UCIワールドツアー再開前にコロンビアの選手たちが欧州へ戻ってきた

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で2020年のレースシーズンが中断し、南米のコロンビアに帰国していた選手たちが、UCIワールドツアー再開を間近に控えた7月20日に、スポーツ省が手配したチャーター機でヨーロッパへと戻ってきた。

ベルナル

ツールのディフェンディングチャンピオンは無事コロンビアから欧州へと戻ってきた(©Bettiniphoto)

このチャーター機には、昨年のツール・ド・フランスで総合優勝したエガン・ベルナル(チームイネオス)を筆頭に、ナイロ・キンタナ(チームアルケア・サムシック)、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)、エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)、リゴベルト・ウラン(EFプロサイクリング)、フェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)、アルバロ・ホッジ(ドゥクーニンク・クイックステップ)らが搭乗していた。

新型コロナウイルスは現在北南米大陸で猛威をふるい、コロンビアでもロックダウンが続き、強制自宅待機措置は8月1日まで延長され、国境は8月いっぱい封鎖されている。しかし、スポーツ選手たちは政府から特別な許可を与えられ、ヨーロッパへと移動するチャーター機がスポーツ省によって手配された。

ベルギーのヘットニースブラッド紙によれば、ボーイング社製のチャーター機は特殊な換気システムを備え、数分ごとに空気をリフレッシュし、ほぼ100%の効率でバクテリアやウイルスを除去するという。もちろん、搭乗者はマスクの着用や定期的な手洗いといった衛生対策も遵守した。

7月19日に首都ボゴタを飛び立ったチャーター機に搭乗したのは109人のアスリート、コーチ、メカニック、マッサージャーで、全員が過去数日間、新型コロナウイルスの検査で陰性だった。当初は190人が搭乗する予定だったが、陰性の検査結果ではなかった人物は搭乗を拒否されている。

ボゴタのエルドラド空港には、コロンビアのイヴァン・ドゥケ大統領が見送りに来て、世界の表彰台の上で掲げて欲しいと、選手たちに国旗を手渡した。

チャーター機は10時間のフライトのあと、7月20日の午前9時頃、スペインのマドリードに到着した。その後、ベルナルはアンドラへ向かい、キンタナは弟のダイエルと一緒にフランスへと移動したそうだ。ベルナルは8月1日が4日の日程で開催されるフランスのラ・ルート・ドクシタニー(ヨーロッパツアー2.1)でシーズンを再開する予定だ。

第107回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、8月29日に南仏ニースで開幕する。