中級山岳のブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第15ステージはフィリプセンが区間初優勝
スペインで開催中の第75回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）は、11月5日にモスからプエブラ・デ・サンブリアまでの230.8kmで中級山岳区間の第15ステージを競い、ベルギーのヤスペル・フィリプセン（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が集団ゴールスプリントを制し、グランツール初優勝となる区間初優勝を果たした。
集団ゴールスプリントはフィリプセン(左)が制した
区間２位はドイツのパスカル・アッカーマン（ボーラ・ハンスグローエ）、３位はドイツのヤニック・シュタイムレ（ドゥクーニンク・クイックステップ）だった。総合リーダージャージのラ・ロハはスロベニアチャンピオンのプリモシュ・ログリッチ（チームユンボ・ヴィスマ）が守った。
グランツール区間初優勝を果たしたベルギーのフィリプセン
過酷な最長ステージ
230.8kmで今大会最長区間の第15ステージは６時間を超えるレースになっただけでなく、強い向かい風に見舞われ、終盤には雨も降り出し気温は８℃にまで下がった。 最初のカテゴリー３の峠を山岳賞ジャージを着たギヨーム・マルタン（コフィディス）が先頭で越えた後、56km地点で10選手が逃げ出し、この日の逃げグループを形成した。
逃げグループは一時集団に５分以上のタイム差を付けたが、ボーラ・ハンスグローエ、ＮＴＴプロサイクリング、トレック・セガフレードが仕事を開始し、タイム差は縮まっていった。集団とのタイム差が１分を切った残り30kmで、先頭の逃げグループからマッテーア・カッタネオ（ドゥクーニンク・クイックステップ）がアタックし、雨の中を単独で逃げ続けた。
カッタネオは残り18kmで最後のカテゴリー３の峠を越えた時には、まだ集団とのタイム差が1分52秒あったが、タイム差はあっという間に縮まり、残り3.4kmでメイン集団に吸収されてしまった。この日は残り2km地点で道路に油が流出する事故があり、総合タイムは残り3km地点で計測された。
最後は残り1kmのフラム・ルージュから緩やかなアップヒルゴールになっていて、残り200mで最初にスパートしたフィリプセンが、そのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。
グランツール区間初優勝を果たしたベルギーのフィリプセン
■22歳でグランツール区間初優勝を果たしたフィリプセンのコメント
「凄いよ。この勝利で自分がどれだけ幸せなのかは言葉で説明できない。ボクにとってはものすごく意味がある。ブエルタが開幕して以来、ちょうど良い瞬間を待っていて、今日がその時だった。言いづらいが、最後は他のチームがコントロールしてくれた。強力な逃げだったけど、一日中向かい風だったから、先頭グループは本当に困難だった。
次第に確信するようにはなっていたけど、１日の始まりには集団スプリントになるとは思っていなかった。ここみたいにアップヒルゴールでもそんなにキツくないのが好きなんだ。（これが始まりに過ぎない事を）望んでいる。彼らはこの勝利をボクから奪い取る事はできない。だからこの瞬間を楽しみ、グランツール初完走にトライするよ。この勝利はとても誇らしい」
ラ・ロハはログリッチが守った
■第15ステージ結果［11月5日／モス～プエブラ・デ・サンブリア／230.8km］
1. JASPER PHILIPSEN (UAE TEAM EMIRATES / BEL) 06H 22′ 36”
2. PASCAL ACKERMANN (BORA – HANSGROHE / GER)
3. JANNIK STEIMLE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / GER)
4. FRED WRIGHT (BAHRAIN – MCLAREN / GBR)
5. DION SMITH (MITCHELTON – SCOTT / NZL)
6. REINARDT JANSE VAN RENSBURG (NTT PRO CYCLING TEAM / RSA)
7. MAGNUS CORT NIELSEN (EF PRO CYCLING / DEN)
8. DORIAN GODON (AG2R LA MONDIALE / FRA)
9. STAN DEWULF (LOTTO SOUDAL / BEL)
10. MICHAEL MØRKØV (DECEUNINCK – QUICK – STEP ?DEN)
■第15ステージまでの総合成績（ラ・ロハ）
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 60H 19’ 41’’
2. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU) + 39’’
3. HUGH CARTHY (EF PRO CYCLING / GBR) + 47’’
4. DANIEL MARTIN (ISRAEL START-UP NATION / IRL) + 01′ 42’’
5. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03’ 23’’
6. WOUTER POELS (BAHRAIN – MCLAREN / NED) + 06’ 15’’
7. FELIX GROSSSCHARTNER (BORA – HANSGROHE / AUT) + 07’ 14’’
8. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 08’ 39’’
9. ALEKSANDR VLASOV (ASTANA PRO TEAM / RUS) + 08’ 48’’
10. DAVID DE LA CRUZ (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 09’ 23’’
［各賞］
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
（※第16ステージは RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU) が着用）
■山岳賞 : GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA)
■新人賞 : ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP)
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
チームメートと勝利の喜びを分かち合うフィリプセン
