ミラノ~サンレモ2026 は世界チャンピオンのポガチャルが初優勝

  • text sasachini
  • photo LaPresse / ©Sprint Cycling Agency

春の到来を告げるレースで『ラ・プリマヴェーラ(イタリア語で春)』の愛称を持つ第117回ミラノ~サンレモ(UCIワールドツアー)が、2026年3月21日に北イタリアで開催され、世界チャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)が27歳で初優勝を果たした。
 

Milano - Sanremo

43年ぶりでアルカンシエルがミラノ~サンレモを制した! (photo : LaPresse)

 
世界チャンピオンの証であるアルカンシエルを着た選手がミラノ~サンレモを制したのは、1983年のジュゼッペ・サロンニ(イタリア)以来、実に43年ぶりの出来事だった。これでポガチャルは、モニュメント・クラシックと呼ばれる5大クラシックのうちの4つで優勝した選手になり、残るはパリ〜ルーベ(フランス)のみになった。
 

Milano - Sanremo

遂に4つ目のモニュメント・クラシックを制したポガチャル。残るはパリ〜ルーベだ (photo : LaPresse)


ミラノ郊外のパヴィアからスタート

Milano - Sanremo

ミラノ郊外のパヴィアをスタートする集団 (photo : LaPresse)

 
第117回大会はUCIワールドチーム18チームと、UCIプロチーム7チームの合計25チーム、175選手がミラノ郊外にあるパヴィアのスタートラインに並び、サンレモまで298kmの長旅に出発した。

地元イタリアのチームポルティ・ヴィジットマルタ(UCIプロチーム)は、一昨年からタイトルスポンサーになっている家電メーカーのポルティが、90年代にスポンサーだったトップチームのデザインを復活させたスペシャルジャージ『マリア・アイコニカ』を今大会で披露した。そしてイタリアのミルコ・マエストリとダリオイゴール・ベレッタが逃げに加わり、その懐かしいジャージを世界中に発信した。90年代にチームポルティには今中大介氏が所属してジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスを走り、日本のレースファンにとっても想い出深いジャージだった。
 

Milano - Sanremo

懐かしいポルティのジャージがプロトンによみがえった (photo : LaPresse)

 

Milano - Sanremo

マエストリとベレッタが逃げに加わり、懐かしいポルティのジャージを世界へと発信した (photo : ©Sprint Cycling Agency)

 
ポガチャルが転倒

いつものように逃げはカーポと呼ばれるレース後半の丘越えで集団に引き戻され、ゴールまで残り27kmのチプレッサの丘のふもとで吸収された。その直前のインペリアの街中で、集団では世界チャンピオンのポガチャルが転倒するアクシデントが発生した。この事故で優勝候補の1人だったオランダのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・プルミエテック)も遅れたが、彼はすぐ集団に戻った。

ポガチャルはチームメイトの助けを借りて、チプレッサのふもとで集団の後方に追いつく事ができたが、ベルギーのワウト・ファンアールト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)はその時まだ30秒後方を走っていた。ポガチャルはチプレッサを1km上った所で集団の先頭まで上がり、ブランドン・マクナルティ(UAEチーム・エミレーツ・XRG)とイサーク・デルトロ(UAEチーム・エミレーツ・XRG)がエスコートを開始した。


チプレッサでアタック

Milano - Sanremo

チプレッサでアタックした世界チャンピオンのポガチャル (photo : LaPresse)

 
ゴールまで残り24.2kmのチプレッサの上り坂で世界チャンピオンのポガチャルがアタックした時、付いていけたのは英国のトーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5 プロサイクリングチーム)とディフェンディングチャンピオンのファンデルプールだけだった。ポガチャルのアルカンシエルは落車の影響で左側が汚れて破れていたが、体には全く影響がなかったようだった。3人は後続集団に24秒差を付けてチプレッサを越えた。

残り9kmで最後のポッジョの丘が始まった時、3人のアドバンテージは10秒しかなかったが、それは問題ではなかった。ポッジョの上りが始まるとすぐにポガチャルが攻撃を開始し、誰もが驚いた事にファンデルプールが真っ先に遅れ始めた。しかし、ピドコックは全く動じる事がなく、世界チャンピオンの攻撃に全て応戦する事ができた。2人は20秒ほどのタイム差を付けて残り5.7kmの頂上を通過した。
 

Milano - Sanremo

ポガチャルはポッジョでピドコックを蹴落とす事ができなかった (photo : LaPresse)

 
下りでファンデルプールを吸収した追走集団は、リドル・トレックが先頭を引いたが、残り2kmで先頭の2人とのタイム差はまだ20秒あった。そこから残り1.4kmでヴァンアールトが飛び出したが、彼も先頭に追いつく事はなかった。最後は一騎打ちのゴール勝負になり、残り150mからスプリントを開始したポガチャルが、フィニッシュラインで車体を投げ出して26歳のピドコックを打ち負かし、初タイトルを手中に収めた。彼の通算優勝数はミラノ~サンレモの勝利で110勝になった。
 

Milano - Sanremo

世界チャンピオンのポガチャルが一騎打ちのゴール勝負でピドコックを打ち負かし、初優勝を決めた (photo : LaPresse)

 
■初優勝したポガチャルのコメント
「落車した時、一瞬全てが終わったと思った。あれはインペリアで、レースで最も重要なパートのちょうど手前だった。理想的ではなかった。幸運にも、すぐバイクに戻れた。自分にもバイクにもあまりダメージはなかった。その後、チームメイトのフェルメールスとグロスシャートナーを見つけた。彼らはボクを前へと戻すために全力を尽くしてくれた。彼らがボクに希望を与えてくれたんだ。チームと一緒でなかったら、ボクは真っ直ぐサンレモに行ってゴールを観ていただろうね。

ポッジョの前に、少し向かい風があった。去年のように理想的ではなかった。ピドコックがちょっと心配だった。彼も素晴らしいレースをして、とても接戦だった。知ってのとおり、彼はパンチがあって速いからね。長くは待てなかったから、スプリントを始めたが、彼にも脱帽したよ」
 

Milano - Sanremo

ゴールは僅差だった (photo : LaPresse)

 
第117回ミラノ~サンレモ 結果

[3月21日/UCIワールドツアー/イタリア/298km]
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 6:35:49
2. PIDCOCK Thomas (PINARELLO-Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR)
3. VAN AERT Wout (TEAM VISMA – LEASE A BIKE / BEL) 0:04
4. PEDERSEN Mads (LIDL-TREK / DEN) 0:04
5. STRONG Corbin (NSN CYCLING TEAM / NZL) 0:04
6. VENDRAME Andrea (TEAM JAYCO ALULA / ITA) 0:04
7. STUYVEN Jasper (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) 0:04
8. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-PREMIER TECH / NED) 0:04
9. TRENTIN Matteo (TUDOR PRO CYCLING TEAM / ITA) 0:04
10. ZAMBANINI Edoardo (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) 0:04
 

Milano - Sanremo

ミラノ~サンレモ2026の表彰台。左から2位のピドコック、初優勝したポガチャル、3位のヴァンアールト (photo : LaPresse)

 

Milano - Sanremo

(photo : LaPresse)

 

ミラノ~サンレモ公式サイト

J SPORTS ミラノ〜サンレモ特設サイト

「2026サイクルロードレース選手名鑑」発売中
UCIワールドチーム&プロチーム全34チームのデータを完全掲載!