ブエルタ・ア・エスパーニャ2025 短縮した個人ＴＴの第18ステージはガンナが優勝
スペインで開催中の第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）は、9月11日にバリャドリードで個人タイムトライアルの第18ステージを競い、イタリアＴＴチャンピオンのフィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）が、平均時速56.2km/hで区間優勝した。
イタリアＴＴチャンピオンのガンナが個人ＴＴを制した (©SprintCycling)
ガンナは2023年のブエルタでも個人タイムトライアルで優勝していて、これが２回目の区間優勝だった。彼のグランツールでの個人タイムトライアル優勝回数は８回になった。
区間2位はたった1秒差で山岳賞ジャージを着たオーストラリアのジェイ・ヴァイン（ＵＡＥチーム・エミレーツ）、区間3位は8秒差でポルトガルのジョアン・アルメイダ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）だった。
総合リーダージャージのラ・ロハを着たデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー（チームヴィスマ・リースアバイク）は、18秒差の区間9位になり、総合首位の座を守った。しかし、総合2位のアルメイダにはタイムを10秒縮められ、総合でのタイム差は40秒になってしまった。
第18ステージの個人タイムトライアルは当初27.2kmのコースで行われる予定だったが、連日続くパレスチナを支持する抗議デモへの対策として、半分以下の12.2kmに短縮された。
得意ではない平坦ＴＴで善戦して総合首位を守ったヴィンゲゴー (©SprintCycling)
■区間優勝したガンナのコメント
「ホットシートで待っていたこの3時間は、バイクに乗っているよりもずっと苦しめられたと思うよ（笑）。前半は正しいリズムを見つけられなかったが、後半は数字やら何やらは考えずにプッシュした。今日は本当に嬉しい。最終週は我々にとって本当に良いスタートになったが、まだ終わってはいない。我々には最高を目指して戦う数日がまだ残っている。
ツール・ド・フランスでの大落車の後、バイクに戻るのは簡単ではなかった。バイクに乗るたびに自分のコンディションを改善するため、より良い状態になるように日々最善を尽くした。ブエルタでの最初の２週間の間にたくさんの上りをこなした脚で、我々は今日に到着し、それは簡単ではなかった」
■総合首位を守ったヴィンゲゴーのコメント
「今日の結果にはとても満足できると思う。こういった平坦なタイムトライアルは、より大柄な選手に向いている。だからこういうタイムトライアルを良く走れたのは自分にとって良い事だと思う。今までタイムトライアルで平均時速55km/hなんて出した事はなく、今日の自分のパフォーマンスには満足できると思うよ。
残り2ステージでまだリードしていて、今は明日と明後日に集中しなければならない。2日とも厳しい日になるだろうから、集中し続ける必要がある。とても自信はある。今日はボクにとって良い日だったから、いずれ分かるよ」
ガンナのグランツールＴＴ区間優勝は８勝になった (©SprintCycling)
■第18ステージ結果
［9月11日／バリャドリード～バリャドリード／12.2km］
1. F. GANNA (INEOS GRENADIERS / ITA) 00h 13′ 00”
2. J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS) + 00′ 01”
3. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 08”
4. B. ARMIRAIL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) + 00′ 10”
5. I. OLIVEIRA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 11”
6. S. KÜNG (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 00′ 12”
7. K. O’BRIEN (TEAM JAYCO ALULA / AUS) + 00′ 15”
8. A. SEGAERT (LOTTO / BEL) + 00′ 16”
9. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 18”
10. D. HOOLE (LIDL-TREK / NED) + 00′ 19”
22. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 00′ 29”
23. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 32”
■第18ステージ後の総合成績（ラ・ロハ）
1. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 65h 07′ 13”
2. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 40”
3. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 02′ 39”
4. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 03′ 18”
5. G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 04′ 19”
6. M. RICCITELLO (ISRAEL – PREMIER TECH / USA) + 05′ 17”
7. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / CAN) + 05′ 20”
8. S. KUSS (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 07′ 26”
9. T. TRÆEN (BAHRAIN VICTORIOUS / NOR) + 07′ 42”
10. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) 10′ 19”
［各賞］
■ポイント賞 : M. PEDERSEN (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞 : J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS)
■新人賞 : G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES XRG (UAE)
第19ステージは平坦区間
●第19ステージのコースプロフィール (MAP : UNIPUBLIC)
今年のブエルタも残り3ステージ。9月12日はスペイン北西部カスティージャ・イ・レオン州のルエダからギフエロまでの161.9kmで、山岳ポイントのない平坦区間の第19ステージが行われる。翌日にはカテゴリー超級のボラ・デル・ムンド区間が控えているため、総合を争う選手たちにはつかの間の休息になるだろう。
抗議デモへの対策で個人ＴＴは12.2kmに短縮された (©SprintCycling)
