第15回明治神宮外苑大学クリテリウム 男子は川野碧己、女子は岩元杏奈が優勝

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2021年3月7日、第15回明治神宮外苑大学クリテリウムが開催され、男子は慶應義塾大学の川野碧己、女子は日本体育大学の岩元杏奈が優勝した。
 
第15回明治神宮外苑大学クリテリウム

男子は慶應義塾大学の川野碧己が優勝

第15回明治神宮外苑大学クリテリウム

女子は日本体育大学の岩元杏奈が優勝

 
 
日本学生自転車競技連盟(以下、学連)が主催する明治神宮外苑大学クリテリウムは、大学生にとっては学年最後のレースであり、例年であれば学連のシリーズ戦「ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)」の最終戦として開催される。
 
しかし昨年は世界的な新型コロナウィルス感染拡大の影響により、インカレをはじめとした多くの学連主催大会が開催できず、RCSのレースも行われなかったことから、クリテリウムの大学チャンピオンを決める大会「全日本学生選手権クリテリウム 大会」としての開催に変更された。
 
東京都では大会2日前に緊急事態宣言が延長されたばかりだが、条件に沿えばイベントの開催自体は禁止されていないことや、屋外イベントは感染リスクが低いとされることを踏まえ、参加選手数を例年の半分以下に絞り込むことで会場での密集状態や落車事故の低減を図り、大会開催に踏み切った。
 
また、明治神宮外苑は一般通行人の多い場所であることから、学連は完全無観客試合とはしないものの、現地観戦を控えてライブ配信での観戦を呼びかけた。各大学応援団による応援合戦も中止とされるなど異例ずくめの大会となったが、国内で今年初の公式戦が開催されたことは今シーズンの大きな一歩となりそうだ。
 

男子は慶應義塾大学の川野碧己が優勝

絵画館を背に銀杏並木道を進むメイン集団

序盤に形成された4人の先頭集団

銀杏並木道を折り返していくメイン集団

新東京国立競技場前を通過していく集団

男子はポイントレース方式の予選を3ブロックに分けて行い、勝ち上がった48人による決勝レースを行った。
 
1周1.5kmのコースを20周するレースは、3周目に宇佐美颯基(明治大学)、仮屋和駿(日本大学)、山本哲央(中央大学)、川野碧己(慶應義塾大学)の4人が先頭集団を形成する。
 
メイン集団からは風間竜太(法政大学)、古谷田貴斗(鹿屋体育大学)、渡邉翔悟、松原颯祐(日本体育大学)、片桐東次郎(日本大学)ら5人が飛び出して追走集団を形成するが、先行する4人との差は縮まらない。4人の先頭集団、30秒前後の差で5人の追走集団、さらに10秒から20秒差でメイン集団という図式のまま、レースは終盤まで進行する。
 
15周目、ペースアップしたメイン集団が追走集団の5人を吸収。しかしこの時点で先頭集団との差はおよそ1分まで広がる。一定のペースで周回を続ける先頭集団との差はこの後も縮まらず、勝負は宇佐美、仮屋、山本、川野の4人に絞られた。
 
逃げ切りが確定的となった先頭集団では最終周回に入って牽制が始まるも、最後は4人でのスプリント勝負へ。残り200m、ヘアピンの最終コーナーを山本が先頭でクリアしてスプリントを開始すると、残り100mで2番手につけていた仮屋、3番手につけていた川野が山本に並びかける。向かい風のホームストレートで山本と仮屋が失速する一方、最後まで伸びた川野が2人をかわし、ガッツポーズを繰り出して優勝を決めた。
 
・川野碧己(慶應義塾大学)のコメント:
「予選で最終コーナーからが長くて向かい風がきついことがわかったので、決勝では様子を見てタイミングを図って行くことにしていた。一緒に逃げたメンバーは、僕以外は独走に強い選手ばかりだったので、残り3kmあたりからのアタックを警戒してスプリント勝負に持ち込めるように考えていた。理想的なレース展開になったと思う。
 
今年は大学と並行して弱虫ペダルサイクリングチームからJプロツアーにも出場する。大学のレースでもJプロツアーでも表彰台に乗って、U23のナショナルチームに入れるようになりたい」
 
第15回明治神宮外苑大学クリテリウム

第15回明治神宮外苑大学クリテリウム 男子表彰台

 
男子決勝 結果
1位 川野碧己(慶應義塾大学) 45分44秒
2位 山本哲央(中央大学) +0秒
3位 仮屋和駿(日本大学) +0秒
4位 宇佐美颯基(明治大学) +0秒
5位 西原裕太郎(鹿屋体育大学) +44秒
6位 中村龍吉(中央大学) +44秒
 

女子は日本体育大学の岩元杏奈が優勝

第15回明治神宮外苑大学クリテリウム

女子 レース序盤の集団

 
女子のレースは10周15kmで行われ、12人が出走した。
 
序盤から法政大学のメンバーがアタックを繰り返すも、決定打にはならず。後半に入るとアタックと吸収の動きから7人まで絞られ、最後はスプリント勝負へ。2019年全日本選手権ロード女子ジュニアで優勝した岩元杏奈(日本体育大学)が、最終コーナーから2位以下を大きく引き離す加速を見せて優勝。日本体育大学は2019年から女子3連覇を達成した。
 
・岩元杏奈(日本体育大学)のコメント:
「逃げが決まらないように注意しつつ、最後はスプリント勝負を狙っていた。序盤に飛び出しがあったけれど、見える範囲で逃がしていれば捕まえられると思って焦らずレースをした。今年は大会が次々と開催されると思うので、一戦一戦大事に走り、勝利を重ねていきたい」
 
第15回明治神宮外苑大学クリテリウム

第15回明治神宮外苑大学クリテリウム 女子表彰台

 
女子決勝 結果(15km)
1位 岩元杏奈(日本体育大学) 27分40秒
2位 成海綾香(鹿屋体育大学) +0秒
3位 石上夢乃(鹿屋体育大学) +0秒
4位 太郎田水桜(法政大学) +0秒
5位 阿部花梨(順天堂大学) +0秒
6位 山本侑果(東京都立大学) +3秒