ピレネー2日目のツール・ド・フランス2020第9ステージはポガチャルが制し、ログリッチが総合首位

第107回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、9月6日にポーからラランスまでの153kmでピレネー2日目の第9ステージを競い、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が小集団でのゴールスプリントを制し、初参加で区間初優勝を果たした。

ツール・ド・フランス2020

ツール初参加で初区間優勝を上げた21歳のポガチャル(©Bettiniphoto)

マイヨ・ジョーヌを着た英国のアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)は、54秒遅れの区間15位でゴール。区間2位でレースを終えたスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(チームユンボ・ビスマ)が総合首位に立ち、遂にマイヨ・ジョーヌを手に入れた。

ツール・ド・フランス2020

ログリッチが遂にマイヨ・ジョーヌを獲得した


ヒルシが残り90kmから独走

ツール・ド・フランス2020

●第9ステージのコースプロフィール(MAP : ©A.S.O.)

ピレネー山岳ステージ2日目で最終日の第9ステージは168選手が出走。スタート前には、3月に急逝した元選手でチームイネオスの監督だった故ニコラ・ポルタルの追悼セレモニーが行われた。

スタートから高速のステージで、9.5km地点で最初にアタックしたのはスイスのマルク・ヒルシ(チームサンウェブ)だったが、成功しなかった。その後も逃げと吸収が繰り返され、中盤にそびえていたカテゴリー1のウールセル峠で12選手が先行し、そこからゴールまで残り90km地点でヒルシが再びアタックした。

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残り90kmから独走を続けたヒルシ

ウールセル峠の山頂をヒルシは単独で通過し、メイン集団とのタイム差は1分40秒あった。後方では、序盤から遅れていたイタリアのファビオ・アール(UAEチーム・エミレーツ)がレースを棄権した。そしてメイン集団では、マイヨ・ジョーヌのイェーツがアシストなしで孤立していた。

ヒルシはゴールまで残り54kmの中間スプリントで追走グループに2分35秒差を付け、集団には4分25秒差を付けていた。その後、チームユンボ・ビスマがコントロールするメイン集団は先行する選手たちを捕まえ、逃げはヒルシだけになった。残り37kmで70人ほどに減ったメイン集団とヒルシのタイム差は4分20秒だった。

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チームユンボ・ビスマが集団をコントロールし続けた


スロベニア旋風

しかし、そこからチームユンボ・ビスマは猛追を開始し、最後のマリー・ブランク峠のふもとでタイム差は2分台にまで縮まっていた。メイン集団では、カテゴリー1のマリー・ブランク峠の山頂まで残り3kmを切った所で、ポガチャルが攻撃を開始。この加速に耐えられず、マイヨ・ジョーヌのイェーツは集団から脱落してしまった。

続いてマイヨ・ブランを着たエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス)がアタックし、付いて行けたのはログリッチ、ランダ、リッチー・ポート(トレック・セガフレード)、ポガチャルだけだった。この戦いの前方で、ヒルシは山頂を先頭で通過したが、タイム差は15秒にまで縮まっていた。

ボーナスタイムがかかっていた山頂はログリッチが2位で通過して5秒を獲得し、3位通過のポガチャルが2秒を稼いだ。山頂でマイヨ・ジョーヌのイェーツは、すでに1分以上遅れていた。

ヒルシは単独でゴールを目指して疾走したが、残り2kmでログリッチ、ポガチャル、ランダ、ベルナルの4人に捕まってしまった。最後は5人でのゴールスプリントとなり、残り250mで最後の望みに賭けたヒルシが最後尾からスプリントを開始したが、ゴール目前でポガチャルに追い越されてしまった。

その左側では、フィニッシュラインでハンドルを投げ出したログリッチがヒルシよりも先にゴールして区間2位に入り、6秒のボーナスタイムを獲得した。ヒルシは区間優勝を逃したが、敢闘賞を獲得した。

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区間初優勝したポガチャル

今年のツールはピレネー山岳対決で1週目を終え、スロベニアチャンピオンのログリッチが総合首位に立ってマイヨ・ジョーヌを獲得。総合2位はディフェンディングチャンピオンのベルナルで、ログリッチとのタイム差は21秒だが、それは全てボーナスタイムというのを忘れてはいけない。

そして、総合3位はフランスのギヨーム・マルタン(コフィディス)で28秒差、という展開になった。第7ステージの集団分断で1分21秒の遅れを背負ってしまったツール初参加のポガチャルは、ピレネー山岳ステージで挽回し、44秒遅れの総合7位で1週目を終えている。

■ツール初参加で初区間優勝した21歳のポガチャルのコメント
「本当にクレイジーだ。この勝利はハードな一日の後でもたらされた。チームメートたちのお陰だ。彼らは一日中良い仕事をしてくれた。この勝利を引き寄せられて嬉しいよ。ボクは最後に総合成績で可能な限り多くのタイムが欲しかった。最後の100mでは、勝者に与えられる10秒のボーナスの事を考えて、スプリントに集中した。スプリントで何が起きたのか分からない。ただ、全力で行った。ツールで最初の一週間には本当に満足している。ミスは1つだけだった。チームとしては、区間を2つ取って、今のところは本当にうまくいっている」

■マイヨ・ジョーヌに初めて袖を通したログリッチのコメント
「とても特別な日だった。このステージは本当にハードで、スタートの合図からエンジン全開だった。チームメートたちが本当にやる気満々なのを見たから、マイヨ・ジョーヌを取りに行こうと決めた。このマイヨ・ジョーヌは本当に嬉しい。とりわけチームメートたちのためにね。彼らは素晴らしい仕事をして、ボクをレースの間ずっと最高の位置に置いてくれた。我々にとって、これでレースが変わるとは思わない。我々はすでにパリで勝つという使命を持ってレースをしているからだ」

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区間優勝は逃したが、敢闘賞を獲得したヒルシ

■第9ステージ結果[9月6日/ポー~ラランス / 153km]
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 03h 55′ 17”
2. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
3. MARC HIRSCHI (TEAM SUNWEB / SUI)
4. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL)
5. MIKEL LANDA (BAHRAIN – MCLAREN / ESP)
6. BAUKE MOLLEMA (TREK – SEGAFREDO / NED) + 11”
7. GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA) + 11”
8. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 11”
9. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 11”
10. RIGOBERTO URAN (EF PRO CYCLING / COL) + 11”
11. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 11”
15. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 54”

■第9ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 38h 40′ 01”
2. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 21”
3. GUILLAUME MARTIN (COFIDIS / FRA) + 28”
4. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 30”
5. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 32”
6. RIGOBERTO URAN (EF PRO CYCLING / COL) + 32”
7. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 44”
8. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 01′ 02”
9. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 01′ 15”
10. MIKEL LANDA (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) + 01′ 42”

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):BENOIT COSNEFROY (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞(マイヨ・ブラン):EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績:MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞: MARC HIRSCHI (TEAM SUNWEB / SUI)

ツール・ド・フランス2020

スタート前には故ニコラ・ポルタルの追悼セレモニーが行われた


休養日にはPCR検査が行われる

ツール一行はフランス中西部へと移動し、9月7日はラ・シャラント・マリティムで最初の休養日を過ごす。休養日には選手、チームスタッフ、レース・オフィシャルで構成された約650名のバブル(安全圏グループ)に所属する全員が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査を受ける予定になっている。

レキップ紙によれば、22チームの選手とスタッフは日曜日の第9ステージの開始前と月曜日の休養日に検査を受け、その結果は火曜日の第10ステージ開始前に発表されるそうだ。

厳格な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で、30人で構成される1チームのバブルの中で2人の感染者が出た場合、そのチームは主催者から失格を言い渡される事になる。国際自転車競技連合(UCI)は、これを選手だけに限定する緩和策を打ち出したが、フランス政府の危機管理部門の要請により、拒否されてしまった。

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