ジロ・デ・イタリア2021第10ステージはサガンが優勝

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イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月17日にラクイラからフォリーニョまでの139kmで第10ステージを競い、スロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/31歳)が、集団ゴールスプリントを制して区間優勝した。

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サガンが集団ゴースプリントを制した(photo : LaPresse)

サガンはポイント賞総合で首位に立ち、マリア・チクラミーノも獲得した。区間2位はコロンビアのフェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)、3位はイタリアのダヴィデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)だった。

総合首位のマリア・ローザは、コロンビアのエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアズ)が守った。

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マリア・ローザはベルナルが守った(photo : LaPresse)


ボーラ・ハンスグローエが集団を支配

第10ステージは172選手が出走。スタートと同時にシモン・ペロー(アンドローニジョカットリ・シデルメク)、ウンベルト・マレンゴ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)、サムエーレ・リーヴィ(エオロ・コメータ サイクリングチーム)、タコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)がアタックし、コーベ・ホーセンス(ロット・スーダル)が合流してこの日の逃げグループになった。しかし、タイム差はなかなか2分以上にならなかった。

逃げグループは、踏切の電車通過で足止めを食らうハプニングがあったが、46.9kmの中間スプリント地点はリーヴィが先頭で通過。ここで集団とのタイム差は2分半近くに開いていた。

ゴールまで残り60kmを切ると、集団の先頭はボーラ・ハンスグローエが列車を作って引き始め、まずディラン・フルーネウェーヘン(ユンボ・ヴィスマ)が遅れてしまった。この日唯一のカテゴリーが付けられたヴァリコ・デッラ・ソンマ峠(カテゴリー4)のふもとで、逃げグループは全員吸収された。

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ボーラ・ハンスグローエが集団を引き続けた

集団は逃げを吸収した後もボーラ・ハンスグローエが引き続け、峠を上り始めた。ここでマリア・チクラミーノを着たティム・メルリール(アルペシン・フェニックス)や、欧州チャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(チームクベカ・アソス)が、集団から遅れてしまった。

ゴールまで残り38.7kmのヴァリコ・デッラ・ソンマ峠の頂上は、ジョヴァンニ・アレオッティ(ボーラ・ハンスグローエ)が先頭で通過。イスラエル・スタートアップネーションがボーラ・ハンスグローエに加勢し、集団を引き続けた。ボーナスタイムがかけられた2回目の中間スプリント地点が近づくと、集団の先頭はドゥクーニンク・クイックステップが引き始めた。

マリア・ビアンカを着たレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)がボーナスタイムを狙っているのを察知したイネオス・グレナディアズは、フィリッポ・ガンナがマリア・ローザのベルナルを引いて飛び出したが、ベルナルがスプリントでエヴェネプールに敵わない事に気が付き、ホナタン・ナルバエスが飛び出してエヴェネプールの1位通過を阻止した。

エヴェネプールは中間スプリント地点を2位で通過して2秒稼いだが、ベルナルが3位通過で1秒獲得したため、総合でのタイム差は1秒しか縮められなかった。しかし、マリア・ローザ対マリア・ビアンカの白熱のボーナスタイム争いは見ものだった。

中間スプリント地点通過後は、再びボーラ・ハンスグローエが集団の先頭をコントロール。ゴールまで残り1kmのフラム・ルージュ手前のコーナーで落車が発生したが、集団の前方には影響がなかった。最後のコーナーで先頭に立ったサガンは、そのまま先頭でフィニッシュラインに飛び込んだ。昨年ジロに初参加したサガンは、奇しくも今年と同じ第10ステージで区間優勝していた。

■集団ゴールスプリントを制して区間優勝したサガンのコメント
「我々にとって、とても良い日だ。我々はベストを尽くした。チームメートにとても感謝している。彼らは最後の上りで何人かのスプリンターを脱落させる素晴らしい仕事をしてくれた。全員を脱落させられたわけではなかったから、ボクはガビリアやヴィヴィアーニのようなトップスプリンターたちを打ち負かさなければならなかった。最後に勝てて、とても嬉しい。運も必要だった。今までのスプリント・ステージではそれがなかったんだ」

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区間優勝したサガンはマリア・チクラミーノも獲得した


■第10ステージ結果[5月17日/ラクイラ~フォリーニョ/139km]

1. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK) 3:10:56
2. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL)
3. CIMOLAI Davide (ISRAEL START-UP NATION / ITA)
4. OLDANI Stefano (LOTTO SOUDAL / ITA)
5. VERMEERSCH Gianni (ALPECIN-FENIX / BEL)
6. DE BONDT Dries (ALPECIN-FENIX / BEL)
7. VENDRAME Andrea (AG2R CITROEN TEAM / ITA)
8. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
9. VIVIANI Elia (COFIDIS / ITA)
10. MOLANO BENAVIDES Juan Sebastian (UAE TEAM EMIRATES / COL)
61. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN)

■第10ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) 38:30:17
2. EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) +14
3. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +22
4. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +37
5. VALTER Attila (GROUPAMA – FDJ / HUN) +44
6. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – NIPPO / GBR) +45
7. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +46
8. MARTIN Daniel (ISRAEL START-UP NATION / IRL) +52
9. YATES Simon Philip (TEAM BIKEEXCHANGE / GBR) +56
10. FORMOLO Davide (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +1:02
89. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:00:52

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUCHARD Geoffrey (AG2R CITROEN TEAM / FRA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
※第11ステージは EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) が着用
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)


休養日の翌日はミニ・ストラーデ・ビアンケ区間

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●第11ステージのコースプロフィール(MAP :RCS Sport)

5月18日はイタリア中部ウンブリア州のペルージャで最初の休養日を過ごし、5月19日はペルージャからトスカーナ州のモンタルチーノまでの162kmで、“ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・ワイン・ステージ” と名付けられた第11ステージが行われる。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、モンタルチーノ特産のワインの銘柄だ。レース後半は起伏があり、ストラーデ・ビアンケ(UCIワールドツアー)に登場する4カ所の未舗装路(全長35km)が組み込まれている。

休養日には新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査も予定されており、結果は第11ステージの朝に発表される。
 

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(photo : LaPresse)

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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