ツール・ド・フランス2025 モン・ヴァントゥ頂上ゴールの第16ステージはフランスのV・パレパントルが初優勝
フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、休養日明けの7月22日に南部のモンペリエからカテゴリー超級のモン・ヴァントゥー頂上までの171.5kmで第16ステージを競い、ヴァランタン・パレパントル(スーダル・クイックステップ)が、アイルランドのベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)をゴール勝負で打ち負かして区間初優勝し、開催国フランスに今年最初の区間優勝をもたらした。
24歳のパレパントルは昨年のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)でも区間優勝しており、これが2回目のグランツール区間優勝だった。区間3位には4秒遅れでコロンビアのサンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン ヴィクトリアス)が入った。マイヨ・ジョーヌのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)は43秒遅れの区間5位でゴールし、総合首位の座を守った。
ファンデルプールが不出走
フランス南部オクシタニー地方のモンペリエで最後の休養日を過ごし、いよいよ今年のツールも最終週がスタート。第16ステージは165選手が出走。オランダのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が出走しなかった。チームの発表によれば、彼は先週から風邪の症状があり、それが休養日に悪化し、検査で肺炎を患っている事が判明したという。
この日のゴールとなる“プロヴァンスの巨人”と呼ばれるモン・ヴァントゥまでの道程は平坦で、オフィシャルスタートの合図とともにアタックがかかり始め、11km地点でマルコ・ハーラーとマルク・ヒルシ(チューダープロサイクリングチーム)、クサンドロ・ムーリッセ(アルペシン・ドゥクーニンク)の3人が逃げ出した。そこに72km地点で大きな逃げが合流し、先頭は26人に膨れ上がった。その後、更に合流した選手の中にパレパントルも含まれていた。
中間スプリントが間近に迫る中、逃げ集団からマッテーオ・トレンティン(チューダープロサイクリングチーム)がアタックし、ジュリアン・アラフィリップ(チューダープロサイクリングチーム)、テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアズ)、エンリク・マス(モビスターチーム)、ヨーナス・アブラハムセン(ウノエックス モビリティ)らが付いていった。
マスがアタック
ゴールまで残り15.7kmでモン・ヴァントゥーの登坂がスタートし、最初にアタックしたのは地元フランスのアラフィリップだった。しかし、マスとアレンスマンが付いていき、マスが残り13kmでアタックし、単独でゴールを目指した。そのマスも、ゴールまで残り4kmを切ったところで追走グループから追い上げてきたヒーリーとパレパントルに追いつかれてしまった。
残り4kmはアタックの掛け合いが続き、マスは脱落したが、ブイトラコが合流して区間優勝争いに加わった。残り1kmのフラム・ルージュを通過した所でパレパントルのチームメイトであるイラン・ヴァンウィルデル(スーダル・クイックステップ)が追いつき、ゴールまで先頭を引き続けた。最後は最初にスパートしたヒーリーをゴール目前で追い抜いたパレパントルが区間初優勝を果たした。
ヴィンゲゴー VS ポガチャル
メイン集団では、モン・ヴァントゥーの中腹でデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)が攻撃を開始し、マイヨ・ジョーヌのポガチャルだけが応戦できた。ヴィンゲゴーは逃げに加わっていたチームメイトたちの助けを借りながら何度もアタックを試みたが、休養日明けのポガチャルにダメージを与える事はできなかった。2人は区間優勝を争う逃げグループのすぐ後方まで迫って激しい闘いを繰り広げていたが、先頭はかろうじて逃げ切る事ができた。
■ツール区間初優勝してフランスに最初の区間優勝をもたらしたパレパントルのコメント
「フランス人として、ツール・ド・フランスのステージで勝つのはクレイジーだ。今朝は勝てるとは思っていなかったが、とにかくチャンスを掴まなければならない。最後の上りでは、自分がヒーリーを蹴落とすのに十分強くはないと気が付き、彼もボクを蹴落とす力がないと気が付いた。それで待って、スプリントする事を決めた。チームメイトのヴァンウィルデルは欠かせない存在だった。彼が戻ってきた時、向かい風がとても強くて誰も走りたがらなかったからだ。彼のペースのお陰で、マイヨ・ジョーヌがボクたちに追いつかなくて済んだのさ」
■第16ステージ結果
[7月22日/モンペリエ~モン・ヴァントゥー/171.5 km]
1. V. PARET PEINTRE (SOUDAL QUICK-STEP / FRA) 04h 03′ 19”
2. B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL)
3. S. BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 00′ 04”
4. I. VAN WILDER (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 14”
5. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) + 00′ 43”
6. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 45”
7. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 53”
8. J. ALAPHILIPPE (TUDOR PRO CYCLING TEAM / FRA) + 01′ 17”
9. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 01′ 51”
10. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 01′ 53”
■第16ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 58h 24′ 46”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 04′ 15”
3. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 09′ 03”
4. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 11′ 04′
5. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 11′ 42”
6. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 13′ 20”
7. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 14′ 50”
8. T. JOHANNESSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) + 17′ 01′
9. B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL) + 17′ 52”
10. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 20′ 45”
[各賞]
■ポイント賞:J. MILAN (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞:T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO)
(※第17ステージは L. MARTINEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / FRA) が着用)
■新人賞:F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER)
■チーム成績:TEAM VISMA | LEASE A BIKE (NED)
■敢闘賞:B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL)
第17ステージは平坦区間
7月23日はフランス南東部プロヴァンス地方ヴォークリューズ県のボレーヌからオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方のヴァランスまでの160.4kmで、平坦区間の第17ステージが行われる。アルプス山岳ステージを控えた束の間の休息ステージだ。
◆J SPORTS「ツール・ド・フランス2025」全21ステージ独占生中継&LIVE配信/全ステージ開始1時間を無料配信




















