ツール・ド・ポローニュ2020初日のゴールスプリントで大落車事故があり、ヤコブセンが重傷

8月5日にポーランドで開幕したツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)は、第1ステージのゴールスプリントで大落車事故が発生し、オランダチャンピオンのファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が重傷を負った。

ツール・ド・ポローニュ

大事故が発生したツール・ド・ポローニュ第1ステージのゴールスプリント(©Bettiniphoto)

 
ヤコブセンはフィニッシュラインの間近で、前を走っていたオランダのディラン・フルーネウェーヘン(チームユンボ・ヴィスマ)を右側から追い抜こうと試みた。しかし、フルーネウェーヘンがヤコブセンを右側のフェンスに押し込む形になり、ヤコブセンはフェンスに激突した。
 
その際、フェンスに貼られていた広告板が激しく破損し、大勢の選手がこの事故に巻き込まれてしまった。フィニッシュラインを先頭で通過したのはフルーネウェーヘンだったが、彼も転倒した。第1ステージの結果はすぐに発表されず、表彰式も中止になった。
 
ヤコブセンは頭部を負傷して流血もひどかったが、意識はあったという。彼は近隣の病院に搬送され、同夜5時間の手術を受けた。チームの発表によれば、検査で脳や脊髄の損傷は見つからなかったという。彼は治療のために現在も昏睡状態になっているが、容態は落ち着いている。
 
国際自転車競技連合(UCI)は、ツール・ド・ポローニュの主催者よりも先に声明を出し、ゴールスプリントで危険な行動を取ったフルーネウェーヘンを強く非難し、彼はコミッセール・パネルによって失格になったと発表した。UCIはフルーネウェーヘンの振る舞いは容認できないとし、すぐにこの問題を懲罰委員会に託し、制裁を課すように要求するとしている。
 
フルーネウェーヘンが引き起こしたゴールの大落車事故には、多くの選手が巻き込まれた。フランスのマルク・サロー(グルパマ・FDJ)は肩の関節を脱臼し、レースを続けられなくなった。スペインのエドゥアルド・プラデス(モビスターチーム)はC6頚椎に小さな骨折が見つかり、精密検査を受けるために帰国した。フルーネウェーヘン自身も鎖骨を骨折してしまった。
 
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染防止対策で、ゴール近くに観客は入ってなかったが、ヤコブセンが突っ込んだフェンスの内側でゴールを撮影していた大会関係者がこの事故に巻き込まれた。主催者の発表によれば、彼は頭部を負傷したがすでに意識を取り戻し、安定した状態だという。
 
第1ステージの区間優勝はヤコブセンに与えられた。
 
第1ステージ結果
[8月5日/スタディオン・シランスキー〜スポデク(カトウィチェ)/195.8km]
1. JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK – STEP / NED) 4:31:50 
2. SARREAU Marc (GROUPAMA – FDJ / FRA)
3. MEZGEC Luka (MITCHELTON – SCOTT / SLO)
4. PHILIPSEN Jasper (UAE TEAM EMIRATES / BEL)
5. GIBBONS Ryan (NTT PRO CYCLING TEAM / RSA)
6. SAJNOK Szymon (CCC TEAM / POL)
7. TOUZE Damien (COFIDIS / FRA)
8. KLUGE Roger (LOTTO SOUDAL / GER)
9. HOFLAND Moreno (EF PRO CYCLING / NED)
10. THEUNS Edward (TREK – SEGAFREDO / BEL)