クラシカ・サンセバスティアン2025 でイタリアのチッコーネが初優勝
8月2日にスペイン北部のバスク地方で、ＵＣＩワールドツアーの第44回クラシカ・サンセバスティアン（ドノスティア・サンセバスティアン・クラシコア）が開催され、イタリアのジューリオ・チッコーネ（リドル・トレック）が独走で逃げ切り、30歳で初優勝した。
イタリアのチッコーネが辛くも逃げ切って初優勝した (©SprintCycling)
2位は9秒遅れでスイスのヤン・クリステン（ＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧ）、3位は19秒遅れの小集団でのゴールスプリントを制したベルギーのマキシム・ヴァンヒルス（レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）が入った。
終盤のムルギル・トントラから独走
第44回大会はカテゴリーの付いた峠が１カ所減って６カ所になり、最後の峠はピロテギ峠からムルギル・トントラ峠（カテゴリー2）に戻った。開幕前に優勝候補として名前が上げられていたのは、１週間前にツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）を走り終えたベテランのプリモシュ・ログリッチ（レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）や英国のオスカー・オンリー（チーム ピクニック・ポストＮＬ）、地元スペインのフアン・アユソ（ＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧ）、メキシコのイサーク・デルトロ（ＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧ）だった。
レース後半、カテゴリー１で今大会の最難関だったエルライツ峠の上りが始まった時、ログリッチがアタックして集団はバラバラになった。しかし、彼の支配は山頂まで続かなかった。後続から先頭グループに合流したデルトロが山頂通過後にアタックした時、付いていけたのはチッコーネだけだった。ゴールまで残り11kmで最後のムルギル・トントラ峠の坂がスタートした時、2人は追走グループに49秒差を付けていた。
終盤アタックしたデルトロにチッコーネだけが付いていった (©SprintCycling)
2.1km続くムルギル・トントラ峠の中腹で追走グループからクリステンがアタックし、2人を追い越して先頭に出た。クリステンのチームメイトであるデルトロはここで力尽きたが、チッコーネはクリステンの攻撃を許さず、逆に追い抜いて再びレースの先頭に立った。チッコーネは残り8kmの山頂でクリステンに30秒差を付けていた。
サンセバスティアンのゴールへと向かう下り坂でその差は10秒にまで縮められたが、チッコーネは何とか逃げ切り、山岳クラシックのタイトルを手中に収めた。イタリアの選手がクラシカ・サンセバスティアンで優勝したのは、2003年のパオロ・ベッティーニ以来で、実に22年ぶりだった。
■初優勝したチッコーネのコメント
「これは特別だと思う。ジロでの落車の後、同じやる気を持ち続けるのは簡単ではなかった。精神的に本当に辛い時期だった。２週間休んでから、以前より強くなって復帰する時だと気が付いた。チームとチームメイトたちに感謝しなればならない。彼らは本当にボクを後押ししてくれた。正直言って、今日勝てるとは期待していなかった。でも、この脚があり、ジロで落車する前と同じ調子だったから本当に嬉しい」
クラシカ・サンセバスティアン2025の表彰台。左から2位のクリステン、初優勝してチャペラをかぶったチッコーネ、3位のヴァンヒルス (©SprintCycling)
■第44回クラシカ・サンセバスティアン結果
［8月2日／サンセバスティアン～サンセバスティアン／ＵＣＩワールドツアー／211.4km］
1. Giulio Ciccone (Lidl-Trek / ITA) 05:05:33
2. Jan Christen (UAE Team Emirates-XRG / SUI) + 00:09
3. Maxim Van Gils (Red Bull-BORA-hansgrohe / BEL) + 00:19
4. Tiesj Benoot (Team Visma | Lease a Bike / BEL) + 00:19
5. Isaac Del Toro (UAE Team Emirates-XRG / MEX) + 00:19
6. Neilson Powless (EF Education-EasyPost / USA) + 00:19
7. Lucas Plapp (Team Jayco-AlUla / AUS) + 00:21
8. Christian Scaroni (XDS Astana Team / ITA) + 01:09
9. Cian Uijtdebroeks (Team Visma | Lease a Bike / BEL) + 01:10
10. Xandro Meurisse (Alpecin-Deceuninck / BEL) + 02:01
◆J SPORTS「クラシカ・サンセバスティアン」特設サイト
