ダウンヒルシリーズ2025 第6戦 富士見パノラマリゾートは土屋聖眞が優勝
DOWNHILL SERIES 2025 #6 富士見パノラマリゾート(長野県)が9月6日(土)〜7日(日)に開催された。
全国各地に線状降水帯なども発生し、大荒れとなった日本列島。大会前日の金曜日、台風直撃かと思われたが、幸いにも長野県南部の午前中は激しい雨に見舞われたものの夕方には太陽が顔を出し、土曜日は朝から快晴。気温もぐんぐん上昇し、絶好のレース日和となった。

会場にはたくさんのブースが並んだ ©️Noriyasu KATO
コースセッターは、今年もDOWNHILL SERIESスタッフの新沢タケオ。スタートは昨年に続き中間池から。従来は旧Aコースをトレースするだけだったが、今回は会場の特別許可を得て森を切り開き、新たなラインを追加。新セクションは左右に大きく振りを入れ、トレイルライドのようなリズム感を演出。その後、再び旧Aコースに合流することで、高速で危険な箇所にスピードを落とした状態で進入できるよう設計した。そこからはお馴染みの旧B下ルーツセクション、そして川越えジャンプへと続く。
コース各所にオフキャンバーや木の根を多く取り入れることで、全体として難易度はアップ。距離2.4km、標高差445mのチャレンジングなレーストラックとなった。

スタート地点から走り出すライダー ©️Noriyasu KATO

川越えジャンプは大盛り上がりの観戦スポット ©️Noriyasu KATO
シーディングランでは、幾田悠雅(輪娯館/vittoria/FOX)が2位に11秒差をつけ圧巻のトップタイム。2位には田中航太(myX/trailadventure)、3位に金子匠(SPECIALIZED)が続いた。
日曜日も朝から快晴。乾いた路面と濡れた路面が入り混じる難しいコースコンディション。
勝利をつかんだのは土屋聖眞(カトーサイクル)。7月末に左手薬指を骨折し、シーディングでは14位に沈んでいたが、決勝では圧巻の走りを披露。
「握り方によってはまだ痛みがあり、工夫して走りました。練習だと4分くらいしか出ていなかったのですが、乾いていない箇所もあったので慎重に行きました。一瞬転びかけたところもあったのですが、なんとか耐えて勝てました。新設セクションはふかふかで楽しく、幾田(悠雅)に勝ててうれしいです。今シーズン参戦したレースは全勝できています。次戦は地元スラムパークなので、連勝を狙います」
2位は幾田悠雅。「勝てると思ったけど、何かが足りなかったですね・・・」と振り返った。
3位の井本はじめは「今回のコースは超ハイリスク・ハイスピード。滑るコーナーもあって、突っ込んだら終わり。ペダリングも多く、どんどん疲れて、どんどんコントロールが甘くなって、本当にやばかった。生きててよかった!」と笑顔でコメント。清水一輝も「過去一番難しいコースだった」と語った。

エリート男子クラス優勝の土屋聖眞 ©️Noriyasu KATO

「勝つには何かが足りなかった・・・」と話した幾田悠雅 ©️Noriyasu KATO
エリート女子には、全日本王者3人が揃う豪華な顔ぶれ。エリートの末政実緒、ジュニアの原つばさ、ユースの藤森美空(KAMIHAGI cycle/Muc-Off)。三つ巴を制したのは最年少の藤森美空だった。
「全日本より緊張しました。むしろ今日が全日本みたいでした。後半は根っこだらけでツルツル、みんな転んでるし、ラインもバラバラ。でも、海外並みの声援が楽しくて笑っちゃいました。楽しかった!」と話した。

全日本チャンピオンが3人揃ったエリート女子クラス優勝の藤森美空 ©️Noriyasu KATO

長野県で開催される大会のコースマーシャルは松本情報工科専門学校スポーツバイシクル学科の学生たちがインターンとしてお手伝いをしてくれている。全日本選手権を含めると1年で4大会、マーシャルというプレッシャーのかかる業務を務めてくれる、なくてはならないパートナー。 ©️Noriyasu KATO
今大会の参加者は186名。小学生21名、12〜19才71名、20代24名、30代18名、40代23名、50代28名、60代2名と幅広い世代が集結した。
今大会はエントリー段階で「他会場以上に距離・スピード・セクション難度が高い」ことを告知し、十分対応できるライダーのみを参加対象としたちょっと特別なレース。ブース出展は20を超え、ゲレンデ下に入りきらないかと思うほどだった。日本マウンテンバイク界の聖地・富士見パノラマリゾートでの一戦は、ライダー・出展者・観客すべてにとってやはり特別なものだ。
次戦は10月4日(土)〜5日(日)、愛知県スラムパークで第7戦を開催する。現在エントリー受付中!

エリート男子 リザルト
1. 土屋聖眞(カトーサイクル)3:47.583
2. 幾田悠雅(輪娯館/vittoria/FOX)+0.978
3. 井本はじめ(Santacruz)3.116

エリート女子 リザルト
1. 藤森 美空(KAMIHAGI cycle/Muc-Off)4:27.773
2 原 つばさ(iRC/Hakuba Hospitality group)+6.803
3 末政 実緒(SANTA CRUZ)+10.663

©️Noriyasu KATO











