頂上ゴールのジロ・デ・イタリア2020 第20ステージはゲーガンハートが区間優勝、ヒンドリーが秒差なしで総合首位

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月24日にカテゴリー1のセストリエーレ峠に3回挑む頂上ゴールの第20ステージ(190km)を競い、英国のテイオ・ゲーガンハート(イネオス・グレナディアズ)が、オーストラリアのジャイ・ヒンドリー(チームサンウェブ)をゴール勝負で打ち負かし、今大会2度目の区間優勝を果たした。

ジロ・デ・イタリア2020

最後の山岳ステージはゲーガンハートがヒンドリーを打ち負かして区間優勝したが、総合逆転はできなかった

総合首位でマリア・ローザを着ていたオランダのウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)は、ゴールまで残り22kmの2度目のセストリエーレ越えでメイングループから脱落し、1分35秒遅れでゴール。前日まで12秒遅れの総合2位だったチームメートのヒンドリーが、2度の個人タイムトライアルで計測されていた0.86秒というわずかなタイム差でゲーガンハートを上回って総合首位になり、マリア・ローザを引き継いだ。

ジロ・デ・イタリア2020

マリア・ローザのケルデルマンはデニスの加速について行けなかった

今年のジロ・デ・イタリアはグランツールの歴史上初めて、総合1位と2位の選手がタイム差なしで最終日を迎える事になった。しかも最終決戦は、ミラノがゴールの15.7kmの個人タイムトライアルになる。

■区間優勝した25歳のゲーガンハートのコメント
「もちろん、このジロの前には、レースの残り15km(個人TT)というシナリオを期待してはいなかった。とは言え、これは昨年とよく似ていて、予想外の若い優勝候補たちがいる。ローハン・デニスが今日ボクのためにしてくれた事は信じられないほどだった。ステルビオと今日のステージで彼には借りができた。2回TT世界チャンピオンになったデニスと、現TT世界チャンピオンのフィリッポ・ガンナが助けてくれたのは素晴らしい事だったが、明日の個人タイムトライアルはボク次第だ」

■秒差なしでマリア・ローザを獲得した24歳のヒンドリーのコメント
「小さい頃からジロを観ていて、グランツールをリードするのが夢だった。信じられない気分だ。ステルビオ区間の事は後悔していない。我々はそこで勝ち、展開を変える事はできなかった。今日はゲーガンハートが疲れているかどうかを見ていた。アタックしたが、彼を蹴落とす事はできなかった。

彼はすでにタイムトライアルをうまく走れる事を示している。でも、明日は3週間のレースの最終日でもある。自分にわかっている事は、このジャージを守るためにボクは必死で頑張るだろうという事だ。まさに “真実のレース” になるだろう」

ジロ・デ・イタリア2020

オーストラリアのヒンドリーがケルデルマンからマリア・ローザを引き継いだ

■第20ステージ結果[10月24日/アルバ~セストリエーレ/190km]
1. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) 4:52:45
2. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS)
3. DENNIS Rohan (INEOS GRENADIERS / GBR) +25
4. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +1:01
5. VENDRAME Andrea (AG2R LA MONDIALE / ITA) +1:34
6. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +1:35
7. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +1:35
8. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +1:35
9. VALTER Attila (CCC TEAM / HUN) +1:48
10. KNOX James (DECEUNINCK – QUICK – STEP / GBR) +2:00
11. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +2:02
17. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +2:28
18. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +2:36
20. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +2:41
48. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +11:52
91. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +27:45

■第20ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) 85:22:07
2. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR)
3. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +1:32
4. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +2:51
5. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +3:14
6. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +6:32
7. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +7:46
8. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +8:05
9. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +9:24
10. PERNSTEINER Hermann (BAHRAIN – MCLAREN / AUT) +10:08
12. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +19:17
89. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +4:08:38

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):GUERREIRO Ruben (EF PRO CYCLING / POR)
■新人賞(マリア・ビアンカ):HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS)
(※第21ステージは GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) が着用)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア2020

25歳のゲーガンハート(左)と24歳のヒンドリーが、マリア・ローザをかけて最終日の個人TTで対決する

ジロ・デ・イタリア公式サイト