新城幸也2026シーズン所属チームが記者会見「NIPPOのスポンサードで日本人選手を育成」

2025年12月11日、オンラインにて日本のメディア向けに新城幸也の所属するソリューションテック・ヴィーニファンティーニの記者会見が行われた。新城は「来シーズンの目標はシンプルで、UCIポイントを重ねて2027年にジロ・デ・イタリアのワイルドカードを獲得すること」と語った。

ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ2026オンラインミーティング

イタリア・トスカーナ州サンバロットで行われているチーム・ソリューションテック・ヴィーニファンティーニの合宿において、新城幸也を中心とした日本人選手らによるオンラインミーティングが開催された。

2025シーズンは1月に行われたチーム合宿だが、2026シーズンに向けてこの合宿は12月となった。「昨年より1カ月早い」とチーム関係者はうれしそうに話す。来シーズンに向けた支度が早ければ早いほど、入念な準備ができるからだ。まだ公表されていないが新しいフレームやウェアも続々と到着し、それらを初めて見る選手たちは喜びの声を上げていた。

ゼネラルマネージャーのセルジョ・パルサーニ氏は「今年はいい年だった。UCIポイントでは目標の30位以内に到達せず残念だったら、来年はスポーツディレクター(監督)にミズタニを迎え、さらに日本人のメカニシャンも入ってさらに上を目指す。スポンサーにNIPPOが加わることでプレッシャーも感じるが、来年こそUCIランキング30位以内を目指したい」と話した。

ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ2026オンラインミーティング

来シーズンから監督としてチームに加入する水谷氏

 

12月10日にUCIが発表した来シーズンのプロチームの中に、このチームは「トスカーナ・NIPPO・ラーリ」として掲載されていて、おそらくこの「トスカーナ」部分にメインスポンサーが入って来シーズンのチーム名が確定するはずだが、もちろんこのNIPPOは言わずと知れた(株)NIPPOだ。自転車競技へのサポートが40年目となったNIPPOが、来シーズンはユキヤのチームのスポンサーとなる! これがウキウキしないでいられようか?

 

続いて新たにスポーツディレクターとなる水谷壮宏(たけひろ)氏。彼はかつてユキヤと同じチームで走っていた選手で、引退後はブリヂストンや愛三工業、NIPPO・ヴィーニファンティーニなどの監督を務めてきた。水谷氏は「強い選手が多いなという印象で、彼らを使って成績を残さなければいけないとプレッシャーも感じる。来年はUCIポイントを取らなければ先が見えない状況なので、まずはUCIポイントのトップ30、そしてグランツールに出られるようなチームにしていきたい。何より忘れてはいけないのはNIPPOのスポンサーで、日本人を育てて下さるNIPPOに感謝したい」とコメント。

 

ユキヤはこのチームと来年も契約を結んだ旨発表したばかりだが、「来シーズンの目標はシンプルで、UCIポイントを重ねて2027年にジロのワイルドカードを獲得することです。今年、成績を出したことで2026年はもっと、と選手たちのモチベーションは高い。みんなの気持ちを合わせて頑張る」と気合いを見せた。

そして新設されたデボチーム(育成チーム)については「僕がU23のときにイタリアのジロ・デル・レジオニ(2・2)」で2位に入った(2006年)とき、同じ世代の選手とキツいレースをやる意味を知った。そこでしっかりと力をつけたので僕は(プロへの)階段を上がることができた」と話し、育成チームで正しいステップを踏む意義を強調した。そのときの監督は今回、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニにNIPPOのスポンサードをもたらした大門宏氏である。

 

この会見を聞いていた大門氏は「よく覚えているなあ」と笑いながら「あのとき勝った選手はフランス人ですが、ユキヤが成し遂げた2位が日本人選手としてはすごいことなのに、ものすごく悔しがっていたのを思い出します。彼は本当に負けず嫌いですよね」と話してくれた。

TEAM UKYOから移籍してデボチームに所属することになる鎌田晃輝(21)は「今年は1クラスやプロクラスを走って、レベルの差がありすぎると感じていた。一度アマチュアカテゴリーに戻って上位リザルトを残したい」と話し、早稲田大学1年生の岩村元嗣(18)は「レースではトップ10入りを目指し、ゆくゆくはプロ入りできるよう頑張る」とコメントした。

ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ2026オンラインミーティング

デボチームに所属する鎌田(左)と岩村(右)

 

噂によれば、来シーズンの仮のチーム名に入っている「ラーリ」は自転車メーカーのようだ。早くも楽しみな来シーズン、バイクやウェアなどの続報を待ちたい!