ジロ・デ・イタリア2020 第4ステージはフランスチャンピオンのデマールが区間優勝

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月6日にカターニアからビッラフランカ・ティレーナまでの140kmで第4ステージを競い、フランスチャンピオンのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)が集団ゴールスプリントを制して区間優勝した。

ジロ・デ・イタリア2020

第4ステージの集団ゴールスプリントは写真判定に持ち込まれた

区間2位はスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)、3位はイタリアのダヴィデ・バッレリーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。総合リーダーのマリア・ローザを着たポルトガルのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は、中間スプリントで2秒のボーナスタイムを獲得し、総合成績でのリードをわずかに広げた。

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マリア・ローザはアルメイダが守った


トーマスが不出走

第4ステージは172選手が出走。前日にニュートラルゾーンで落車して負傷した英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)は、ゴール後のX線検査では骨折は見つからなかったが、朝になって骨盤の骨折が見つかり、出走しなかった。彼はエトナ山にゴールした第3ステージで12分以上遅れ、総合優勝争いから脱落していた。

オフィシャルスタートと同時にマルコ・フラッポルティ(ヴィーニザブ・KTM)、シモン・ペロー(アンドローニジョカットリ・シデルメク)、カミル・グラデク(CCCチーム)がアタックし、この日の逃げになった。3人は33km地点で4分18秒差を付けたが、それが最大だった。

第4ステージは中盤に標高1125mでカテゴリー3のポルテッラ・マンドラッツァ峠を越えるレイアウトで、逃げはペローが残りの2人に23秒差を付けて単独で山頂を越えた。しかし、集団とのタイム差は1分半しかなかった。集団の後方では、フェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)やエリア・ヴイヴィアーニ(コフィディス)といったスプリンターたちが峠で遅れてしまった。

ペローはそのまま単独で逃げ続け、残りの2人は下りで集団に吸収された。峠で遅れたヴィヴィアーニは集団に戻る事ができたが、ガビリアは結局遅れたままだった。


中間スプリントでボーナスタイム争い

ゴールまで残り26kmの第2中間スプリントポイントをペローが独走で通過した後、集団ではボーナスタイム争いが行われ、マリア・ローザを着たアルメイダがチームメートのバッレリーニのアシストを受けて2位通過で2秒を獲得。バッレリーニは3位通過で1秒を獲得し、ボーナスタイムで総合逆転を狙ったジョナタン・カイセド(EFプロサイクリング)の野望を打ち砕いた。

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アルメイダハチームワークで中間スプリントを支配した

その2km先でペローは吸収され、集団は1つになってゴールスプリントの準備を開始。最後は僅差で写真判定となり、デマールが僅かな差で昨年に続く区間優勝を勝ち取った。フランスチャンピオンがジロで区間優勝したのは、1999年のローラン・ジャラベール以来だった。サガンは区間2位で終わったが、ポイント賞で総合首位になり、マリア・チクラミーノを獲得している。

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僅差のスプリントは写真判定でデマールが優勝した


強風が原因で2選手が転倒

海岸沿いにゴール地点があった第4ステージは、集団から遅れてゴールを目指していたヴィーニザブ・KTMのルーカ・ヴァケルマンとエティエン・ファンエンペルが、強風でコース内に倒れ込んだフェンスにぶつかって転倒する事故が発生した。

チームの公式Twitterによれば、ファンエンペルは自力でゴールできたが、ヴァケルマンは意識を失い、そのまま病院へ搬送された。事故が起きたのはゴールまで800mの地点で、残り3km内で発生していたため、主催者は2人を5分22秒遅れの完走扱いとした。

ガゼッタ・デッロ・スポルト紙は、強風の原因はTV中継のヘリコプターが低空飛行したせいだろうと報じていて、現場にいた選手も同様の証言をツイートしている。

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フランスチャンピオンがジロで区間優勝したのは1999年のジャラベール以来だった

■区間優勝したデマールのコメント
「フィニッシュラインを通過した後、勝った確信はなかった。バッレリーニが祝うのを見て、自分は2位だと思い、表彰台の上で自分の成功が正式になるまで祝うことができなかった。スーパーハッピーだよ。

特別なゴールだった。ガビリアとヴィヴィアーニが25〜30秒遅れていたから、ボクたちは先頭でハイスピードを維持したかった。最後の1kmでチームメートのマイルズ・スコットソンがとても速く加速して、単独逃げを試みた。コフィディスは彼を捕まえるために働かなければならず、ボクは最後のスプリントの為に貴重なエネルギーをセーブできた。今日は良い脚を持っていただけでなく、幸運も味方してくれたのさ」

■マリア・ローザを守ったアルメイダのコメント
「中間スプリントでカイセドがボーナスタイムを稼ぎに行こうとしたのを見たとき、ボクはリードするために反応し、彼を打ち負かす事に決めた。結局それがうまく行き、もう1日マリア・ローザを着る事ができてとても嬉しい。

明日は取り組む上りがもっとあるし、何人かの選手はアタックするだろう。彼らに付いて行くことができて、明日の夜も総合をリードできている事を願うよ」

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サガンがポイント賞のマリア・チクラミーノを獲得した


■第4ステージ結果

[10月6日/カターニア~ビッラフランカ・ティレーナ/140km]
1. DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA) 3:22:13
2. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE . SVK)
3. BALLERINI Davide( DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA)
4. VENDRAME Andrea (AG2R LA MONDIALE / ITA)
5. VIVIANI Elia (COFIDIS / ITA)
6. OLDANI Stefano (LOTTO SOUDAL / ITA)
7. CIMOLAI Davide (ISRAEL START – UP NATION / ITA)
8. MATTHEWS Michael (TEAM SUNWEB / AUS)
9. FIORELLI Filippo (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA)
10. BATTAGLIN Enrico (BAHRAIN – MCLAREN / ITA)
71. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN)

■第4ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 11:06:36
2. CAICEDO Jonathan (EF PRO CYCLING / ECU) +2
3. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +39
4. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +44
5. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) +55
6. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +57
7. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +1:01
8. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES / USA) +1:13
9. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1:15
10. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +1:17
108. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +25:51

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE . SVK)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CAICEDO Jonathan (EF PRO CYCLING / ECU)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
(※第5ステージはVANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL)が着用)
■チーム成績 : DECEUNINCK – QUICK – STEP (BEL)

ジロ・デ・イタリア公式サイト