ジロ・デ・イタリア2020 第8ステージはダウセットが逃げ切り区間優勝

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月10日にジョビナッツォからガルガーノ半島のビエステまでの200kmで第8ステージを競い、英国のアレックス・ダウセットが独走で逃げ切り、イスラエルのイスラエル・スタートアップネーションにワールドツアーで初優勝となるジロ区間初優勝をもたらした。

ジロ・デ・イタリア2020

英国のダウセットがイスラエル・スタートアップネーションに初のグランツール区間優勝をもたらした

区間2位はイタリアのサルヴァトーレ・プッチョ(イネオス・グレナディアズ)、3位は英国のマシュー・ホームズ(ロット・スーダル)だった。メイン集団は13分56秒後にゴール。ポルトガルのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が総合リーダーのマリア・ローザを守り、日曜日の山岳ステージに挑む事になった。

ジロ・デ・イタリア2020

日曜日の山岳ステージまでマリア・ローザを守る事ができたアルメイダ


サイモン・イェーツが新型コロナ感染で出走せず

第8ステージは163選手がスタート。トニー・ガロパン(AG2R・ラモンディアル)、パトリック・ガンパー(ボーラ・ハンスグローエ)、ショーン・ベネット(EFプロサイクリング)、サイモン・イェーツとエドアルド・アッフィーニ(ミッチェルトン・スコット)の5人が出走しなかった。

このうち、イェーツは前日の夜に軽度の症状が出て検査を行い、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していることが判明したとチームが発表している。

その影響か、この日はめずらしくスタートからアタックが始まらなかったが、ペースは高速が続いた。22km地点で6選手がアタックし、やっと逃げが形成された。

逃げのメンバーはシモーネ・ラヴァネッリ(アンドローニジョカットリ・シデルメク)、ジョゼフ・ロスコフ(CCCチーム)、ダウセットとマティアス・ブレンドレ(イスラエル・スタートアップネーション)、ホームズ、プッチョだった。100km地点で6人は集団に10分以上のタイム差を付けて逃げ続けた。

メイン集団では、レース中盤に越えたサンテ・サンタンジェロ峠(カテゴリー2)の下りでヤコブ・フルサン(アスタナプロチーム)がパンクに見舞われて遅れてしまったが、チームメートの助けを借りて無事集団に戻る事ができた。


TTスペシャリストのダウセットが単独アタック

ジロ・デ・イタリア2020

TTスペシャリストのダウセットが残り18kmを独走で逃げ切った

逃げグループでは残り18kmでTTスペシャリストのダウセットがアタックし、一人旅を開始した。残り10kmでプッチョがアタックし、ホームズ、ロスコフと3人で先頭のダウセットを追ったが、30秒程度のタイム差が縮まる事はなかった。32歳のダウセットはそのまま逃げ切り、2013年の個人タイムトライアルで優勝して以来のジロ区間優勝を果たした。

チームカチューシャ・アルペシンの運営を引き継ぐ形で今季UCIワールドチームになったイスラエル・スタートアップネーションは、イスラエルで開幕した2018年のジロに初参加して以来、3年連続でジロに参加しているが、区間優勝したのはこれが初めてだった。ダウセットは昨年までチームカチューシャ・アルペシンに所属していた選手で、来季の契約はまだ取れていないが、この区間優勝で状況は好転するに違いない。

■チームにグランツール初優勝をもたらしたダウセットのコメント
「イスラエル・スタートアップネーションがワールドツアーに昇格して以来、我々はこの勝利のために戦ってきた。今日、我々は逃げる計画を持っていた。マティアス・プレンドレかボク自身のどちらかが勝者になれた。この経験は信じられないもので、大きな安堵だ。2020年は不確実で、ボクは来年の契約がない。ボクはまだ自転車選手でありたい。それは真の仕事ではなく、自分がやりたい事で、自分が得意な事だ。心配ではあるけれど、ボクは父親になるのを楽しみにしている(婚約者が妊娠中)。それは今日のステージで勝つのと同じくらい感動的だろう」

ジロ・デ・イタリア2020

2013年以来のジロ区間優勝を果たしたダウセット


■第8ステージ結果[10月10日/ジョビナッツォ~ビエステ(ガルガーノ)/200km]

1. DOWSETT Alex (ISRAEL START – UP NATION / GBR) 4:50:09
2. PUCCIO Salvatore (INEOS GRENADIERS / ITA) +1:15
3. HOLMES Matthew (LOTTO SOUDAL / GBR) +1:15
4. ROSSKOPF Joseph (CCC TEAM / USA) +1:15
5. BRÄNDLE Matthias (ISRAEL START – UP NATION / AUT) +2:10
6. RAVANELLI Simone (ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC / ITA) +2:13
7. MATTHEWS Michael (TEAM SUNWEB / AUS) +13:56
8. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL) +13:56
9. BJERG Mikkel (UAE TEAM EMIRATES / DEN) +13:56
10. VENDRAME Andrea (AG2R LA MONDIALE / ITA) +13:56
95. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +13:56

■第8ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 29:52:34
2. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +43
3. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +48
4. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) +59
5. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:01
6. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +1:05
7. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1:19
8. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +1:21
9. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +1:26
10. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +1:32
100. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +48:11

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
(※第9ステージはVANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL)が着用)
■チーム成績 :INEOS GRENADIERS (GBR)


日曜日はカテゴリー1のロッカラーゾ山がゴールの山岳ステージ

ジロ・デ・イタリア2020

●第9ステージのコースプロフィール(MAP : RCS Sport)

ジロ・デ・イタリア2020

ジロ・デ・イタリア公式サイト