2025アーバンサイクリング世界選手権 BMXフリースタイル・フラットランドにて男女タイトル獲得
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UCI(国際自転車競技連合)主催の世界最高峰イベント「アーバンサイクリング世界選手権2025」が2025年11月5日〜8日の4日間にわたり、サウジアラビア・リヤドにて開催。 昨年のアブダビ大会に続き中東地域での連続開催となり、アジア圏における都市型自転車競技の発展を象徴する大会となった。
BMXフリースタイル・パークおよびフラットランドの2種目、男女あわせて世界28カ国・総勢106名のトップライダーが集結。世界王者の座を懸けた熱戦が繰り広げられた。
日本からは、パーク男子3名・女子2名、フラットランド男子1名・女子3名の計9名を派遣。いずれのカテゴリーでも決勝進出を果たし、フラットランドでは日本代表選手が見事タイトルを獲得した。

フラットランド男子は日本チャンピオン・片桐悠が金メダルを獲得した

フラットランド女子 戸高千翠が優勝、2位・本村果鈴、3位・吉村想花と日本が表彰台を独占した
パーク男子 技の難易度を上げた中村輪夢が惜しくも4位
中村輪夢が予選1位、準決勝1位で決勝へ進出し、2022年以来となる世界タイトル獲得を懸けて挑んだ決勝。 1本目は小さなミスがあり、予選時よりも得点を落として暫定4位で2本目へ。 2本目では、最初のビッグトリックにコンビネーションを加えたバックフリップを投入し、技の難易度を上げたが、オーバーローテーションとなり転倒。 惜しくも0.26ポイント及ばず表彰台を逃す結果となった。
しかし、予選から披露した持ち前のビッグトリックとエアーの高さは健在で、世界にその存在感を強く印象づけた。今回の大会は、11月に控えるワールドカップ最終戦日本大会へ向けて重要なステップとなり、再び世界王者を狙う中村にとって確かな手応えを得る機会となった。

大会リザルト パーク 男子
1位: Anthony JEANJEAN(フランス) 94.44ポイント
2位: Marcus CHRISTOPHER(アメリカ) 94.02ポイント
3位: Logan MARTIN(オーストラリア) 91.68ポイント
4位: 中村 輪夢 (ウィングアーク1st) 91.42ポイント
28位: 小澤 楓 (岐阜第一高等学校)
47位: 松本 翔海
パーク女子 小澤美晴は僅差で4位
小澤美晴は予選を3位で通過し、堂々の決勝進出。 1本目のランを終えた時点で3位につけ、表彰台を狙って挑んだ2本目では、直前に出走した中国のFAN選手が小澤の得点を上回り3位に浮上。
プレッシャーのかかる中で迎えた最終ランでは、得意のビッグトリックを成功させ、1本目を上回るスコアを記録したが、惜しくも僅差で4位に。 昨年初挑戦した世界選手権から大きく飛躍し、パリオリンピックのメダリストを複数抑える好成績を収めた。また、初出場となった吉田実央も、あと一名で決勝進出という健闘を見せ、今後の成長に期待が高まる大会となった。

大会リザルト パーク 女子
1位: SUN Sibei(中国) 95.86ポイント
2位: SUN Jiaqi(中国) 93.08ポイント
3位: FAN Xiaotong(中国) 92.10ポイント
4位: 小澤 美晴 (N 高等学校) 89.38ポイント
13位: 吉田 実央 (N 高等学校)
フラットランド男子は日本チャンピオン・片桐悠が優勝
男子フラットランドでは、片桐悠が日本チャンピオンとして臨んだ今大会、予選を首位で通過しながらも、決勝ではそのプレッシャーを一切感じさせない堂々たるパフォーマンスを披露。 自身のシグネチャートリックである「フルバイクフリップ」と「舞空術」を組み合わせた高難易度コンボを、極めて精度の高いコントロールで成功させ、圧巻のライディングで世界の頂点に立った。 ワールドカップでの優勝経験を有する片桐が、ついに世界の舞台で初の金メダルを掴み取った。

優勝した片桐 悠のコメント:
「去年は5位という悔しい結果で終わったのもあって今回優勝できたのは、自分にとってリベンジでもあったのですごく嬉しいです。 日本代表として、今大会の代表選手として選出されなかった選手の気持ちも背負って挑み、絶対に負けられないし、今回こそは優勝して帰りたいっていう気持ちが強かったです。」
大会リザルト フラットランド男子
1位: 片桐 悠 (GLOW) 91.00ポイント
2位: Jean William PREVOST(カナダ) 89.33ポイント
3位: Dustyn ALT(ドイツ) 86.00ポイント
フラットランド女子・戸高千翠が今年3つ目のタイトル獲得
決勝では、各選手がこれまで積み重ねてきた練習と経験を存分に発揮し、それぞれの個性を生かしたライディングを披露した。中でも圧倒的な存在感を放ったのが、細かなバイクセッティング調整を重ねてコンディションを万全に整え、決勝本番では狙い通りのトリックをすべてメイクした戸高千翠であった。難易度の高いコンビネーショントリックを流れるように繋げ、高い完成度でまとめ上げ、堂々の世界チャンピオンに輝いた。
戸高は今年開催された全日本選手権、アジア選手権においても優勝し、3つのチャンピオンジャージを獲得した。 2位には、いくつかのミスはあったものの、緊張感の中で最後まで果敢に攻める姿勢を貫いた本村果鈴が入賞。3位には吉村想花が入り、日本チームが昨年に続きチャンピオン獲得、そして表彰台を独占した。

優勝した戸高 千翠のコメント:
「今回の世界選手権では1番決めたかった技を決めて、優勝することができてとても嬉しいです。これからも、もっともっと会場を盛り上げられるように、たくさんの凄いトリックを練習して大会で決められるように頑張りたいです。応援ありがとうございました。」
大会リザルト フラットランド 女子
1位: 戸高 千翠 (lovejamcrew) 87.17ポイント
2位: 本村 果鈴 (motelworks) 78.67ポイント
3位: 吉村 想花 (セントヨゼフ女子学園高等学校) 76.67ポイント
大会名:UCI世界選手権大会-アーバンサイクリング BMX FREE・FLATLAND
開催日:2025年11月4日 〜 11月8日
開催地:サウジアラビア・リヤド











