ジロ・デ・イタリア2020 第13ステージは地元イタリアのウリッシが今大会2勝目

イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月16日にチェルビアからモンセリーチェまでの192kmで第13ステージを競い、地元イタリアのディエーゴ・ウリッシ(UAEチーム・エミレーツ)が、マリア・ローザのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)をゴールスプリントで下し、第2ステージに続いて今大会2勝目を上げた。

ジロ・デ・イタリア2020

小集団でのゴールスプリントはベテランのウリッシが制した

区間3位にはオーストリアのパトリック・コンラート(ボーラ・ハンスグローエ)が入った。区間2位のアルメイダはボーナスタイムを6秒獲得し、個人タイムトライアル前日に総合でのリードをわずかに広げた。総合トップ10は全員先頭グループでゴールし、順位変動はなかった。

ジロ・デ・イタリア2020

アルメイダはマリア・ローザを着て第14ステージの個人タイムトライアルに挑む


最後の丘でサガンとデマールは遅れた

第13ステージは143選手が出走。24km地点で7人がアタックしてこの日の逃げを形成したが、集団はボーラ・ハンスグローエ、イスラエル・スタートアップネイション、イネオス・グレナディアズがコントロールし、タイム差は大きく開かなかった。

この日は終盤にカテゴリー4の丘を2カ所越えるレイアウトになっていた。最初の丘で先頭はジョフレ・ブシャール(AG2R・ラモンディアル)とアレッサンドロ・トネッリ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)の2人になったが、ボーラ・ハンスグローエが引く集団はすぐ後方に迫っていた。

マリア・チクラミーノを着たアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)は最初の丘で一度遅れたが、下りでメイン集団に追いつくことができた。しかし、彼は2つ目の丘で再び遅れ、この日は区間優勝のチャンスがなかった。

ジロ・デ・イタリア2020

サガンのために集団を引くボーラ・ハンスグローエ

2つ目の丘のふもとで、逃げる2人とメイン集団のタイム差は37秒しかなかった。先頭で丘を上がるトネッリを、メイン集団は残り17kmで吸収した。この最後の丘で、先頭はマリア・ローザを筆頭とした総合トップ10が全員加わった20人ほどに絞られ、そこにウリッシは加わっていたが、ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)の姿はなかった。

カテゴリー4の頂上はマリア・アッズーラを着たルーベン・ゲレイロ(EFプロサイクリング)が先頭で通過。4選手が残っていたドゥクーニンク・クイックステップはマリア・ローザ集団を引き続け、残り7kmでサガンの集団には33秒、デマールの集団には1分差を付けていた。

最後はウリッシ、アルメイダ、コンラートのスプリント勝負になり、ベテランのウリッシが今大会2勝目を勝ち取った。彼にとってこの勝利はジロ区間通算8勝目でもあった。

10月17日の土曜日は、コネリャーノからバルドッビアーデネまでの34.1kmで個人タイムトライアルの第14ステージが行われる。

ジロ・デ・イタリア2020

ウリッシはマリア・ローザのアルメイダをゴールスプリントで下した

■ジロ区間通算8勝目を上げたウリッシのコメント
「すでに第2ステージで勝っているから、自信と心の安らぎがあり、今日のステージは望んでいたような状況に持ち込むことができた。ジロ・デ・イタリアには良い日と困難な日があるものだ。昨日は寒さで苦しんだ。今日のステージはボクに向いていたが、自分よりも速いサガンやデマールのような選手を取り除くことができる条件付きだった。だからボクは、ヴァレリオ・コンティと一緒に最後の坂のふもとからスピードを上げたんだ。最後のホームストレートはちょっと向かい風だったが、素晴らしいスプリントができた」

■マリア・ローザを11日間守ったアルメイダのコメント
「最後の30kmは馴染みのある道だった。カーブや丘を知っている事は重要だった。明日が楽しみだ。こんなに長いタイムトライアルは走った事がないが、最終走者でスタートする事に興奮している。もし、良い日なら、ボクはマリア・ローザを守れるだろう。そうでなければ、総合を争う選手たちに対してタイムを失うだろう」

ジロ・デ・イタリア2020

ウリッシはこれでジロ区間通算8勝になった

■第13ステージ結果[10月16日/チェルビア~モンセリーチェ/192km]
1. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 4:22:18
2. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
3. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT)
4. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR)
5. HONORÉ Mikkel Frølich (DECEUNINCK – QUICK – STEP / DEN)
6. SAMITIER Sergio (MOVISTAR TEAM / ESP)
7. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN)
8. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP)
9. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA)
10. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS)
11. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED)
13. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL)
16. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA)
24. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK) +23
116. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +13:20

■第13ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 53:43:58
2. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +40
3. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +49
4. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +1:03
5. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:07
6. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +1:17
7. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +1:25
8. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +1:27
9. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +1:42
10. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +2:26
94. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +1:53:28

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):GUERREIRO Ruben (EF PRO CYCLING / POR)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
(※第14ステージは HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) が着用)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア2020

ジロ・デ・イタリア公式サイト