シクロクロス欧州選手権2025 男子エリートはアールツが優勝
2025UECシクロクロス・ヨーロッパ選手権が、11月9日にベルギー北部西フランダース州のミドルカルクで開催され、地元ベルギーのトーン・アールツ(ロット)が、ゴールスプリントでディフェンディングチャンピオンのティボー・ネイス(バロワーズ・グローウィ・ライオンズ/ベルギー)を打ち負かし、2016年に続いて2度目のタイトルを獲得した。
3位にはヨーラン・ウィズール(アルペシン・ドゥクーニンク デヴェロップメントチーム)が入り、地元ベルギー勢が表彰台を独占した。
現在32歳のアールツは、2022年1月のアンチ・ドーピング検査で陽性になって2年間の資格停止処分を受け、2024年2月に復帰した。彼は昨シーズン、メジャー勝利こそなかったが、トップ5の常連で、今季ついに表彰台の中央へ帰ってきた。
砂丘の激闘
北海のシーサイド・リゾート地であるミドルカルクは、砂のエリアを攻略しなければならないコースだった。男子エリートは12カ国の26選手が出走。まだシーズンインすらしていない世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク/オランダ)は参加しなかった。
スタートから先頭で動き続けたのはベルギーのマイケル・ヴァントゥルノート(パウエルスサウゼン・アルテズインドゥストリーボーウ)で、全8周回の半分を走った所で先頭は彼とネイス、ウィズール、オランダのピム・ロンハール(バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)の4人になった。
唯一人オレンジのナショナルジャージを着ていたロンハールは5周目にアタックを試みたが成功せず、次の周回ではまずアールツが先頭に追いつき、英国のキャメロン・メイソン(アルペシン・ドゥクーニンク デヴェロップメントチーム)も合流した。
最終周回でも先頭グループから抜け出せる選手はなく、ゴール目前でネイスが連覇を狙ってアタックしたが、ベテランのアールツに最終コーナーで抜かれてしまった。最後はホームストレートに先頭で入ったアールツがスプリントで競り勝ち、涙の復帰勝利を果たした。
アールツは昨年シーズン、UCIシクロクロスチームのデシャフト・ヘンス・FSPに所属していたが、今年4月にUCIプロチームのロット(ベルギー)に移籍していた。
■再びヨーロッパチャンピオンになったアールツのコメント
「これをまた経験できるとは思っていなかった。9年前にポンシャトー(フランス)でヨーロッパチャンピオンになったが、その後、とても多くの事があった。第2の競技キャリアでこれをまた経験できるなんて信じられない。この数年間は信じられないくらい厳しいものだった。でも、ボクは常に前進を続けた。しばしば困難を乗り越えた。歳を取り、一緒に走っていた選手たちは引退していく。それでもボクは走り続けた。再びヨーロッパチャンピオンになるなんて、もう決して期待していなかったよ」
2025UECシクロクロス・ヨーロッパ選手権
[11月9日/ミドルカルク(ベルギー)]
■男子エリート結果[8周]
1. AERTS Toon (BEL) 58:40
2. NYS Thibau (BEL)
3. WYSEURE Joran (BEL) +0:03
4. RONHAAR Pim (NED) +0:04
5. MASON Cameron (GBR) +0:04
6. VERSTRYNGE Emiel (BEL) +0:12
7. HENDRIKX Mees (NED) +0:25
8. MICHELS Jente (BEL) +0:33
9. ORTS LLORET Felipe (ESP) +0:37
10. VANTHOURENHOUT Michael (BEL) +0:42
11. SWEECK Laurens (BEL) +0:47
女子エリートはオランダのファンデルハイデンが初優勝

男子アンダー23は今年1月のシクロクロス世界選でジュニア世界チャンピオンになったイタリアのマッティア・アゴスティナッキオが初優勝した (photo : UEC | Sprint Cycling Agency)

男子アンダー23の表彰台。左から2位のハーフェルディングス(オランダ)、初優勝したアゴスティナッキオ(イタリア)、3位のドブリュイックル(ベルギー) (photo : UEC | Sprint Cycling Agency)



















