ジロ・デ・イタリア2020 第10ステージはサガンが独走で逃げ切り区間初優勝

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、休養日明けの10月13日にランチャーノからトルトレートまでの177kmで第10ステージを競い、スロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が独走で逃げ切って区間初優勝を果たした。

ジロ・デ・イタリア2020

独走で逃げ切って区間初優勝したサガン。新型コロナの不安をかき消すような見事な勝利だった

区間2位には19秒遅れで米国のブランドン・マックナルティ(UAEチーム・エミレーツ)が入り、マリア・ローザを着たポルトガルのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が23秒遅れの小集団のゴールスプリントを制して区間3位になり、ボーナスタイムを4秒獲得した。

デンマークのヤコブ・フルサン(アスタナプロチーム)は最後のダウンヒルでパンクに見舞われ、チームメートの自転車を借りてレースを続けたが、マリア・ローザのグループに1分15秒遅れでゴール。彼は総合6位から2分20秒遅れの総合11位へと後退してしまった。

ジロ・デ・イタリア2020

マリア・ローザのアルメイダは区間3位でボーナスタイムを4秒稼いだ


休養日のPCR検査で2選手が新型コロナ陽性

第10ステージはスタート前に、第9ステージ終了後と翌日の休養日に行われた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査で、オランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームユンボ・ヴィスマ)、オーストラリアのマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)、ミッチェルトン・スコットのスタッフ4名、イネオス・グレナディアズとAG2R・ラモンディアルのスタッフがそれぞれ1名の、合計8名が陽性になった事が判明した。

この結果を受けてミッチェルトン・スコットとチームユンボ・ヴィスマがチームごとジロから撤退し、両チーム合わせて13選手が出走しなかった。一方、マシューズが不参加となったドイツのチームサンウェブはレースを続行した。

第10ステージは145選手が出走。米国のローソン・クラドック(EFプロサイクリング)は出産を間近に控えた妻と帰国するため、ジロを離脱した。

ジロ・デ・イタリア2020

区間優勝を目指して逃げに加わったサガン

サガンは45km地点で集団からやっと逃げ出した20人のグループに加わっていた。彼はゴールまで残り12kmのカテゴリー4の丘で1人になり、1km先の頂上ではマリア・ローザのグループが24秒後方に迫っていたが、わずかなタイム差を守って逃げ切り、初参加のジロでやっと区間優勝する事ができた。

サガンが勝ったのは昨年のツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)第5ステージ以来で、実に461日ぶりの勝利となった。彼がこんなに長い期間勝てなかったのは、プロになって初めての事だった。サガンは今年30歳になっている。

■初参加のジロでやっと区間初優勝できたサガンのコメント
「ジロで初優勝できて本当にとても満足している。前回(勝って)から久しぶりだった。ボクは自分のスタイルで勝てた。多くの選手は、ボクが逃げに加わるのを望まなかった。だから今日は追走されて逃げ続けるのが難しかった。ゴールが近づいて、ボクは区間優勝を目指してアタックした。最後はとても良い日になった。シチリアをスタートして以来、ジロは我々を美しい場所に連れて行ってくれた。イタリアでレースをして勝つのはいつも好きだ」

ジロ・デ・イタリア2020

サガンが勝ったのは461日ぶりだった

■第10ステージ結果[10月13日/ランチャーノ~トルトレート/177km]
1. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK) 4:01:56
2. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES / USA) +19
3. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +23
4. SWIFT Ben (INEOS GRENADIERS / GBR) +23
5. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +23
6. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +23
7. KONRAD Patric (BORA – HANSGROHE / AUT) +23
8. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +23
9. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +23
10. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +23
11. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +23
12. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +23
21. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1:38
36. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) +3:59
105. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +15:51

■第10ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 39:38:05
2. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +34
3. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +43
4. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +57
5. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:01
6. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +1:15
7. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +1:19
8. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +1:21
9. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +1:36
10. PERNSTEINER Hermann (BAHRAIN – MCLAREN / AUT) +1:52
11. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +2:20
16. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) +4:42
88. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +1:17:56

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):GUERREIRO Ruben (EF PRO CYCLING / POR)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
(※第11ステージは HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) が着用)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア公式サイト