ブエルタ・ア・エスパーニャ2025 フランスでゴールした第4ステージはターナーが優勝、ゴデュが総合首位
イタリアで開幕した第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月26日にイタリア北西部のスーザからフランス南東部のヴォアロンまでの206.7kmで中級山岳区間の第4ステージを競い、英国のベン・ターナー(イネオス・グレナディアズ)が集団ゴールスプリントを制し、26歳でグランツール区間初優勝を果たした。
区間2位はベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)、3位はベルギーのエドワード・プランカールト(アルペシン・ドゥクーニンク)だった。
総合は第3ステージでデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)とフランスのダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)が同タイムになり、3ステージの区間順位の合計が8位上回っていたヴィンゲゴーが首位の座を守ったが、第4ステージはゴデュが区間25位、ヴィンゲゴーが区間42位だったため、ゴデュが9位上回って総合首位に立ち、故郷フランスで初めてグランツールの総合リーダージャージを着る栄誉を得た。
国境を越えてフランスでゴール
開幕地となった北イタリアでの3ステージを終え、第4ステージはスペインへと移動する前に、国境を越えてフランスへとゴールする特別な一日になった。181選手が出走し、前半はアルプス山脈を越えてフランスに入った。最初の峠で5人が逃げ出し、そこに加わっていたスペインのジョエル・ニコラウ(カハルラル・セグロスRGA)が3カ所の峠でポイントを稼ぎ、山岳賞総合首位になった。
逃げはゴールまで残り91kmで吸収され、残り32.3kmにあった中間スプリントで総合2位のゴデュがボーナスタイムを狙ったが失敗した。ここを先頭で通過してポイントを稼いだデンマークのマス・ピーダスン(リドル・トレック)は、ポイント賞で総合首位になり、グリーンのリーダージャージを獲得した。
最後は第1ステージで優勝したフィリプセンが、プランカールトのリードアウトで区間2勝目を狙ったが、連携がうまくいかずにターナーに追い越されてしまった。サプライズな区間初優勝を果たしたターナーは、7月のツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)開幕直前にチームのジャージパートナーになったフランスのトタルエネルジーのロゴを手で示していた。
■グランツール区間初優勝したターナーのコメント
「正直、何と言えばいいのか分からない。クレイジーな1週間だ。本当にクレイジーだよ! ブエルタには来たかった。チームはボクをレニューイ・ツールに送ったが、その後で彼らはボクが(ブエルタに)必要だと言ったんだ。もちろんハイと答えたよ。こういうレースに出るためなら何だってする。
最初のスプリントでチェーンが外れてしまった後は打ちのめされた。でも今日は本当に自分を信じていた。1日中本当に調子が良いと感じていた。何と言えばいいかわからないが、ただチームメイトたちに感謝する。このレースは素晴らしい雰囲気だった。彼らは本当に素晴らしい。この数週間は信じられないもので、ポーランドで勝って今はここに居る。最高のチームメートが一緒に居て、ボクがやらなければならない事を本当に信じてくれた。完璧だった。最後の数mはとても長かった…素晴らしいよ」
■第4ステージ結果
[8月26日/スーザ(イタリア)~ヴォアロン(フランス)/206.7km]
1. B. TURNER (INEOS GRENADIERS / GBR) 04h 50′ 14”
2. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
3. E. PLANCKAERT (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
4. E. VERNON (ISRAEL – PREMIER TECH / GBR)
5. J. BIERMANS (ARKEA-B&B HOTELS / BEL)
6. M. PEDERSEN (LIDL-TREK / DEN)
7. F. CHRISTEN (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / SUI)
8. O. AULAR SANABRIA (MOVISTAR TEAM / VEN)
9. G. SILVA COUSSAN (CAJA RURAL-SEGUROS RGA / URU)
10. N. BURATTI (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
25. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA)
42. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN)
■第4ステージ後の総合成績(ラ・ロハ)
1. D. GAUDU (GROUPAMA-FDJ / FRA) 15h 45′ 50”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN)
3. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 00′ 08”
4. E. BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 00′ 14”
5. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 00′ 16”
6. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 16”
7. S. BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 00′ 16”
8. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 16”
9. S. KUSS (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 16”
10. J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 00′ 16”
[各賞]
■ポイント賞 : M. PEDERSEN (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞 : J. NICOLAU BELTRAN (CAJA RURAL-SEGUROS RGA / ESP)
■新人賞 : J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP)
■チーム成績 : TEAM VISMA | LEASE A BIKE (NED)
■敢闘賞 : S. QUINN (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
第5ステージはスペインへ移動してチームTT
イタリアでの開幕ステージを終えたブエルタ一行は、空路でスペイン北東部カタルーニャ州へと移動し、8月27日はフィゲレスでチームタイムトライアルの第5ステージが行われる。距離は24.1kmでコースは平坦だ。総合首位のゴデュとヴィンゲゴーのチームは、すでに落車でそれぞれ1人の選手を失っていて、7人で戦わなければならず、それがチームタイムトライアルにどう影響するのかが注目される。

















