UCIワールドツアー開幕戦のツアー・ダウンアンダー2020でポートが最終日逆転総合優勝

南半球のオーストラリアで開催されていたUCIワールドツアー開幕戦の第22回サントス・ツアー・ダウンアンダーは、1月26日にマクラーレン・ベイルからウィルンガヒル頂上までの151.5kmで最終区間となる第6ステージを競い、地元オーストラリアのリッチー・ポート(トレック・セガフレード)が逆転総合優勝を果たした。

ツアー・ダウンアンダー

UCIワールドツアー開幕戦のツアー・ダウンアンダーで最終日逆転優勝を果たした地元オーストラリアのポート(©Bettiniphoto)

ウィルンガヒルの頂上でゴールした最終区間は、序盤から逃げに加わっていた英国のマシュー・ホームズ(ロット・スーダル)が、ゴール目前で先頭のポートを抜き去り、サプライズなワールドツアー初優勝を勝ち取った。

ツアー・ダウンアンダー

ウィルンガヒルを駆け上がるポートの後方にはホームズがピタリと付いていた(©Bettiniphoto)

最終ステージはスタートしてすぐに26人の逃げ集団が形成され、ホームズもそこに加わっていた。メイン集団は最後のウィルンガヒルの上りで逃げていた選手たちを次々と吸収した。

この日、オーカーオレンジの総合リーダージャージを着ていたディフェンディングチャンピオンのダリル・インピー(ミッチェルトン・スコット)は、ウィルンガヒルで遅れてしまったが、チームメートのサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)は、最後までポートに食らいついていた。しかし、イェーツも“キング・オブ・ウィルンガヒル”と呼ばれるポートの加速には付いて行けなかった。

ポートは最後まで逃げていた選手たちを追い越して先頭に立ったが、ホームズだけは彼に付いて行くことができた。ポートはウィルンガヒル区間を6度制していたが、最後は26歳のホームズのスパートに付いては行かず、区間2位でレースを終えた。それでも総合を争うライバルたちには十分なタイム差を付けることができた。

ポートは2017年のツアー・ダウンアンダーで総合優勝していて、これが2度目の総合優勝だった。彼は2018年、2019年とインピーに負けて総合2位になっていて、やっと地元最大のタイトルを奪還することができた。今季ロット・スーダルに移籍したホームズは、初めて走ったワールドツアーで、プロ初優勝となる区間優勝を上げることができた。

■サプライズな区間優勝を勝ち取ったホームズのコメント
「ボクはずっとスプリントを待ち続けていたが、次第に全てが限界に近づいていると気がついた。その後、ポートが追いついたが、パニックにはならなかった。すごい、と思った。彼はスローダウンする気はなく、明らかに総合成績の為に走っていたから、ただボクをゴールまで連れていった。ボクがしなければならなかったのは彼を打ち負かすことだけで、それはとても簡単だった」

■地元オーストラリアのツアー・ダウンアンダーで2度目の総合優勝を果たしたポートのコメント
「このレースで再び勝つのは素晴らしい気分だ。チームにとっては大変な一日だった。大きな集団が逃げたから、総合争いは終わったかもしれないと思う瞬間もあった。でも、チームメートたちを信頼していた。彼らはそれを全員捕まえてくれた。今日の最後の800mはとても苦しかった。多分人生で最も苦しかった800mだ」

ツアー・ダウンアンダー

初めて走ったワールドツアーでプロ初優勝を上げたホームズ

■第6ステージ結果[2019年1月26日/マクラーレン・ベイル~ウィルンガヒル/151.5km]
1. HOLMES Matthew (LOTTO SOUDAL / GBR) 3:24:54
2. PORTE Richie (TREK – SEGAFREDO / AUS) +03
3. BOARO Manuele (ASTANA PRO TEAM / ITA) +04
4. ARMIRAIL Bruno (GROUPAMA – FDJ / FRA) +07
5. STORER Michael (TEAM SUNWEB / AUS) +07
6. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +07
7. GESCHKE Simon (CCC TEAM / GER) +07
8. DENNIS Rohan (TEAM INEOS / AUS) +07
9. VAN BAARLE Dylan (TEAM INEOS / NED) +07
10. YATES Simon Philip (MITCHELTON – SCOTT / GBR) +23
20. IMPEY Daryl (MITCHELTON – SCOTT / RSA) +29
41. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +01:10

第22回サントス・ツアー・ダウンアンダー 個人総合最終成績
(1月21日〜26日/UCIワールドツアー/オーストラリア)
1. PORTE Richie (TREK – SEGAFREDO / AUS) 20:37:08
2. ULISSI Diego (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +25
3. GESCHKE Simon (CCC TEAM / GER) +25
4. DENNIS Rohan (TEAM INEOS / AUS) +25
5. VAN BAARLE Dylan (TEAM INEOS / NED) +25
6. IMPEY Daryl (MITCHELTON – SCOTT / RSA) +30
7. YATES Simon Philip (MITCHELTON – SCOTT / GBR) +37
8. BENNETT George (TEAM JUMBO – VISMA / NZL) +46
9. HAMILTON Lucas (MITCHELTON – SCOTT / AUS) +52
10. PERNSTEINER Hermann (BAHRAIN – MCLAREN / AUT) +54
29. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +01:57
[各賞]
■スプリント賞:PHILIPSEN Jasper (UAE TEAM EMIRATES / BEL)
■山岳賞:ROSSKOPF Joseph (CCC TEAM / USA)
■新人賞:SIVAKOV Pavel (TEAM INEOS / RUS)

サントス・ツアー・ダウンアンダーの公式サイト