頂上ゴールのジロ・デ・イタリア2020 第17ステージはオコナーが逃げ切り区間初優勝

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月21日にバッサーノ・デル・グラッパから標高1514mでカテゴリー1のマドンナ・ディ・カンピーリオ頂上までの203kmで第17ステージを競い、オーストラリアのベン・オコナー(NTTプロサイクリング)が独走で逃げ切り、グランツール初優勝となる区間初優勝を果たした。彼は前日の第16ステージで区間2位になった選手だった。

ジロ・デ・イタリア2020

オーストラリアのオコナーが独走で逃げ切った

区間2位はオーストリアのヘルマン・ペルンスタイナー(バーレーン・マクラーレン)、3位はベルギーのトマス・デヘント(ロット・スーダル)だった。

メイン集団は5分11秒遅れでゴール。総合上位に変動はなく、マリア・ローザはポルトガルのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が守った。

ジロ・デ・イタリア2020

ドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団をコントロールした


ゲレイロがマリア・アッズーラ奪還

3つの峠を越えてマドンナ・ディ・カンピーリオ頂上にゴールした第17ステージは、136選手が出走。スタートからアタックが続いた後、最初の登坂が始まった43km地点でオコナーを含めた20人が先行し、この日の逃げグループになった。この逃げにルーベン・ゲレイロ(EFプロサイクリング)は加わっていたが、山岳賞総合首位のマリア・アッズーラを着たジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ヴィーニザブ・KTM)は入っていなかった。

ゲレイロはレース前半にあった2つのカテゴリー1の峠を先頭で通過し、合計80ポイントを稼いで山岳賞総合首位になり、マリア・アッズーラ奪還に成功した。第17ステージ終了時点で、山岳賞総合1位のゲレイロと2位のヴィスコンティのポイント差は50ポイントになった。

残り17.2kmの中間スプリントポイントで、逃げとメイン集団のタイム差は6分近く開いていた。ゴールへと続くマドンナ・ディ・カンピーリオの登坂がスタートすると、逃げ集団はデヘントが引き、次第に小さくなっていった。

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残り8.5kmで単独アタックを決めたオコナー

ローハン・デニス(イネオス・グレナディアズ)やイルヌール・ザカリン(CCCチーム)がアタックを仕掛けた後、ゴールまで残り8.5kmでオコナーがアタックしたが、誰も彼を追いかけなかった。オコナーはそのまま20秒ほどのタイム差を守って逃げ切り、初優勝を勝ち取った。

メイン集団は残り7kmでチームサンウェブが動き始めたが、マリア・ローザを擁したドゥクーニンク・クイックステップがそれを許さず、ファウスト・マスナーダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が集団をコントロールしてマドンナ・ディ・カンピーリオの頂上に到着。アルメイダはこれで15日間マリア・ローザを守った。

ジロ・デ・イタリア2020

アルメイダがマリア・ローザを守った

■グランツール区間初優勝を果たしたオコナーのコメント
「ロードブックでは最初の2つの上りだけ見ていた。そこで逃げるつもりだったからだ。戦術的にはとてもシンプルなステージだった。ボクはただ付いて行って、前に出なければならなかった。フィニッシュ・ラインでの祝福のジェスチャーは、シェーン・ウォーン(オーストラリアのクリケット選手)がよくやっていたようなものさ」

ジロ・デ・イタリア2020

ゲレイロが山岳賞のマリア・アッズーラを奪還した

■第17ステージ結果[10月21日/バッサーノ・デル・グラッパ~マドンナ・ディ・カンピーリオ/203km]
1. O’CONNOR Ben (NTT PRO CYCLING / AUS) 5:50:59
2. PERNSTEINER Hermann (BAHRAIN – MCLAREN / AUT) +31
3. DE GENDT Thomas (LOTTO SOUDAL / BEL) +1:10
4. ZAKARIN Ilnur (CCC TEAM / RUS) +1:13
5. FRANKINY Kilian (GROUPAMA – FDJ / SUI) +1:55
6. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) +2:49
7. VILLELLA Davide (MOVISTAR TEAM / ITA) +3:29
8. RODRIGUEZ GARAICOECHEA Oscar (ASTANA PRO TEAM / ESP) +3:29
9. GEBREIGZABHIER Amanuel (NTT PRO CYCLING / ERI) +3:30
10. HANSEN Jesper (COFIDIS / DEN) +4:32
81. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +26:11

■第17ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 65:45:08
2. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +17
3. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +2:58
4. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:59
5. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +3:12
6. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +3:20
7. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +3:31
8. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +3:52
9. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +4:11
10. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +4:26
12. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +5:09
84. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +2:54:28

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):GUERREIRO Ruben (EF PRO CYCLING / POR)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
(※第18ステージは HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) が着用)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア2020

ジロ・デ・イタリア公式サイト