2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦  パーク小澤美晴/フラットランド片桐悠・本村果鈴が優勝

目次

  • photo © Japan Cycling Federation / Naoki Gaman

2025UCI BMXフリースタイル種目のワールドカップ最終戦が、2025年11月28日〜30日の3日間にわたり茨城県境町・Ibaraki Sakaiアーバンスポーツフェス内で開催された。日本でのホーム開催として重要な1戦となった今大会、シリーズの締めくくりならびに年間ランキングが懸かる重要な一戦として世界各国から強豪ライダーが集結するなか、最高峰の戦いが繰り広げられた。

今月初旬に開催された世界選手権大会では、フラットランドで男女ともに日本勢が世界タイトルを獲得。パーク種目では惜しくも表彰台には届かなかったものの年間を通じて着実な成果を示し、本大会でもフラットランドにおいて男女日本代表が優勝、女子パークでも優勝を果たし、国内開催を最高の形で締めくくる結果となった。

日本代表チームにとってさらなる成長につながるシーズンとなり、日本人の存在感を改めて世界に示した。

 

パーク男子・中村輪夢は6位、シリーズランキング3位に

38人によって争われた今大会、日本チームからは3人が24人枠の準決勝へ進出した。 予選2位通過の中村輪夢は、持ち味である安定感のあるライディングを武器に、前回の世界選手権に続き準決勝でも1位を獲得し、トップ通過で決勝へ駒を進めた。 予選1位の小澤楓は1本目こそ転倒があったものの、2本目で見事に立て直し、自身初となるトップ12で争われる決勝へ進出を果たした。 松本翔海も初の予選通過を果たし、着実な成長を示す内容となった。

決勝では、各国のトップライダーが準決勝を上回る高難度トリックを次々と成功させるハイレベルな展開に。 中村も自身のビッグトリックを織り交ぜ積極的に攻めたが、1本目を5位で折り返すかたちに。 逆転を狙った2本目では、最初のトリックにてうまくスピードを乗せられず悔しいランとなり、最終順位は6位で大会を終えた。

初の決勝進出となった小澤も、堂々としたライディングを披露し8位でフィニッシュ。 中村は今シーズンを通して前回大会では表彰台を獲得しており、最終的にシリーズランキング3位を獲得した。 日本の男子パーク勢が世界の舞台で安定した存在感を示した大会となった。

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

大会リザルト パーク男子

1位: Jude JONES(イギリス) 94.74ポイント

2位: Jordan CHLARK(イギリス) 93.24ポイント

3位: Nick BRUCE(アメリカ) 91.4ポイント

6位: 中村 輪夢 (ウィングアーク1st) 90.82ポイント

8位: 小澤 楓 (岐阜第一高等学校) 84.04ポイント

21位: 松本 翔海

 

パーク女子・小澤美晴が初優勝、シリーズランキング首位を獲得

2025世界選手権では惜しくも4位で表彰台を逃した小澤美晴が、今大会では予選から圧倒的なライディングを披露し、他選手を寄せつけない得点でトップ通過を果たした。

決勝でも1本目から自身のルーティンを正確にまとめ、完成度の高いランで暫定1位へ。その後も小澤のスコアを上回る選手は現れず、最後までトップの座を守り切り、自身初となるワールドカップ優勝を掴み取った。 2位には、「360ターンダウン・バースピン」など高難度のコンビネーショントリックを確実に成功させた吉田実央が入り、日本勢の1-2フィニッシュを達成。 3位には、パリオリンピック銅メダリストのナタリヤ・ディーム(オーストラリア)が続き、世界トップクラスの選手が揃うなかで、日本チームが改めてその強さを示す一戦となった。

小澤は年間シリーズランキングも1位を獲得し、来シーズンの活躍に期待がかかる。

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

大会リザルト パーク女子

1位: 小澤 美晴 (N高等学校) 95.5ポイント

2位: 吉田 実央 (N高等学校) 91.4ポイント

3位: Natalya DIEHM(オーストラリア) 86.8ポイント

 

優勝者 小澤 美晴 コメント

「今シーズン最後の大会を優勝で締めくくることができて、とても嬉しいです。 自国開催ということで、たくさんの声援がパワーになりました。 練習の成果を皆様にお見せすることができてとても良かったです。 また来年も引き続き頑張っていきたいです。最後になりましたが、私を支えて下さる全ての方々に感謝を伝えたいです。ありがとうございました。」

 

フラットランド男子は世界チャンピオン・片桐 悠が優勝

今月の2025世界選手権大会で初の世界チャンピオンに輝いた片桐 悠は、今大会でも勢いをそのままに、落ち着いたライディングで予選、準決勝をトップ通過。兄である片桐亮が暫定1位で最終走者となった決勝では、3分間の一発勝負というプレッシャーのなか持ち技である高難度トリックの数々を決め、世界選手権に続くパフォーマンスを披露し優勝を獲得。 また、シリーズ全体では、今大会4位に入った荘司ゆうが年間2勝の成績を収め、見事シリーズタイトルを獲得した。

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

大会リザルト フラットランド男子

1位: 片桐 悠 (GLOW) 93ポイント

2位: 片桐 亮 88.33ポイント

3位: 大嶋 蓮 84ポイント

 

優勝者 片桐 悠 コメント

「今年最後の大会が日本で開催されるのもあって、優勝してシーズンを締めくくりたいという気持ちがありました。会場の走路も今までのワールドカップシリーズの中で1番良かったので気持ちよく乗れました。個人的には2回のミスはありましたが、抑えのルーティンではなく攻めのライディングで、93点の高評価されたことがすごく嬉しかったです。」

 

フラットランド女子は本村果鈴が優勝、日本が表彰台を独占

男子同様、今大会の女子フラットランドには、世界選手権でチャンピオンとなった戸髙千翠をはじめ、同大会でメダルを獲得した本村果鈴、吉村想花ら世界トップクラスの日本勢が集結。国内開催の最終戦にふさわしいハイレベルな戦いとなった。

予選では、本村が戸髙を抑えてトップ通過。高いパフォーマンスで、決勝に向けて勢いをつけた。 予選の上位4人で争われた決勝でも本村の勢いは衰えず、正確なコントロールと高難度トリックを確実にまとめ上げ、ワールドカップ最終戦で優勝を飾った。

2位には昨年の世界チャンピオンである宮嶋歩菜、3位には昨年のワールドカップシリーズチャンピオンである鈴木が表彰台に立つ実力を示した。 一方、戸髙は決勝でトリックがまとまりきらず4位で大会を終える結果となったが、世界選手権優勝を含む今シーズンの活躍は際立っており、日本女子勢の層の厚さと全体の競争力の高さを改めて示す大会となった。

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

2025BMXフリースタイル ワールドカップ最終戦

大会リザルト フラットランド女子

1位: 本村 果鈴 (motelworks) 86.33ポイント

2位: 宮嶋 歩菜 73ポイント

3位: 鈴木 仁奈 72.66ポイント

4位: 戸高 千翠 (lovejamcrew) 71ポイント

5位: 吉村 想花 (セントヨゼフ女子学園高等学校) ※予選結果より

 

優勝者 本村果鈴 コメント

「今年度最後の大会が自国開催という事もあり気合いを入れて挑みました。たくさんの声援の中、少しミスもありましたが最後は落ち着いて楽しくライディングができ、自分自身へのプレッシャーに打ち勝っての優勝が1番嬉しかったです! そばで支えてくれた父をはじめ、応援してくれた皆様に心から感謝しています。」