アップヒルゴールのジロ・デ・イタリア2020 第2ステージは地元イタリアのウリッシが区間優勝

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月4日にアルカモからアグリジェントまでの149kmでアップヒルゴールの第2ステージを競い、地元イタリアのディエーゴ・ウリッシ(UAEチーム・エミレーツ)が、スロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)をゴール勝負で下し、通算7勝目となる区間優勝を果たした。

ジロ・デ・イタリア2020

アップヒルゴールでサガンを打ち負かした地元イタリアのウリッシ

区間3位にはデンマークのミゲル・ホノレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が入った。マリア・ローザを着たイタリアのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)は、5秒遅れの集団でゴールし、総合首位を守った。

サガンは区間優勝こそ逃したが、カテゴリー4のゴールで山岳ポイントを2ポイント獲得。前日に稼いだ2ポイントと合わせて山岳賞首位に立ち、マリア・アッズーラを獲得した。

シチリア島2日目の第2ステージは174選手が出走。4km地点からトマス・デヘント(ロット・スーダル)を含めた5人が逃げ出し、一時は5分近いタイム差を付けたが、残り9kmで全員が集団に吸収された。

カテゴリー4のアグリジェントの丘はゴール手前3.7kmからスタート。集団の先頭はウリッシの為にヴァレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)が引き、集団を小さくした。そして残り500mでウリッシがアタック。ホノレがすぐ後方に付いて行き、サガンも追いついた。

最後は23歳でプロ2年目のホノレが残り200mからスパートしたが、ベテランのウリッシは落ち着いて彼を抜き去り、両手を上げてゴールに飛び込んだ。ウリッシがジロで区間優勝したのは、2016年以来だった。

ジロ・デ・イタリア2020

ウリッシのジロ区間優勝はこれで通算7勝になった

第2ステージはレース中盤にロシアのアレクサンドル・ヴラソフ(アスタナプロチーム)が棄権した。アスタナプロチームは前日の第1ステージでもコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が転倒して負傷し、レースを棄権しており、早くも6人になってしまった。

アスタナプロチームはツール・ド・フランスに参加していたアレクセイ・ルツェンコが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染してイモラ世界選に参加できなくなっていたが、今大会の開幕前にはジャンドス・ビジギトフも陽性になり、濃厚接触者だったユーリー・ナタロフとヴァディム・プロンスキーがジロに参加できなくなっていた。

10月5日はエンナをスタートし、標高1793mでカテゴリー1のエトナ山頂上にゴールする150kmの第3ステージが行われる。

■ジロ区間通算7勝目を上げたウリッシのコメント
「誰でも打ち負かせるという確信を持ち、非常にやる気満々でこのステージをスタートした。スピードアップした後、後方に差を付けられたのを見て、誰もがたくさんのエネルギーを費やしてしまったのだろうと分かった。皆が勝ちたいと思う第2ステージで勝つのは大きな事で、同様に新鮮だ。スプリンターたちも挑戦していた。だからチームに頼んでレースを厳しくしてもらったんだ。完璧な戦略で、お陰でサガンを打ち負かす事ができたよ」

■山岳賞のマリア・アッズーラを獲得したサガンのコメント
「振り返って考えると、ウリッシが加速した時すぐに捕まえていれば、スプリントで彼を打ち負かす事ができただろう。前の2人を捕まえるのに大きな労力を費やした。実際ボクは全力で、ウリッシはより強かった。1cmで負けたのではなく、自転車4台分の差で負けたのさ。ゴールまでの3.7kmの長い上りは本当にハードだったんだ。2位で満足できるよ。自分が山岳賞ジャージを持っているのは奇妙だが、明日はこれを守るのはちょっと難しいだろう」

ジロ・デ・イタリア2020

マリア・ローザはイタリアのガンナが守った

■第2ステージ結果[10月4日/アルカモ~アグリジェント/149km]
1. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 3:24:58
2. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
3. HONORÉ Mikkel Frølich (DECEUNINCK – QUICK – STEP / DEN)
4. MATTHEWS Michael (TEAM SUNWEB / AUS) +5
5. WACKERMANN Luca (VINI ZABU KTM / ITA) +5
6. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +5
7. BRAMBILLA Gianluca (TREK – SEGAFREDO / ITA) +5
8. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +5
9. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +5
10. HAMILTON Lucas (MITCHELTON – SCOTT / AUS) +5
43. GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA) +5
111. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +3:56

■第2ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA) 3:40:27
2. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +22
3. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +23
4. FOSS Tobias (TEAM JUMBO – VISMA / NOR) +31
5. ČERNY Josef (CCC TEAM / CZE) +36
6. SOBRERO Matteo (NTT PRO CYCLING / ITA) +40
7. TRATNIK Jan (BAHRAIN – MCLAREN / SLO) +42
8. YATES Simon Philip (MITCHELTON – SCOTT / GBR) +49
9. KANGERT Tanel (EF PRO CYCLING / EST) +49
10. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +54
118. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +5:45

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア2020

珍しい事に、サガンが山岳賞のマリア・アッズーラを獲得した

ジロ・デ・イタリア公式サイト