ブエルタ・ア・エスパーニャ2025 超級頂上ゴールの第20ステージはラ・ロハのヴィンゲゴーが優勝

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  • photo UNIPUBLIC / SPRINT CYCLING AGENCY / Cxcling

スペインで開催中の第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月13日にロブレド・デ・チャベラから標高2251mでカテゴリー超級のボラ・デル・ムンド頂上までの165.6kmで、今年最後の山岳区間となる第20ステージを競い、総合リーダージャージのラ・ロハを着たデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)が今大会3勝目を上げ、総合初優勝に王手をかけた。
 

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フィニッシュラインでガッツポーズを見せたラ・ロハのヴィンゲゴー (photo : Unipublic/Rafa Gómez/Sprint Cycling Agency)

 
区間2位は11秒遅れで米国のセップ・クス(チームヴィスマ・リースアバイク)、3位は13秒遅れでオーストラリアのジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。

 
抗議デモがコースに乱入

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(photo : Unipublic / Cxcling / Antonio Baixauli)

 
第20ステージは最後のボラ・デル・ムンドの上りが始まる前に、パレスチナを支持する抗議者たちがコースに入り込んで一時騒然となったが、レース展開に影響は出なかった。

ボラ・デル・ムンドは逃げ集団から生き残った地元スペインのミケル・ランダ(スーダル・クイックステップ)とイタリアのジューリオ・チッコーネ(リドル・トレック)が先頭で上り続けたが、2人は残り3kmに入った所で、山岳賞ジャージを着たオーストラリアのジェイ・ヴァイン(UAEチーム・エミレーツ)が引くラ・ロハの集団に吸収された。
 

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最後まで逃げ続けたランダとチッコーネは残り3kmで捕まった (photo : Unipublic / Cxcling / Antonio Baixauli)

 
ヴァインは仕事を終え、先頭はポルトガルのジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ)、ラ・ロハのヴィンゲゴー、ヒンドリー、英国のトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)、クスの5人になり、米国のマシュー・リッチテッロ(イスラエル・プルミエテック)がこの精鋭グループからわずかに遅れていた。

新人賞ジャージを着ていたイタリアのジュリオ・ペッリツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は、既にゴールまで残り6.7kmでラ・ロハの集団から遅れていて、リッチテッロには総合の順位を上げて新人賞ジャージを獲得するチャンスが訪れていた。

先頭ではヒンドリーが攻撃を続け、ヴィンゲゴーが応戦したが、2人で抜け出すまでは行かなかった。最後は20%の勾配になった残り1.2kmでラ・ロハのヴィンゲゴーがアタックを決め、そのまま独走でフィニッシュラインに飛び込んだ。これで彼のブエルタ区間通算優勝数は5勝になった。

リッチテッロは24秒遅れの区間6位と健闘し、ペッリツァーリを抜いて総合5位になり、最終日前日に新人賞の白いリーダージャージを獲得する事ができた。
 

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デンマークのヴィンゲゴーが総合初優勝に王手をかけた (photo : Unipublic/Sprint Cycling Agency)

 
■ボラ・デル・ムンド区間を制して総合初優勝に王手をかけたヴィンゲゴーのコメント
「もちろん、ビルバオとアングリルでも勝ちたかった。でも、ボラ・デル・ムンドも特別だ。正直言って、今日は少し調子が良いと感じてスタートしていた。前回の頂上ゴールよりも良かったから、今日は自分にとって物事が好転し、チームが3週間やってきた事に満足している。チームは素晴らしかったし、彼らなしではやり遂げられなかった。

アルメイダとヒンドリーのペースに付いていくのが楽だったとは言えないが、少なくともまだ自分の限界には達していないように感じていた。だから区間優勝する良いチャンスだと感じた。あるポイントで、今トライしよう、と決めて、すぐに差を付ける事ができた。それから最後の数100mは信じられないくらいハードだった。明日もあるが、普通は何も変わらない。願わくばこの状態を維持して、ラ・ロハを着てゴールしたいね」


■第20ステージ結果

[9月13日/ロブレド・デ・チャベラ~ボラ・デル・ムンド – プエルト・デ・ナバセラダ/165.6km]
1. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 03h 56′ 23”
2. S. KUSS (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 11”
3. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 13”
4. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 00′ 18”
5. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 22”
6. M. RICCITELLO (ISRAEL – PREMIER TECH / USA) + 00′ 24”
7. J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS) + 00′ 47”
8. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 01′ 11”
9. J. LECERF (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 01′ 22”
10. X. PICKERING (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR) + 01′ 30”
16. G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 02′ 50”

■第20ステージ後の総合成績(ラ・ロハ)
1. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 72h 53′ 57”
2. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 01′ 16”
3. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 03′ 11”
4. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 03′ 41”
5. M. RICCITELLO (ISRAEL – PREMIER TECH / USA) + 05′ 55”
6. G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 07′ 23”
7. S. KUSS (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 07′ 45”
8. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / CAN) + 07′ 50”
9. T. TRÆEN (BAHRAIN VICTORIOUS / NOR) + 09′ 48”
10. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 12′ 16”

[各賞]
■ポイント賞 : M. PEDERSEN (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞 : J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS)
■新人賞 : M. RICCITELLO (ISRAEL – PREMIER TECH / USA)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES XRG (UAE)
■敢闘賞 : M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP)
 

最終日前日に新人賞総合首位に立った米国のリッチテッロ。渦中のチームがマドリードの表彰台に上がる事になった (photo : Unipublic/Sprint Cycling Agency)


最終日は首都マドリードのサーキットコース

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●第21ステージのコースプロフィール (MAP : UNIPUBLIC)

 
9月14日の最終日は、マドリード郊外のアラルパルドをスタートし、マドリード市街地のサーキットコースでゴールする111.6kmで。平坦区間の第21ステージが行われる。
 

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(photo : Unipublic / Cxcling / Antonio Baixauli)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

J SPORTS ブエルタ・ア・エスパーニャ2025 全21ステージ独占生中継&LIVE配信