ツール・ド・フランス2020第2ステージはアラフィリップが区間優勝してマイヨ・ジョーヌ獲得!

第107回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、8月30日にニース・オ・ペイからニースまでの186kmで山岳区間の第2ステージを競い、地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が三つ巴のゴールスプリントを制して区間優勝し、マイヨ・ジョーヌを獲得した。

ツール・ド・フランス2020

区間優勝したアラフィリップは亡き父に勝利を捧げた(©Bettiniphoto)


ジルベールが怪我で不出走

雨天で落車が多発した第1ステージは、残り65kmで落車したドイツのジョン・デゲンコルプ(ロット・スーダル)が制限時間内にゴールできず、タイムオーバーになった。彼は両膝を負傷したが、幸い骨折はなかった。チームメートのフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル/ベルギー)も落車し、10分遅れでゴールしたが、彼はゴール後の検査で左膝の膝蓋骨骨折が判明し、第2ステージはスタートできなくなってしまった。

スペインのラファエル・バルス(バーレーン・マクラーレン)も完走後に検査で大腿骨の骨折が判明し、第2ステージを不出走となった。これで第2ステージの出走は173人になった。

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●第2ステージのコースプロフィール(MAP : ©A.S.O.)

サガンが逃げた

前日と打って変わって快晴になった第2ステージは、スタートと同時に8人が逃げ出し、ポイント賞総合3位でマイヨ・ベールを着用していたスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)も加わっていた。

サガンの狙いは16km地点に設定されていたスプリントポイントだったが、1位通過はマッテーオ・トレンティン(CCCチーム)にさらわれてしまった。トレンティンは機材故障で集団に戻ったが、サガンは逃げ続けた。

63.5kmのコルミアーヌ峠(カテゴリー1)はブノワ・コスヌフロワ(AG2R・ラモンディアル)が先頭で通過し、UAEチーム・エミレーツがコントロールする集団とのタイム差は2分10秒あった。

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第2ステージの逃げにはマイヨ・ベールを着たサガンが加わっていた

続くチュリーニ峠(カテゴリー1)でサガンは遅れ、集団に吸収された。ここでマイヨ・ジョーヌを着たノルウェーのアレクサンダー・クリストフ(UAEチーム・エミレーツ)も集団から遅れ始め、チームメートとともにゴールを目指した。99.5km地点の頂上はアントニー・ペレス(コフィディス)が先頭で通過した。

チュリーニ峠を下り終えた残り40km地点で逃げは全てメイン集団に吸収され、勝負は振り出しに戻った。終盤のエズ峠はチームユンボ・ヴィスマが列車を作って先頭を引いていた。エズ峠の下りカーブでダニエル・マルティネス(EFプロサイクリング)が転倒。彼は残り30kmでメイン集団から脱落してしまった。

最後の坂でアラフィリップがアタック!

山頂にボーナスタイムがかけられたコル・デ・カトル・シュマン峠がスタートし、ゴールまで残り13kmでアラフィリップがアタック。すぐにマルク・ヒルシ(チームサンウェブ)が合流し、先頭は2人になった。そこに2km先でアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が合流。先頭の3人は、ゴールまで残り10kmでメイン集団に12秒差をつけて逃げ続けた。山頂はイェーツがアラフィリップを打ち負かして先頭で通過し、8秒のボーナスタイムを獲得。アラフィリップは5秒、ヒルシは2秒稼いだ。

3人は20秒ほどのタイム差をキープして逃げ続け、ニース市街地に突入。最後は3人でのゴール勝負になり、残り200mで最初にアラフィリップがスパート。ヒルシが追いすがったが、わずかに及ばなかった。区間優勝を確信したアラフィリップは片手で空を指差してゴールした。彼の父親は、長い闘病生活の末、今年6月に逝去したばかりだった。

区間1位で10秒のボーナスタイムを獲得したアラフィリップは、イェーツに4秒差を付けて総合首位に立ち、昨年に続いて今年もマイヨ・ジョーヌを獲得した。彼は昨年、マイヨ・ジョーヌを14日間着用している。

■勝利を亡き父に捧げたアラフィリップのコメント
「今年はまだ1レースも勝っていなかった。でも困難な瞬間もずっと真剣にトレーニングを続けてきた。この勝利は父に捧げる。ボクはチームにレースをハードにしてくれと頼んだ。だから最後の上りで残っていた選手は多くなかった。ボクは全力を出した。失うものは何もなかった。神経がやられるような走りだったが、イェーツは協力してくれた。フラム・ルージュまではタイム差を保ちたかった。プレッシャーにはちょっと慣れているのさ。やり遂げたら気分が良くなった。これはボクが失っていた勝利だ。マイヨ・ジョーヌはケーキの上のお飾りさ」

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今年もマイヨ・ジョーヌに袖を通した地元フランスのアラフィリップ

■第2ステージ結果[8月30日/ニース・オ・ペイ~ニース / 186km]
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 04h 55′ 27”
2. MARC HIRSCHI (TEAM SUNWEB / SUI)
3. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 01”
4. GREG VAN AVERMAET (CCC TEAM / BEL) + 02”
5. SERGIO ANDRES HIGUITA (EF PRO CYCLING / COL) + 02”
6. BAUKE MOLLEMA (TREK – SEGAFREDO / NED) + 02”
7. ALEXEY LUTSENKO (ASTANA PRO TEAM / KAZ) + 02”
8. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 02”
9. MAXIMILIAN SCHACHMANN (BORA – HANSGROHE / GER) + 02”
10. ALBERTO BETTIOL (EF PRO CYCLING / ITA) + 02”
48. DANIEL FELIPE MARTINEZ (EF PRO CYCLING / COL) + 03′ 38’’
137. ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR) + 28’15’’

■第2ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 08h 41′ 35”
2. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 04”
3. MARC HIRSCHI (TEAM SUNWEB / SUI) + 07”
4. SERGIO ANDRES HIGUITA (EF PRO CYCLING / COL) + 17”
5. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 17”
6. ESTEBAN CHAVES (MITCHELTON – SCOTT / COL) + 17”
7. DAVIDE FORMOLO (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 17”
8. EGAN BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 17”
9. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU) + 17”
10. TOM DUMOULIN (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 17”
11. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 17”
13. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 17”

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):BENOIT COSNEFROY (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞(マイヨ・ブラン):MARC HIRSCHI (TEAM SUNWEB / SUI)
■チーム成績:TREK – SEGAFREDO (USA)
■敢闘賞:BENOIT COSNEFROY (AG2R LA MONDIALE / FRA)

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第3ステージは平坦区間

8月31日は開幕地のニースを出発し、旅がスタート。第3ステージはニースからシステロンまでの198kmで平坦区間が行われる。平坦区間に分類されてはいるが、カテゴリー3の丘を3カ所、カテゴリー4の丘が1カ所越えるレイアウトだ。

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●第3ステージのコースプロフィール(MAP : ©A.S.O.)

 

 

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