2025全日本選手権MTB XCO/XCC 沢田時と川口うららが2種目制覇!
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第38回全日本自転車競技選手権大会マウンテンバイク XCO/XCCが、2025年7月19日(土)〜20日(日)に菖蒲谷森林公園(兵庫県)で行われた。
全日本選手権初開催となった会場は、地元MTBライダー有志がコース管理や整備を行い、今大会に向けて新たなセクションも造成。エリートはXCC(クロスカントリー・ショートトラック)、XCO(クロスカントリー・オリンピック)ともに沢田時(宇都宮ブリッツェン)と川口うらら(TEAM TATSUNO)が優勝した。

XCO男子エリートで連覇を達成した沢田 時(宇都宮ブリッツェン)
DAY1 XCC:地元川口の快走と、沢田と北林の首位攻防に会場が沸いた
この日は午前中に8カテゴリーのXCCを行い、午後からXCO試走と男子ユース/マスターズの決勝を行なうという、ハードなスケジュール。
9時40分にスタートした女子エリートは、滑りやすい砂利の路面をうまくコントロールした川口がリード。それを石田唯(TRK Works)が追う展開。会場の近く出身で子供の頃から走り慣れたコースだけに、力むことなくハイペースを維持。終盤にはペースを抑えながらも後続との差を維持して石田に13秒58差で優勝。3位には、前日の全日本選手権DHで優勝した末政実緒(SANTA CRUZ)が入った。

「たつの市政施行20周年記念」として行なわれた今大会。山本実たつの市長とハイタッチを交わす川口

追う石田との差をコントロールするほどの余裕を見せ優勝した川口
続く男子エリートは、オープニングラップを高橋翔(SPEED of sound)が取ったものの、沢田、北林力(Massi Development Team)、竹内遼(MERIDA BIKING TEAM)、少し遅れて平林 安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM)がピタリとマーク。
2周目からは沢田が先行。やがて北林とのマッチレースとなったが、レース巧者の沢田は北林の得意不得意を冷静に観察。最終ラップのホームストレートで北林を置き去りにして、この種目連覇を達成した。

1周目を終えた時点で首位の高橋だが、ホイールtoホイールで沢田と北林がつける

「今年(クップ・ドュ・ジャポンMTB)は勝ててませんが、(北林)力との勝負は楽しかったし、勝てて良かったです」と沢田
●XCCエリート リザルト

女子エリート(3.30km×7laps)
1. 川口うらら(TEAM TATSUNO)15:11.46
2. 石田 唯(TRKWorks)+13.58
3. 末政実緒(SANTA CRUZ)+1:37.66

男子エリート(3.30km×8laps)
1. 沢田 時(宇都宮ブリッツェン)14:27.09
2. 北林 力(Massi Development Team)+7.22
3. 平林安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM)+13.26
●ジュニア/マスターズ結果

男子ユースは横山拓生(高知CTC)が今泉蒼人(Q-SHU UNION CJ UNIT)を39秒差で下し優勝

終始安定したレース運びで女子ユースを制した小林碧(AX MTB team)

女子ジュニアは寺本彩玖子(and more)のみの出走だった

2周回で行なわれた女子マスターズの優勝は北島裕子(パワースポーツ シック)

ホームコースで野嵜を破った松山海司。3位にはジュニア1年目の中仙道侑毅

男子マスターズ。左から國井豊(50+)、大賀道博(40+ )、岡本(35+)の各勝者

岡本は世界選3位のプライドで、昨年、山本和弘に奪われた総合1位を奪還

勤務先の体制変更もあり多忙だという山本(CANNONDALE)だったが総合4位で40+優勝を果たした

2018年以来の全日本選手権参戦を果たした小野寺健。最後尾から追い上げ2位入賞

男子ユースはスタートから北津留新羽(Team Q-Max)がリードする

男子ユース表彰台。2位に郷津輝(Dream Seeker Jr. Racing)、3位横田壮一郎(Fine Nova LAB)

男子マスターズの各年代優勝者。左から40+山本、60+酒居良和(マウンテン☆ポテト)、50+吉元健太郎(チーム鳴木屋)、35+岡本

マスターズXCCは、昨年に続き岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING)が優勝
DAY2 XCO:川口うららが地元でエリート初優勝! 男子は沢田が連覇
2日目も、朝8時15分から競技開始。7月14日にJCFが公示した「熱中症対策ガイドライン」に基づき、周回数の変更なども想定されたが、全カテゴリー、当初の周回数で実施された。
最初の男子U23は、昨年の1、2位による戦いが再現。スタート前は「相当緊張していた」という副島達海(TRK Works)が、一度は高橋翔に先行を許したものの、得意の上りで追いつくと一気に抜き、終盤は高橋のペースが落ちたこともあり1分36秒差で優勝。
ジュニアは、前日のXCC最終ラップで松山海司(Sonic Racing)に破れた野嵜然新(RACING TORQUE)が、スタートループから猛ダッシュをみせて優勝。3位にはXCCと同じく中仙道侑毅(FUKAYA RACING)。

いつも笑顔の副島だが、連覇へのプレッシャーは大きかったようで、フィニッシュのポーズをやり直した

海外遠征でスケールアップした野嵜。インターハイ・ロードレースでの勝利も宣言
時差スタートながら混走となったXCO女子カテゴリー。エリートは、スタートから10mで後続に2車身近いリードを築くと、XCC同様のハイペースでラップ。一度は石田を先行させたものの、すぐに順位を戻すとその後はリードを広げ4分近い大差でフィニッシュ。エリートXCO初のタイトルを獲得。また3位に末政実緒が入り、DHと合わせて出場した全種目で入賞という快挙。

ピンクのTシャツを着たサポーターの応援を受け、ホームストレートを加速するうらら

川口の隙をついて一度は首位に立った石田だが、コースを熟知した川口のペースが勝った

リハビリ中の左腕にかかる負担はDH以上のはずだが、最後まで耐え抜いた末政が3位
最終種目のXCO男子エリートは、気温も30℃を超える中スタートループ+6周回で行なわれた。
長い上りのスタートからトップに立ったのは平林安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM)。下りが強い平林を先頭に沢田、北林が続くが、平林がペースダウンして、XCC同様、沢田と北林が首位争い。レース前「(北林)力ほど下りが得意ではない」と語っていた沢田だが、攻めるところは攻め、じわじわと差を広げていく。暑さが苦手な北林も必死に追走したものの、最終ラップに入った時点で1分近い差をつけられてしまう。
後ろとの差を確認しながらもペースを落とさなかった沢田が春のクップ・ドュ・ジャポンMTBに続き庄谷を制覇。3位には終盤に松本一成(TEAM RIDE MASHUN)をかわした竹内が入賞。

男子エリートのスタート。平林安里を先頭に79人が長い上り坂を駆け上がっていく

「菖蒲谷の下りは苦手」といいながらも隙のないライン取りでアドバンテージを築いた沢田

「昨日は悔しかったから、XCOは勝ちたい」と言っていた北林。毎周ごとにかけ水を浴びながら沢田を追う

3周目に3位に浮上した竹内遼は、最終ラップこそペースダウンしたものの表彰台を獲得
エリートXCOリザルト

女子エリート(2.1km+3.3km×4Laps=15.30km)
1. 川口うらら(TEAM TATSUNO)1:06:56.39
2. 石田 唯(TRKWorks)+3:55.30
3 .末政実緒(SANTA CRUZ)+12:14.44

男子エリート(2.1km+3.5km×6Laps=23.10km)
1. 沢田 時(宇都宮ブリッツェン)1:26:45.94
2.北林 力(Massi Development Team)+1:07.12
3.竹内 遼(MERIDA BIKING TEAM)+6:27.61
●ジュニア/マスターズ結果

女子アンダー23。日吉愛華(中京大学/Teamまるいち)をピタリとマークする北都留千羽(Q-Max)

ロード、トラック、シクロクロスと参戦中の石川七海が優勝

大会前「彩華ちゃんに勝ちたい」と言っていた有松鈴々菜(Q-MAX)がユース優勝

XCCと同じ顔ぶれが並んだ男子ジュニア表彰台

副島達海はアンダー23で負けなし。来季はエリートに挑む

チャンピオンジャージはないものの、年々レベルアップしている女子ユース

ジュニア1年目で優勝した石川七海。2位寺本は母娘で表彰台を獲得

女子アンダー23表彰台。2位の北津留千羽は今期からガールズ競輪デビュー

女子マスターズ表彰台。寺本麻衣(and more)は5月のクップ・ドュ・ジャポンMTBに続く優勝
■大会名:第38回全日本自転車競技選手権大会-マウンテンバイク クロスカントリー・オリンピック、ショートトラック
■ 開催日:2025年7月19日(土)〜20日(日)
■ 開催地:兵庫県たつの市 菖蒲谷森林公園たつの市政施行20周年記念特設会場
■ 主催:公益財団法人日本自転車競技連盟
■ 主管:龍野マウンテンバイク協会
■ 後援:公益財団法人JKA、一般社団法人MTBリーグ、たつの市、たつの市教育委員会他
■ 協賛:イオン株式会社、株式会社パールイズミ、株式会社オージーケーカブト、サイクラーズ株式会社、シマノセールス株式会社、株式会社ダイセル、ナガセケムテックス株式会社 (順不同)
■ テクニカルデータ:
XCO コース長3.5km、最高地点465m、最低地点374m、標高差91m
XCC コース長700m、最高地点390m、最低地点372m、標高差18m












