中央山塊頂上ゴールのツール・ド・フランス2020 第13ステージはマルティネスが区間初優勝

第107回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、9月11日にシャテル・ギヨンから標高1589mでカテゴリー1のピュイ・マリーまでの191.5kmで、中央山塊頂上ゴールの第13ステージを競い、コロンビアのダニエル・マルティネス(EFプロサイクリング)が、ドイツのレナート・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)との一騎打ちのゴール勝負を制し、区間初優勝した。

ツール・ド・フランス2020

マルティネスが一騎打ちのゴール勝負を制して区間初優勝した

後方のメイングループでは、最後の上り坂でスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)がアタック。マイヨ・ジョーヌを着た同郷のプリモシュ・ログリッチ(チームユンボ・ビスマ)だけが付いて行き、2人でライバルたちよりも先にゴールした。

このアタックでポガチャルは総合7位から2位へと順位を上げ、新人賞のマイヨ・ブランを再び手に入れた。その一方で、ディフェンディングチャンピオンであるコロンビアのエガン・ベルナル(チームイネオス)は苦しい走りを強いられ、スロベニア・コンビより38秒遅れてゴール。ログリッチとのタイム差は59秒になった。

累計標高が4400mという厳しい中央山塊の山岳ステージで、地元フランスの選手はトップ10から姿を消した。

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同郷のポガチャルのアタックを鎮圧したログリッチがマイヨ・ジョーヌを守った


故郷を通過するカヴァニャが逃げた

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フランス中部の中央山塊が闘いの場となった第13ステージは160選手が出走。カテゴリーが付いた峠を6カ所越え、最後はカテゴリー1のピュイ・マリー山頂がゴールだった。スタートからアタックが始まり、レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が2km地点の故郷の町でアタックし、マイヨ・アポワを着たブノワ・コスヌフロワ(AG2R・ラモンディアル)らと共に6人の逃げグループを形成した。

集団からはこの逃げに加わろうと次々とアタックがかかり、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は成功したが、トマス・デヘント(ロット・スーダル)やペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)は失敗した。

36km地点のセサット峠(カテゴリー1)の山頂を通過する前に、マイヨ・アポワのコスヌフロワは先頭グループから遅れてしまい、この日は山岳ポイントを稼ぐ事ができなかった。

続くカテゴリー3のゲリー峠の山頂まで残り2kmで、先頭は17人の大きな逃げグループに膨らんだ。ここにマルティネス、ケムナ、マクシミリアン・シャッハマン(ボーラ・ハンスグローエ)も加わっていた。この逃げには、コスヌフロワの山岳賞総合首位の座を脅かす選手は入っていなかった。

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峠をいくつも越える中央山塊のステージは累計標高が4400mだった

3番目に越えたカテゴリー2のステール峠では、ヴァランタン・マドゥアス(グルパマ・FDJ)が先行し、後続に30秒差を付けて単独で山頂を通過したが、その後逃げ集団に戻った。ゴールまで残り97kmで、チームユンボ・ビスマが引くメイン集団とのタイム差はすでに7分以上に開いていた。

メイン集団では落車が発生し、地元フランスのロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)、ナイロ・キンタナ(チームアルケア・サムシック)が巻き込まれた。モレマはそのままレースをリタイアし、後に左手首の骨折が判明した。

4番目のエスティアードの丘(カテゴリー3)を通過後、下りで逃げ集団からニールソン・パウレス(EFプロサイクリング)がアタックし、独走を開始した。メイン集団は遅れが11分近くにまで広がり、イネオス・グレナディアズが先頭を引き始めた。

逃げ集団からはシャッハマンがアタックし、先行するパウレスを単独で追いかけた。5番目のアングラール・ド・サレールの丘を通過した後、ゴールまで残り29kmでシャッハマンはパウレスに追いついた。そしてピュイ・マリー山の手前にあったネロンヌ峠のふもとでシャッハマンがアタックし。単独でカテゴリー2の坂を上り始めた。

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独走で逃げ続けたシャッハマンは残り1.6kmで捕まってしまった

ゴールまで残り15kmで、シャッハマンは追走グループに1分以上の差を付けて独走を続けた。しかし、追走グループからマルティネスとケムナがアタックし、先頭のシャッハマンを追いかけた。ネロンヌ峠の頂上を通過したシャッハマンは、最後のピュイ・マリー山を必死で上ったが、2人の追撃者はすぐ後方に迫っていた。

シャッハマンはゴールまで残り1.6kmでマルティネスとケムナに捕まり、ゴール勝負に加わる力はもう残っていなかったが、敢闘賞を獲得する事ができた。最後の1kmはマルティネスとケムナが一騎打ちの闘いを繰り広げ、8月にクリテリウム・デュ・ドーフィネで総合優勝したマルティネスがその闘いを制した。

山頂で区間優勝争いが繰り広げられていた頃、後方のメイン集団では、前日まで総合3位に付けていた地元フランスのギヨーム・マルタン(コフィディス)、バルデ、アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が遅れて13人ほどになっていた。

そこからポガチャルがアタックし、マイヨ・ジョーヌのログリッチと2人でゴールを目指した。リッチー・ポート(トレック・セガフレード)、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)、ミケル・ランダ(バーレーン・マクラーレン)の3人は、スロベニア・コンビの背中を追いかけてゴールを目指したが、マイヨ・ブランを着たベルナルはその後方で苦しんでいた。

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ポガチャルのアタックに付いて行けたのはマイヨ・ジョーヌのログリッチだけだった(©Bettiniphoto)

ピュイ・マリーの山頂ゴール後、マイヨ・ジョーヌはスロベニアチャンピオンのログリッチが難なく守ったが、トップ10は大きく変動した。前半にマイヨ・ジョーヌを着たイェーツは総合7位で何とかトップ10に留まったが、開催国フランスのバルデとマルタンは大きく遅れ、トップ10から陥落し、総合争いからも姿を消した。

■ゴールの死闘を制し、区間初優勝したマルティネスのコメント
「すごく幸せだ。この勝利はとても特別だ。フランスに戻って勝てたのはとても良い。数日後、2歳になる息子にこのステージ優勝を捧げる。このツールのスタートは本当に難しかった。落車の後、ちょっと苦しかった。でも、精神的には元気だった。肉体的に調子が良いと感じたからも区間優勝はできると思っていた」

■総合2位になってマイヨ・ブランを取り戻したポガチャルのコメント
「ログリッチとボクは最後の急な坂で戦った。それは去年のブエルタ・ア・エスパーニャのマチュコスのようだった。厳しい戦いだった。最後の2kmでボクたちは友人ではなかった。ログリッチ以外の全員からタイムを稼げた。満足しているよ。チームは落ち着いたままで、逃げにデラクルスが入って良い仕事をしてくれた。来週はもっとアタックが見られるのは確実だよ」

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ポガチャルは総合2位にジャンプアップし、新人賞のマイヨ・ブランを取り戻した

■第13ステージ結果[9月11日 / シャテル・ギヨン~ピュイ・マリー(カンタル) / 191.5km]
1. DANIEL MARTINEZ (EF PRO CYCLING / COL) 05h 01′ 47”
2. LENNARD KÄMNA (BORA – HANSGROHE / GER) + 04”
3. MAXIMILIAN SCHACHMANN (BORA – HANSGROHE / GER) + 51”
4. VALENTIN MADOUAS (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 01′ 33”
5. PIERRE ROLLAND (B&B HOTELS – VITAL CONCEPT P / B KTM / FRA) + 01′ 42”
6. NICOLAS EDET (COFIDIS / FRA) + 01′ 53”
7. SIMON GESCHKE (CCC TEAM / GER) + 02′ 35”
8. MARC SOLER (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02′ 43”
9. HUGH JOHN CARTHY (EF PRO CYCLING / GBR) + 03′ 18”
10. DAVID DE LA CRUZ (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 03′ 52”

12. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 06’ 05’’
13. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 06’ 05’’
14. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 06’ 18’’
15. MIKEL LANDA (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) + 06’ 18’’
16. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 06’ 21’’
18. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 06’ 43’’
19. RIGOBERTO URAN (EF PRO CYCLING / COL) + 06’ 43’’
20. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 06’ 45’’
21. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 06’ 45’’
27. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 08’ 35’’
29. GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA) + 08’ 51’’

■第13ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 56h 34’ 35’’
2. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 44”
3. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 59’’
4. RIGOBERTO URAN (EF PRO CYCLING / COL) + 01′ 10’’
5. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 01′ 12”
6. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 01′ 31’’
7. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 01′ 42”
8. MIKEL LANDA (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) + 01′ 55’’
9. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 02′ 06”
10. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02′ 54”

11. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 03’ 00”
12. GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA) + 03’ 14’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):SAM BENNETT (DECEUNINCK – QUICK – STEP / IRL)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):BENOIT COSNEFROY (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞(マイヨ・ブラン):TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■チーム成績:EF PRO CYCLING (USA)
■敢闘賞:MAXIMILIAN SCHACHMANN (BORA – HANSGROHE / GER)


アルプスへ移動する第14ステージ

ツール・ド・フランス2020

9月12日は中央山塊からアルプスへと移動する日になり、クレルモン・フェランからリヨンまでの194kmで第14ステージが行われる。平坦区間に分類されているが、カテゴリーの付いた丘越えがいくつもあり、序盤にはカテゴリー2の峠も越える。逃げが得意な選手たちが活躍しそうなステージだ。

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