南アフリカのNTTプロサイクリングは来季チームクベカ・アソスになる

NTTリミテッド(所在地:英国)が今季いっぱいで契約を終了する南アフリカのNTTプロサイクリング(UCIワールドチーム)は、タイトルスポンサー探しが難航して存続が危ぶまれていたが、11月20日にチーム創立者のダグラス・ライダーGMが、スイスのパフォーマンス・サイクリング・アバレル『アソス』をパートナーとして、来季は『チームクベカ・アソス』というチーム名で活動を続けると発表した。

クベカ・アソス

クベカは同チームの長年のパートナーであるアフリカのチャリティー団体で、子供が学校に通ったり、大人が仕事に行くための自転車を寄付する活動を行っている。チームがUCIコンチネンタルチームやUCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム(現在のUCIプロチーム)で活動していた時期に、チーム名称の後半にクベカの名前が入っていた(MTN・クベカ)事はあったが、チーム名称の頭に付くのは初めてだ。

第2タイトルスポンサーになるアソスは、1976年にスイス人のトニ・マイヤーが創業したブランドで、2017年と2018年は米国のBMCレーシングチームのサプライヤーを務めた。クベカがチャリティーのスローガンにしている「自転車は人生を変える」という理念に触発され、昨年からはライダーGMのチームと3年間のパートナーシップをスタートしていた。

アソスがプロロードレースチームのタイトルスポンサーを務めるのは初めてだ。創業者マイヤーの息子であり、アソス理事会メンバーで、クリエイティブ・デザインセンターのチーフも務めるロシュ・マイアー氏は「チームクベカ・アソスは従来のスポンサーシップではないが、アソス・ワークスチームの灯台として機能するだろう。我々のチームは製品開発とストレス・テストの限界を更に別のレベルへと押し上げるために使われるだろう。その機会を与えてくれたダグラス(GM)に感謝している」と、語っている。

NTTプロサイクリングは、2022年までのUCIワールドツアー・ライセンスを保有しているが、国際自転車競技連合(UCI)が11月5日に発表した2021年シーズンの登録申請を行っているチームリストに名前はなく、今回のチーム発表でもUCIワールドチームとして活動を続けるかどうかについては言及されていなかった。


チームの歴史

2007年 ダグラス・ライダーがチームを創立
2008年 チームMTN(UCIコンチネンタルチーム)
2009年 MTNサイクリング(UCIコンチネンタルチーム)
2010年 MTN・エネルゲード(UCIコンチネンタルチーム)
2011年 MTN・クベカ(UCIコンチネンタルチーム)
2012年 MTN・クベカ(UCIコンチネンタルチーム)

2013年 MTN・クベカ(UCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム)
2014年 MTN・クベカ(UCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム)
2015年 MTN・クベカ(UCIプロフェッショナルコンチネンタルチーム)

2016年 チームディメンションデータ(UCIワールドチーム)※ディメンションデータはNTTの子会社
2017年 チームディメンションデータ(UCIワールドチーム)
2018年 チームディメンションデータ(UCIワールドチーム)
2019年 チームディメンションデータ(UCIワールドチーム)
2020年 NTTプロサイクリング(UCIワールドチーム)

2021年 チームクベカ・アソス(?)

NTTプロサイクリング公式サイト

アソスの歴史がわかるインタビュー記事