ロンド・バン・ブラーンデレン2021でアスグレーンが初優勝

モニュメントと呼ばれる5大クラシックの1つである第105回ロンド・バン・ブラーンデレン(ツール・デ・フランドル/UCIワールドツアー)が、4月4日にベルギー北部フランダース地方で開催され、デンマークチャンピオンのカスパ・アスグレーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、オランダチャンピオンのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)を一騎打ちのゴールスプリントで打ち負かし、初優勝を果たした。

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アスグレーンがファンデルプールを一騎打ちのスプリントで打ち負かした

デンマーク出身の選手がロンドで優勝したのは2回目で、1997年のロルフ・セーレンセン以来の快挙だった。3位には地元ベルギーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(AG2R・シトロエン チーム)が入った。

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左から2位のファンデルプール、優勝したアスグレーン、3位のヴァンアーヴェルマート(©Bettiniphoto)

ゴールまで残り55kmのオウド・クワルモントの石畳の坂で、序盤から逃げていた7人からシュテファン・ビセッガー(EFエデューケーション・NIPPO)がアタックし、単独で先頭を走り始めた。集団では残り49kmでトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)がアタックし、追走グループが形成され、世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が加わっていた。

追走グループは逃げグループを吸収し、残り45kmのコッペンベルフの石畳の坂でアタックしたアラフィリップが、坂の頂上で先頭のビセゲルに追いついた。後方ではコッペンベルフで有力選手が前に出て先頭グループを形成。そこからマルコ・ハラー(バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックし、単独で逃げ始めた。

ゴールまて残り37kmのターイエンベルフで、集団からアスグレーンがアタック。ファンデルプール、ウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ビスマ)、アラフィリップが追走し、先頭のハラーに追いついた。そこにディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス)が合流し、残り35kmで先頭は6人になった。

有力選手が顔を揃えた先頭グループから、残り27kmでアスグレーンがアタックし、ヴァンアールトとファンデルプールが追走した。3人は後続に30秒近いタイム差を付けて最後のオウド・クワルモントに突入し、坂の終盤にアタックしたファンデルプールに反応できたのはアスグレーンだけだった。

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最後のパーテルベルフでは互角だったファンデルプールとアスグレーン(©Bettiniphoto)

先頭の2人は最後の石畳の坂だったパーテルベルフでも互角の走りを見せ、ゴールのオウデナールドに到着。最後のホームストレートでは、ファンデルプールが前を走り、残り200mで完璧なスプリントを開始したかに見えた。ところがアスグレーンが残り50mで横に並んだ瞬間、ファンデルプールは頭を振って減速してしまった。そしてデンマークチャンピオンのアスグレーンが、両手を上げてフィニッシュラインへと飛び込んだ。

3位争いはヴァンアーヴェルマートとヤスペル・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)のベルギー対決になり、ベテランのヴァンアーヴェルマートが表彰台の最後の1つを勝ち取った。

ファンデルプールと同じ1995年生まれで、現在26歳のアスグレーンは、2019年のロンド・バン・ブラーンデレンで2位になっていた。彼はロードとタイムトライアルのデンマークチャンピオンでもあり、3月26日に開催されたE3・サクソバンク・クラシック(UCIワールドツアー)は独走で逃げ勝っていた。

■初優勝したアスグレーンのコメント
「信じられない! ロンド・バン・ブラーンデレンはボクにとって世界で最も美しいレースで、石畳と急坂が素晴らしい。ここでデビューした時、表彰台に上がって、2年後に勝ったなんてすごいよ。このチームで初めてレースを走った日から3年が経ち、フランダースでトップに立ったのは、より特別だ。ハードな一日だったが、調子が良いと感じていて、チームメイトたちの素晴らしい仕事をこの勝利で締めくくる事ができて、これ以上の幸せはない」

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3度目の挑戦で優勝したアスグレーン

第105回ロンド・バン・ブラーンデレン(ツール・デ・フランドル) 結果
[4月4日/UCIワールドツアー/ベルギー/254.3km]
1. ASGREEN Kasper (DECEUNINCK – QUICK-STEP / DEN) 06:02:12
2. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED)
3. VAN AVERMAET Greg (AG2R CITROEN TEAM / BEL) 00:32
4. STUYVEN Jasper (TREK – SEGAFREDO / BEL) 00:33
5. VANMARCKE Sep (ISRAEL START-UP NATION / BEL) 00:47
6. VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL) 00:47
7. VERMEERSCH Gianni (ALPECIN-FENIX / BEL) 00:47
8. TURGIS Anthony (TOTAL DIRECT ENERGIE / FRA) 00:47
9. SENECHAL Florian (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA) 00:47
10. VAN BAARLE Dylan (INEOS GRENADIERS / NED) 00:47

ロンド・バン・ブラーンデレン公式サイト