地元の織田聖が大会3連覇 弱虫ペダルPresents松伏シクロクロス2025
目次
2025年11月29日(土)、埼玉県松伏町にて松伏シクロクロスが行われた。男子エリートカテゴリーでは、全日本チャンピオンジャージを着る織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が差をつけて地元での3連覇を果たした。

国内で一番上るコース
11月最終週末、埼玉県松伏町のまつぶし緑の丘公園で第3回となる「弱虫ペダルPresents松伏シクロクロス2025」が行われた。地下鉄を掘った残土が使われた丘をダイナミックに使うことで、上りが多く、常に踏み続けるようなこの草地のコースは、地元出身のまつぶしPR大使でシクロクロス全日本チャンピオンである織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が監修に入った。
「一旦コースを作ってもらって、ここはこうしてほしいとか僕の意見が入ったコースなので、他のコースに比べてスピードレンジが速くて、踏む場所がいっぱいあるコースです。かつ、ハイスピードで突っ込もうと思えばハイスピード突っ込めるようなコーナーになっているので、どれだけハイスピードで突っ込めるかというチキンレースみたいなところもあるような、ちょっとミスをしたら怖いなというコースですね」と、織田はコースについて話す。
昨年からAJOCCのJCXシリーズにも指定されており、この日もJCXシリーズランキングの対象となるカテゴリー、男子エリート(ME1)と女子エリート(WE1)も行われた。

ホールショットを取った小坂
快晴で男子エリートがスタートする14時頃には冬ながらも強い日差しが降り注ぎ、気温が上がった。14時6分、号砲が鳴り、ホールショットを小坂光(Utsunomiya Lux)が取ると、次のコーナーでは織田が先頭へと踊り出た。その後ろには沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)、松本一成(W.V.OTA)、成田光志(OLIVE)などが続く。

先頭で織田がペースを上げる

織田には特に多くの声援が送られていた
1周目が終わり、10周回で争われることが決まると、2周目の途中で織田が後続を引き離した。織田は後続とのタイム差を広げていく。
織田と優勝争いを何度も繰り広げてきた沢田だが、JCX前戦から風邪を引いてしまい、今回も万全な状態とはいかなかった。沢田はこう振り返る。
「風邪を引いていて、まだあまりスタートで全開で行かないでおこうと思って抑えながら聖に合わせて前に上がって、たぶん限界まで行けないだろうなという感じでした。織田選手は強かったですし、つけなかったです。まだ咳が出るっていう感じだったので、9割5分ぐらいでずっと走ってるって感じだったんですけど、途中、(織田との)タイム差をキープできたので良かったかなと思います。最後、成田くんがすごい追い上げてきたので、そのおかげで集中切らさず走れて、次につながるレースだったかなと思います」

先頭を追う沢田

織田や沢田に続いて成田もシケインをバニーホップでクリア
織田が先頭、追走に沢田が単騎で、その後ろからは成田と松本が追った。U23の1年目の年である成田は、「最初からついていこうと思ったんですけど、最初、織田さんが速すぎて、そこからオールアウトみたいになってしまったんです。また復活していけたので良かったです」と話した。

上った先の丘の上では綺麗な景色が見渡せる

後続を振り切って長い時間独走した織田

自転車を降り、しっかりとクランク位置まで正してフィニッシュラインで声援を受けた
地元の人々の声援を多く受け、スピードを緩めずに先頭をひた走った織田が独走でフィニッシュラインを切り、しっかりと走りで声援に応えた。
「地元のレースでもあり、冠スポンサーでもあり、まつぶしPR大使でもあり、もうプレッシャーでしかなくて、いろんな重圧につぶされそうなレースなんですけど(笑)、勝つことができて本当に良かったです。スピードコースで差がつきにくいコースですけど、ちゃんと差をつけて勝てたのは良かったなと思います」
地元の声援を受けて

応援に来てくれた金杉小学校の生徒たちと織田
レース後には、応援に来てくれた地元の小学校の生徒たちと交流をする姿もあった。
「やっぱり自転車の中でもシクロクロスは本当にマイナーなので、ちびっ子たちが来てくれて、見てもらえる機会はすごくうれしいです。自転車をたぶん知らないですし、この自転車がいくらするかも分かってないような、ここの公園に遊びに来ているような子たちが見に来てくれるっていうのは、自転車業界にとってはいいことなのかなと。ここから未来のサイクリストが出てきてくれたらうれしいなと思います。地元の大使ということもあって、いろんな地元のイベントなどにも行っていて、今までの全日本チャンピオンがやってこなかったことなので、そういう活動をして、裾野を広げていけたらなと思っています」と、織田は語った。

大阪府貝塚市の二色の浜で12月14日に行われる全日本選手権でも織田は4連覇を目指す。
「次は宇都宮(12月6日~7日)と全日本(12月14日)と、大事なレースが続くので、そこでしっかりと勝ち切れるように頑張っていきたいなと思います」
沢田もまた全日本に向けて意気込みをこう話した。
「(風邪を)早く治さないとなっていうのもありますし、宇都宮ももちろん走りたいですけど、やっぱり全日本で最後に優勝することが目標なので、宇都宮もいいステップにできるように。今日は先週よりはずっと良かったですし、また宇都宮で2連戦あるので、課題持って走って、全日本を迎えられればなと思います」
男子エリート リザルト

1位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)59分34秒
2位 沢田 時(Astemo宇都宮ブリッツェン)+35秒
3位 成田光志(OLIVE)+42秒
女子エリート リザルト

1位 石田 唯(TRKWorks)41分33秒
2位 渡部春雅(Olandabase)+2分1秒
3位 竹村舞葉(SHIDO-WORKS)+2分13秒
2025-26ジャパンシクロクロス(JCX)シリーズ 第7戦
弱虫ペダルPresents松伏シクロクロス2025
開催日:2025年11月29日(土)
開催地:まつぶし緑の丘公園(埼玉県北葛飾郡松伏町大川戸2606-1)












