イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア（ＵＣＩワールドツアー）は、10月9日にマテーラからブリンディズィまでの143kmで、山岳ポイントが１つもない平坦区間の第７ステージを競い、ポイント賞のマリア・チクラミーノを着たフランスチャンピオンのアルノー・デマール（グルパマ・ＦＤＪ）が、集団ゴールスプリントを制して今大会３勝目を上げた。

マリア・チクラミーノを着て区間３勝目を上げたデマール

区間２位にはスロバキアのペテル・サガン（ボーラ・ハンスグローエ）、３位にはオーストラリアのマイケル・マシューズ（チームサンウェブ）が入った。マリア・ローザはポルトガルのジョアン・アルメイダ（ドゥクーニンク・クイックステップ）が守った。

マリア・ローザはアルメイダが守った

強い横風で集団が分断

第７ステージは168選手が出走。スタートしてすぐにシモン・ペロー（アンドローニジョカットリ・シデルメク）、ヨセフ・チェルニー（ＣＣＣチーム）、トマス・デヘント（ロット・スーダル）、マルコ・フラッポルティ（ヴィーニザブ・ＫＴＭ）が逃げ出した。

この日は強い横風が吹き、ドゥクーニンク・クイックステップとチームユンボ・ヴィスマが序盤から先頭を引き、集団はいくつにも分断。マリア・ローザを含めた30人ほどの先頭グループは、25kmで4人の逃げを吸収した。

しかし、ヤコフ・フルサン（アスタナプロチーム）、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ（ＮＴＴプロサイクリング）、山岳賞のマリア・アッズーラを着たフィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアズ）、新人賞総合２位でマリア・ビアンカを着たハルム・ヴァンハウケ（ロット・スーダル）らは、一時後続集団に取り残されてしまった。

強い横風の影響で集団はいくつにも分断した

後続集団は必死で先頭グループを追い、62kmで集団は再び１つになった。ペローとフラッポルティは再度アタックを試みたが、87km地点で吸収された。ゴールまで残り45kmでは、落車事故が原因で集団は再び分断したが、残り20kmでまた１つに戻った。最後はグルパマ・ＦＤＪが列車を組み、デマールのスプリントのお膳立てをした。

横風の影響でスタートから高速でナーバスな展開になった第７ステージは、平均時速が51.234km/h を記録し、2012年の第18ステージの最速記録（49.439km/h）を大幅に塗り替えた。

■今大会３勝目を上げたデマールのコメント
「筋肉で勝ったスプリントだった。我々は総合力のお陰で、権力を持ってそれを成し遂げた。ＵＡＥチーム・エミレーツが我々の列車を妨害しようとした時、ヤコポ・グアルニエーリがボクのために道を作ってくれた。集団分断と落車で台無しになった非常に高速のステージの終わりに、全てのトップスプリンターが競った本物のスプリントだった。レースの大きな１日だったよ」

今大会３勝目を上げたデマール。もう１つ勝つとイノーの記録に並ぶ

■第７ステージ結果［10月9日／マテーラ〜ブリンディズィ／143km］
1. DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA) 2:47:28
2. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
3. MATTHEWS Michael (TEAM SUNWEB / AUS)
4. SWIFT Ben (INEOS GRENADIERS / GBR)
5. HODEG CHAGUI Alvaro Jose (DECEUNINCK – QUICK – STEP / COL)
6. BARBIER Rudy (ISRAEL START – UP NATION / FRA)
7. BALLERINI Davide (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA)
8. BATTAGLIN Enrico (BAHRAIN – MCLAREN / ITA)
9. FIORELLI Filippo (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA)
10. VIVIANI Elia (COFIDIS / ITA)
67. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +1:32

■第７ステージまでの総合成績（マリア・ローザ）
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 24:48:29
2. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +43
3. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +48
4. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) +59
5. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:01
6. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +1:05
7. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1:19
8. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +1:21
9. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +1:26
10. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +1:32
102. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +48:11

［各賞］
■ポイント賞（マリア・チクラミーノ）：DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞（マリア・アッズーラ）：GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA)
■新人賞（マリア・ビアンカ）：ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
（※第8ステージはVANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL)が着用）
■チーム成績 : DECEUNINCK – QUICK – STEP (BEL)

■ジロ・デ・イタリア公式サイト