ダイチ)
堀田 凌生(ホッタ リョウセイ)
大西 勘弥(オオニシ カンヤ)
上田 崇人(ウエダ タカト)
深尾 海斗(フカオ カイト)
溝垣 丈司(ミゾガキ ジョージ)
石井 駿哉(イシイ シュンヤ)
貝瀬 鼓太郎(カイセ コタロウ)

 

男子リザルト

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BMXテストイベント 男子表彰台

1位 溝垣丈司 57.30pts(RUN1:51.80pts、RUN2:62.80pts)
2位 大西勘弥 56.00pts(RUN1:62.20pts、RUN2:49.80pts)
3位 大和晴彦 46.90pts(RUN1:42.40pts、RUN2:51.40pts)

 

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男子は溝垣丈司が優勝

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男子2位の大西勘弥

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男子3位の大和晴彦

 

女子出走者

深尾 梨奈(フカオ リナ)
佐藤 孔怜(サトウ クレア)
内藤 寧々(ナイトウ ネネ)
杉尾 咲空(スギオ サクラ)
小澤 美晴(オザワ ミハル)
白井 玲恵奈(シライ レエナ)
吉田 実央(ヨシダ ミオ)
杉本 実紅(スギモト ミク)
小澤 美咲(オザワ ミサキ

 

女子リザルト

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BMXテストイベント 女子表彰台

1位 深尾梨奈 49.60pts(RUN1:58.20pts、RUN2:41.00pts)
2位 白井玲恵奈 44.50pts(RUN1:47.00pts、RUN2:42.00pts)
3位 吉田実央 42.89pts(RUN1:41.18pts、RUN2:44.60pts)

 

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女子は深尾梨奈が優勝

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女子2位の白井玲恵奈

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女子3位の吉田実央