ダウンヒルシリーズ2025 第7戦 SRAM PARKで土屋聖眞が今季6勝目

  • photo © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK(愛知県)が2025年10月4日(土)〜5日(日)に開催された。

愛知県瀬戸市にあるスラムパーク瀬戸。採石場跡地につくられた全長495m・標高差約50mのコースは、ほぼすべてがバームとジャンプで構成された人工的なコースだ。見通しが良く、スタート直後から見せ場のセクションまで観客がコース脇に並び声援を送る光景は、この会場の名物になっている。今年も100人のライダーが集結した。

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

バームが続く名物セクション © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

今回は3つの飲食ブースが出店した。レース後の腹ごしらえに美味しいものが食べられて最高! © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

 

昨年は春に開催されたが、今年は秋にシフト。涼しい気候でスタートまでの押し上げの辛さも半減するかと思いきや、金曜日の夜中から雨が降り出した。

「SRAM PARKでこんなに雨が降ったのは初開催(12年前)以来では?」と話題になるほど、しっかり降り続いた。お昼にかけてますます強くなり、1時間に9mmも降った。瀬戸焼の街らしく粘土質の土は水を含み、登り坂はツルツル。スタート地点への道はバイクを突き刺すと自立するほどの泥で、保護者が子どものバイクを押し上げ、子どもは登山ポールを使って登る姿も見られた。

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

どんな雨でも、若手ライダーたちは楽しそう © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

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全身ドロドロになりながらも立派に走り切った最年少ライダー © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

バイクもウエアも一気に高圧洗車でさっぱり © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

 

エリート男子予選は土屋聖眞(カトーサイクル/チーム波多野SP)が唯一の1分切り、59.012秒でトップタイム。2位には1分00.115秒で幾田悠雅(輪娯館/vittoria/FOX)、3位には1分01.577秒で淺野善亮(CIVREL Homies)が続いた。

決勝日は雨が降ったりやんだりの空模様。ただ、前日より雨量は少なく、水はけの良い瀬戸の土は「もはやベストコンディションに近い」とスラムパーク管理人の波多野さんが話すほどに回復。それでもスタート直後の林間エリアだけは乾かず、転倒者が続出。シーディングランで2位だった幾田もウエアを泥まみれにしながら、練習を繰り返していた。

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雨が弱まった日曜日はベストコンディション。瀬戸の土は水捌け抜群 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

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雨が止んだ日曜日も、スタート直後の林間セクションは乾かず。転倒者が相次いだ © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

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林間セクションの出口に大人も子どもも苦戦していた © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

 

そして迎えた決勝。「どうかこのまま雨が止んでいてほしい」と誰もが願うなか、レースがスタート。53.939秒で、土屋聖眞がシーディングランからの完全優勝を決めた。2位には55.402秒で田中航太、3位には56.652秒で朝倉佑太が入った。17歳、20歳、20歳というフレッシュなトップ3となった。

フィニッシュ後には、恒例となっているスラムパークローカルたちによる胴上げが行われ、会場は大盛り上がり。勝たなければいけないホームコースでしっかりと優勝を決めた土屋。しかしその直後、驚きの声が上がった。土屋のバイクはチェーンが外れていたのだ。まるでマウンテンバイクワールドカップ、オーストリア・レオガン大会で“チェーンレス優勝”を果たしたアーロン・グウィンを彷彿させる勝利だった。

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

エリート男子クラス優勝の土屋聖眞。この時にはすでにチェーンが外れていた © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

 

土屋はレース後、こう語った。
「スタート直後の森のセクションを抜けるか抜けないかでチェーンが落ちてしまいました。でも、”なんとかなるっしょ”と思って走り切りました。スラムパークの雨はあまり経験がなく、慣れるのに時間がかかりました。トラブルもありましたが、落ち着いてプッシュできたのが勝因かなと思います。」と話してくれた。

これで土屋は、今シーズンのDOWNHILL SERIES 7戦のうち出場した6戦すべてで優勝。残り2戦でどこまで連勝を伸ばすのか楽しみだ。

エリート女子は一人だけの出走だったが、15歳の藤森美空が優勝。全クラス総合のリザルトでも100人中23位という素晴らしいタイムを刻んだ。

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

エリート女子クラス優勝の藤森美空 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

 

2025 #7 SRAM PARK エリート男子リザルト
1位 土屋聖眞(カトーサイクル/チーム波多野SP)53.939
2位 田中航太(myX/trailadventure)+1.463
3位 朝倉佑太 +2.713

2025 #7 SRAM PARK エリート女子リザルト
1位 藤森美空(カミハギサイクル/Muc-off)1:01.948

 

DOWNHILL SERIES 2025 #7 SRAM PARK

集合写真 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

 

次戦は11月8日(土)〜9日(日)#8 安曇野市マウンテンバイクコースでの開催予定。安曇野大会のコースはシリーズ史上初めて「DOWNHILL SERIES – HARD LINE – 」と呼ぶほどのハードコース。

現在、絶賛エントリー募集中。
https://dhseries.jp/2025-8-azuminocitymtbcourse/