東京オリンピックトラック競技、日本代表候補選手発表

目次

6月4日、日本自転車競技連盟によるオンラインでの東京オリンピックトラック競技 日本代表候補選手発表記者会見が行われた。
 
代表候補選手は、以下の6人。
 

東京オリンピックトラック競技 日本代表候補選手

短距離
男子ケイリン、スプリント:新田祐大(日本競輪選手会福島支部/ドリームシーカーレーシングチーム)
男子ケイリン、スプリント:脇本雄太(日本競輪選手会福井支部/チームブリヂストンサイクリング)
女子ケイリン、スプリント:小林優香(日本競輪選手会福岡支部/ドリームシーカーレーシングチーム)
 
男子補欠1:深谷知広(日本競輪選手会愛知支部/ドリームシーカーレーシングチーム)
男子補欠2:河端朋之(日本競輪選手会岡山支部)
女子補欠:太田りゆ(日本競輪選手会埼玉支部/チームブリヂストンサイクリング)
 
 
中距離
男子オムニアム:橋本英也(日本競輪選手会岐阜支部/チームブリヂストンサイクリング)
女子オムニアム、女子マディソン:梶原悠未(筑波大学)
女子マディソン:中村妃智(日本写真判定)
 
男子補欠:窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
女子補欠:古山稀絵(日本体育大学)
 
 
ロードレースやMTBなど他競技と異なり、トラック競技では3月頭の世界選手権をもって選考期間は満了しており、これまでの成績に基づいた候補選手選出結果となった。
 
東京オリンピックは1年の延期が決まっているが、このタイミングでの代表選手発表によって、選手たちのモチベーション維持とより具体的な強化を図る狙いだ。
 
日本ナショナルチームを率いるブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチは、1年延期という決定に対して、「準備するチャンス」とポジティブに受け止める。
 
順調にメダルを獲得していった2020のトラックワールドカップシーズンを終えて、オリンピック前の最終戦として行われた世界選手権では各国の仕上がりに苦戦を強いられた短距離勢。これまでのレーススケジュールが詰まった短い準備期間の積み重ねではなく、じっくりと強化に向かうことができる時間は貴重だ。ベトゥは、今まで取り組む時間がなかった空力についても強化を行いたいと話す。
 
クレイグ・グリフィン中距離ヘッドコーチもまた、「身体的・技術的強化をはかるためのいい機会」と捉える。1年間の延期、しかも開催されるかどうかも決して確定事項ではない。それゆえに選手たちにとって、集中力やモチベーションの維持は非常に難しい課題だ。しかし、できることは多いと話す。ロードの走り込みでの有酸素能力向上や次の大会に向けた筋力強化など、新たなイニシアチブを獲得したい考えだ。
 
時間は誰にとっても平等。1年間という猶予をチャンスと捉える国は多いはず。どれだけの集中力で、どれだけ工夫して時間を有効に使えるかが鍵となる。
 
選手たちは、今年の8月に向けて全てを賭して毎日を戦ってきた。やっと最終目的地が見えたのに、その日々がまた1年伸びるというのだから、気が遠くなるほどに厳しい道のりのはずだ。
これまでにないほどの持久戦は、おそらく信念の強さが勝負を分けることになるだろう。
我々は、今まで以上に強いエールを送らねばならない。
 
 

各選手のコメント

新田祐大のコメント

1年延期されましたが、東京オリンピックでの金メダル獲得だけを目指して4年間をやってきました。それしか目指していないので、僕の持ち味である瞬発力、最大パワーを世界の中でも発揮できるように日々のトレーニングに尽力していきたいと思います。また、スピード、持久力、耐乳酸というところの足りない部分も強化していきたいです。
 
僕たちがやることは金メダルを取ることだけだと思っています。僕たちは必死に自転車のペダルを漕ぎ続けたいと思います。
 
新田 祐大(NITTA Yudai)
1986年1月25日(34歳)
福島県 出身
身長:173.0cm 体重:88.0kg 血液型:O型
東京オリンピック出場予定種目:スプリント・ケイリン
所属:一般社団法人日本競輪選手会福島支部(S級S班)、ドリームシーカーレーシングチーム
出身校:福島県立白河高等学校
専門種目:トラックレース(短距離)
日本自転車競技連盟トラック短距離強化A指定選手
UCIランキング:男子スプリント12位
 

新田祐大

新田祐大

 

脇本雄太のコメント

東京オリンピックは一度中止も懸念され、モチベーション的にもかなり落ち込んだこともあったんですが、「金メダルに向けて、半年じゃ間に合わなかったところを1年間の猶予ができた」というブノワの言葉で持ち直しました。リオオリンピックのケイリンでは、情けない成績だったので、東京では金メダルを目標に頑張っていきたいです。
 
脇本 雄太(WAKIMOTO Yuta)
1989年3月21日(31歳)
福井県 出身
身長:180.0cm 体重:82.0kg 血液型:A型
東京オリンピック出場予定種目:ケイリン・スプリント
所属:一般社団法人日本競輪選手会福井支部(S級S班)、チームブリヂストンサイクリング
出身校:福井県立科学技術高等学校
専門種目:トラックレース(短距離)
日本自転車競技連盟トラック短距離強化A指定選手
UCIランキング:男子ケイリン4位
 

脇本雄太

脇本雄太

 

小林優香のコメント

オリンピックでメダルを取るということを目標にバレーボールから転向してきました。延期が決まって、正直残念な気持ちもありましたが、コーチたちの力も借りながらしっかり準備していきたいなと思います。持ち味のスピードをもっと伸ばしつつ、持久力やマインドコントロールなども強化していきたいです。
 
小林 優香(KOBAYASHI Yuka)
1994年1月18日(26歳)
佐賀県 出身
身長:165.0cm 体重:67.0kg 血液型:A型
東京オリンピック出場予定種目:ケイリン・スプリント
所属:一般社団法人日本競輪選手会福岡支部(L級1班)、ドリームシーカーレーシングチーム
出身校:熊本市立必由館高等学校
専門種目:トラックレース(短距離)
日本自転車競技連盟トラック短距離強化A指定選手
UCIランキング:女子スプリント20位
 

小林優香

小林優香

 

橋本英也のコメント

今回の延期を受けて、非常にチャンスだなと思っています。(2月末の)世界選手権ではもっていきたい順位にもっていくことができませんでした。1年間で準備する時間ができましたし、1日1日を大事に東京オリンピックのメダル獲得に向けて頑張っていきたいです。
 
橋本 英也(HASHIMOTO Eiya)
1993年12月15日(26歳)
岐阜県 出身
身長:180.0cm 体重:75.0kg 血液型:A型
東京オリンピック出場予定種目:オムニアム
所属:一般社団法人日本競輪選手会岐阜支部(A級2班)、チームブリヂストンサイクリング
出身校:鹿屋体育大学
専門種目:トラックレース(中距離)
日本自転車競技連盟トラック中距離強化A指定選手
UCIランキング:男子オムニアム9位
 

橋本英也

橋本英也

 

梶原悠未のコメント

正式に日本代表として内定いただき、とてもうれしく思っています。残り1年日本代表としての自覚と自信をもって臨んでいきたいです。
 
延期については、もっと強くなるための時間ができたと考えています。世界で戦えるスピードをつけて、さらにそのスピードを何度も発揮できる持久力を備えて、戦術面の強化などに取り組んでいきたいです。世界チャンピオンとして東京オリンピックに望むことができるので、必ず金メダルを獲得して、多くの人に夢や希望を与えられるように頑張っていきたいです。
 
梶原 悠未(ゆうみ)(KAJIHARA Yumi)
1997年4月10日(23歳)
埼玉県 出身
身長:155.0cm 体重:56.0kg 血液型:O型
東京オリンピック出場予定種目:オムニアム、マディソン
所属:筑波大学大学院(在学中)
専門種目:トラックレース(中距離)
日本自転車競技連盟トラック中距離強化A指定選手
UCIランキング:女子オムニアム1位
女子マディソン個人ランキング33位(チームランキング:日本15位)
 

梶原悠未

梶原悠未

 

中村妃智のコメント

緊急事態宣言期間中は、室内でトレーニングできる機材もあるので、筋力や体力面での不安はありません。ただ、レースがないので、過去のレース映像で学ぶということはしていますが、次の最初のレースへの不安は残っています。
 
延期には動揺もありましたが、この1年間もっと強くなるためのチャンスが与えられたと思っています。延期が発表された後、メニューなどが送られてくるのと同時にコーチから「今月は自転車を楽しむ月にしてくれ」と言われて、だんだんと気持ちの整理がついてきました。今はベーストレーニングでの底上げや、出力を上げながら、自分を高めて練習に励んでいます。メダルを目指して頑張っていきたいです。
 
中村 妃智(NAKAMURA Kisato)
1993年1月7日(27歳)
千葉県 出身
身長:165.5cm 体重:67.0kg 血液型:AB型
東京オリンピック出場予定種目:マディソン
所属:日本写真判定株式会社
出身校:日本体育大学
専門種目:トラックレース(中距離)
日本自転車競技連盟トラック中距離強化A指定選手
UCIランキング:女子マディソン個人ランキング27位(チームランキング:日本15位)
 

中村妃智

中村妃智