ブエルタ・ア・エスパーニャ2020開幕! 頂上ゴールの第1ステージはログリッチが優勝

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で延期になっていた第75回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)が、10月20日にスペイン北部バスク地方で開幕した。

初日はイルンから標高570mでカテゴリー1のアラテ山(エイバル)頂上までの173kmで中級山岳区間の第1ステージが競われ、ディフェンディングチャンピオンのプリモシュ・ログリッチ(チームユンボ・ヴィスマ)が区間優勝した。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2020

初日の頂上ゴールはログリッチが制した

区間2位はエクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)、3位はアイルランドのダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション)だった。スロベニアチャンピオンのログリッチは、初日から総合リーダーのラ・ロハに着替える事になった。

今大会が2018年のツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)以来のグランツール参加となった英国のクリストファー・フルーム(イネオス・グレナディアズ)は、ゴールがあったアラテ山の1つ前の峠でもう集団について行けなくなり、結局初日から11分以上遅れてしまった。


新型コロナウイルスの影響で3ステージがキャンセル

オランダで開催される予定だった開幕の3ステージが中止になった影響で、今年のブエルタは18ステージに短縮され、もともと第4ステージになる予定だったバスク地方の中級山岳ステージが第1ステージになり、初日から総合争いが始まる展開になった。

第75回大会は176選手が出走。気温はさほど低くなかったが、雨の1日になった。序盤から逃げていた5選手はゴールまで残り25kmのエレガタ山のふもとで全員が吸収された。カテゴリー3のエレガタ山はイネオス・グレナディアズが集団をコントロールしていたが、その後方ではフルームが遅れ始めていた。

メイン集団はアンドレイ・アマドール(イネオス・グレナディアズ)が引いて最後のアラテ山を上り始め、イバン・ソサ(イネオス・グレナディアズ)が加速すると、先頭は残り5kmで16人に減ってしまった。

ここでセップ・クース(チームユンボ・ヴィスマ)が攻撃を開始し、先頭はログリッチ、ジョージ・ベネット(チームユンボ・ヴィスマ)、カラパス、エンリク・マス(モビスターチーム)、マーティン、ヒュー・カーシー(EFプロサイクリング)、エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)に絞られた。この精鋭グループは、残り2kmで後続に30秒ほどのタイム差を付けていた。

アラテ山の山岳ポイントはゴール手前2.5km地点に設定されていて、先頭で通過したクースが山岳賞総合首位になり、白地に青い水玉のジャージを獲得した。

クースが引き続ける先頭グループから、残り1.4kmでカーシーがアタックしたが、満を持して飛び出したログリッチが先頭に立ち、そのままライバルたちに1秒差を付けてゴールへと飛び込んだ。区間1位のログリッチは、10秒のボーナスタイムも獲得した。

■初日の頂上ゴール区間を制したログリッチのコメント
「勝つのは素晴らしい。本当に幸せだ。チームは全員が本当に強い事を再び見せつけた。彼らはステージ全体で完璧に働き、最後はボクが勝つ事ができた。だから素晴らしいスタートだ。最後の登坂の前から既にハードだった。それから我々はエンジン全開で行った。我々にはクースのようなクレイジーな連中がいて、最後は勝てて満足している。

奇妙なシーズンだから、明日からはただリーダージャージを楽しむだろう。我々がレースをしているという事が、家で観るのを楽しめるように願っている」

ブエルタ・ア・エスパーニャ2020

初日から総合リーダージャージのラ・ロハを着たログリッチ

■第1ステージ結果[10月20日/イルン~アラテ(エイバル)/173km]
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 04H 22′ 34”
2. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU) + 01”
3. DANIEL MARTIN (ISRAEL START-UP NATION / IRL) + 01”
4. ESTEBAN CHAVES (MITCHELTON – SCOTT / COL) + 01”
5. FELIX GROSSSCHARTNER (BORA – HANSGROHE / AUT) + 01”
6. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01”
7. HUGH CARTHY (EF PRO CYCLING / GBR) + 04”
8. SEPP KUSS (TEAM JUMBO – VISMA / USA) + 10”
9. GEORGE BENNETT (TEAM JUMBO – VISMA / NZL) + 40”
10. ANDREA BAGIOLI (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) + 51”

11. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 51”
14. MIKEL NIEVE (MITCHELTON – SCOTT / ESP) + 51”
15. DAVID DE LA CRUZ (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 51”
16. TOM DUMOULIN (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 51”
18. GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA) + 01′ 08”
63. THIBAUT PINOT (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 9’ 56”
72. CHRIS FROOME (INEOS GRENADIERS / GBR) + 11′ 12”

■第1ステージの総合成績(ラ・ロハ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 04H 22′ 24”
2. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU) + 05’’
3. DANIEL MARTIN (ISRAEL START-UP NATION / IRL) + 07’’
4. ESTEBAN CHAVES (MITCHELTON – SCOTT / COL) + 11’’
5. FELIX GROSSSCHARTNER (BORA – HANSGROHE / AUT) + 11’’
6. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 11’’
7. HUGH CARTHY (EF PRO CYCLING / GBR) + 14”
8. SEPP KUSS (TEAM JUMBO – VISMA / USA) + 20”
9. GEORGE BENNETT (TEAM JUMBO – VISMA / NZL) + 50”
10. ANDREA BAGIOLI (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) + 01′ 01’’

[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
(※第2ステージはRICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU)が着用)
■山岳賞 : SEPP KUSS (TEAM JUMBO – VISMA / USA)
■新人賞 : ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP)
■チーム成績 : TEAM JUMBO – VISMA

ブエルタ・ア・エスパーニャ2020

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2020はJ SPORTSで全18ステージ生中継&LIVE配信!