ジロ・デ・イタリア2021第3ステージはファンデルホールンが逃げ切り優勝

イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月10日にビエッラからカナーレまでの190kmで第3ステージを競い、オランダのタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー/27歳)が独走で逃げ切り、グランツール初参加で初区間優勝を果たした。

ジロ・デ・イタリア

独走で逃げ勝ったオランダのファンデルホールン(©Bettiniphoto)

今季UCIワールドチームに昇格したベルギーのアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーは、これが今季1勝目だった。

ファンデルホールンを捕まえられなかった集団は、4秒遅れで2位争いのゴールスプリントを競い、イタリアのダヴィデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネイション)がスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)を打ち負かした。

総合首位のマリア・ローザは、イタリアのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)が守った。

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総合首位はイタリアのガンナが守った(photo : LaPresse)

第3ステージは雨のスタートとなり、183選手が出走。スタートしてすぐにレイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)がアタックしたが、成功はしなかった。しかし、5km後にアタックを決めた8人の逃げには、チームメートのファンデルホールンが加わる事ができた。

この逃げには、前日も逃げて山岳賞のマリア・アッズーラを獲得したヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)も加わっていた。彼らは一時、集団とのタイム差を6分半にまで広げたが、ゴールスプリントを狙う集団はそれ以上の差を許さなかった。

この日は後半にカテゴリーのついた丘が3カ所あった。122.2kmの最初のカテゴリー3の丘は、マリア・アッズーラを着たアルバネーゼが先頭で通過。彼は次のカテゴリー4の丘も先頭で通過し、着実にポイントー稼いだ。ゴールまで残り36.2kmの、最後のカテゴリー4の丘はシモン・ペロー(アンドローニジョカットリ・シデルメク)が先頭で通過し、アルバネーゼは1ポイントしか稼げなかったが、すでにこの日のマリア・アッズーラを守るのに十分なポイントを獲得していた。

ゴールまで残り20kmで、先頭の逃げグループとボーラ・ハンスグローエが先頭を引く集団のタイム差は、1分にまで縮まっていた。頂上にスプリント賞がかけられていた丘で、先頭の逃げからペローがアタックし、ファンデルホールンだけが付いて行った。集団からはトニー・ガロパン(AG2R・シトロエンチーム)とジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)がアタックし、先頭の2人を追った。

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ファンデルホールンは残り8.8kmでアタックし、ペローを蹴落とした(©Bettiniphoto)

ゴールまで残り15kmの頂上で、ペローとファンデルホールンは追走する2人に10秒差、集団に28秒差を付けていた。ファンデルホールンはゴールまで残り8.8kmでアタックしてペローを置き去りにし、独走を開始した。集団はUAEチーム・エミレーツが引き、残り2kmでガロパンとチッコーネを捉えたが、ファンデルホールンはまだ19秒先行していた。

14秒差で残り1kmのフラム・ルージュを通過したファンデルホールンはそのまま逃げ切り、最後は後ろを振り返るゆとりまで見せ、グランツール初優勝に歓喜していた。

■初参加のグランツールで区間初優勝したファンデルホールンのコメント
「信じられない。ジロではただアグレッシブに走りたかった。区間優勝するのはとても難しいだろうと思っていた。チャンスは掴んだが、終盤に1分のリードを持てるとは思わなかった。でも、ペローは丘をとても激しく乗り越えた。それで彼は疲れてしまい、ボクは彼を脱落させる事ができた。無線で40秒リードしていると聞いた。残り1kmで後ろを振り返り、勝てると思い始めた。信じられないよ」

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(photo : LaPresse)

■第3ステージ結果[5月10日/ビエッラ~カナーレ/190km]
1. VAN DER HOORN Taco (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NED) 4:21:29
2. CIMOLAI Davide (ISRAEL START-UP NATION / ITA) +4
3. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK) +4
4. VIVIANI Elia (COFIDIS / ITA) +4
5. BEVIN Patrick (ISRAEL START-UP NATION / NZL) +4
6. VERMEERSCH Gianni (ALPECIN-FENIX / BEL) +4
7. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL) +4
8. BETTIOL Alberto (EF EDUCATION – NIPPO / ITA) +4
9. OLDANI Stefano (LOTTO SOUDAL / ITA) +4
10. MOSCA Jacopo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +4
61. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +4

■第3ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA) 8:51:26
2. FOSS Tobias S. (JUMBO-VISMA / NOR) +16
3. EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) +20
4. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK-STEP / POR) +20
5. CAVAGNA Rémi (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA) +21
6. MOSCON Gianni (INEOS GRENADIERS / ITA) +26
7. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +27
8. BETTIOL Alberto (EF EDUCATION – NIPPO / ITA) +29
9. CASTROVIEJO NICOLAS Jonathan (INEOS GRENADIERS / ESP) +30
10. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +32
66. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +56

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MERLIER Tim (ALPECIN-FENIX / BEL)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA)
※第4ステージは FOSS Tobias S. (JUMBO-VISMA / NOR) が着用
■チーム成績 : JUMBO-VISMA (NED)

 

第4ステージは中盤からアペニン山脈越え

ジロ・デ・イタリア

●第4ステージのコースプロフィール(MAP :RCS Sport)

ジロは開幕地のピエモンテ州を離れ、南下を始める。5月11日はエミリア・ロマーニャ州のピアチェンツァからセストラまでの187kmで、中級山岳区間の第4ステージが行われる。序盤は平坦だが、中盤からアペニン山脈越えが始まり、終盤には標高1052mでカテゴリー2のコッレ・パッセリーノ峠を越える。

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●第4ステージ終盤のコースプロフィール(MAP :RCS Sport)

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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