ツール・ド・フランス2025 ピレネー山岳TTの第13ステージはポガチャルが今大会4勝目

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  • photo A.S.O. /Billy Ceusters /Charly Lopez

フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月18日に南西部のルーダンヴィエルから標高1580mでカテゴリー1のペラギュード頂上までの10.9kmで、ピレネー山岳個人タイムトライアルの第13ステージを競い、マイヨ・ジョーヌのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)が圧勝し、今大会区間4勝目を上げた。
 

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ピレネー山岳TTを制し、総合でのリードを更に広げたマイヨ・ジョーヌのポガチャル (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
ポガチャルのツール区間通算優勝数は21勝になり、マイヨ・ジョーヌ着用日数は46日になった。前日にも圧勝していたポガチャルの走りを考慮し、主催者は事前にこのステージの制限時間を当初の33%から40%に緩和し、タイムリミットで失格になった選手は出なかった。

フランスのレキップ紙によれば、もしもこの緩和がなければ、フランスのアルノー・デマール(アルケア・B&Bホテルズ)やエリトリアのビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)、ヨーロッパチャンピオンのティム・メルリール(スーダル・クイックステップ/ベルギー)を含めた6選手が失格になっていたという。
 

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ポガチャルのマイヨ・ジョーヌ着用日数は46日になった (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
区間2位は36秒差でデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)、区間3位は1分20秒差でスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。

山岳個人タイムトライアルを終えてマイヨ・ジョーヌのポガチャルと総合2位のヴィンゲゴーのタイム差は4分7秒になった。
 

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ヴィンゲゴーは2分前にスタートしたマイヨ・ブランのエヴェネプールを抜いてゴールして暫定1位になったが、ポガチャルにそのタイムをあっさり抜かれてしまった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
この日、新人賞のマイヨ・ブランを着ていたTT世界チャンピオンのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ/ベルギー)は、2分後にスタートしたヴィンゲゴーにフィニッシュライン目前で追い抜かれてしまうほどの不調で、2分39秒遅れの区間12位でレースを終えたが、総合3位の座は守る事ができた。

しかし、総合4位でこの山岳タイムトライアルをポガチャルに1分56秒差の区間4位で終えたドイツのフロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)との総合でのタイム差は、たった6秒になってしまった。
 

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前日に続いて山岳TTでも不調だったマイヨ・ブランのエヴェネプールは、ゴール後のインタビューで理由は分からないと語っていた (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)


コカールは右手薬指骨折で出走

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前日の落車で右手の薬指を骨折したコカールは山岳TTを6分51秒遅れの区間152位で完走したが、第14ステージは出走しないと表明している (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
第13ステージは171選手が出走。前日に落車して右手の薬指を骨折してしまったフランスのブライアン・コカール(コフィディス)は山岳個人タイムトライアルを走ったが、第14ステージはスタートしないと表明している。

 

■山岳TTを制して今大会4勝目を上げたポガチャルのコメント
「とても嬉しい。このタイムトライアルはボクにとって12月の時点で大きなクエッションマークだったからだ。全てが完璧になるように望み、チームがそれをもたらしてくれた。スタートからゴールまでずっと、可能な限りペダルを踏みたいと本当に望んでいた。最後はほぼ限界だったが、ゴールゲートでタイムを見て、勝てると確信して更に踏み込んだ。

今日はどのバイクに乗るかが最大の決断だった。明白なのは、我々が1年間のほとんど、つまり99%はロードバイクでレースをしているという事だ。我々はいくつかの計算をして、これまでの12ステージと同じバイクに乗って、より快適になるように決めた。それがうまくいったよ」


■第13ステージ結果

[7月18日/ルーダンヴィエル~ペラギュード/10.9km]
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 23′ 00”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 36”
3. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 01′ 20”
4. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 01′ 56”
5. L. PLAPP (TEAM JAYCO ALULA / AUS) + 01′ 58”
6. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 02′ 03”
7. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 02′ 06”
8. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES XRG / GBR) + 02′ 15”
9. L. MARTINEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / FRA) + 02′ 21”
10. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 02′ 22”
11. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 02′ 35”
12. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 02′ 39”

■第13ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 45h 45′ 51”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 04′ 07”
3. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 07′ 24”
4. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 07′ 30”
5. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 08′ 11”
6. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 08′ 15”
7. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 08′ 50”
8. T. JOHANNESSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) + 10′ 36”
9. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUT) + 11′ 43”
10. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 14′ 15”

[各賞]
■ポイント賞:J. MILAN (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO)
(※第14ステージは L. MARTINEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / FRA) が着用)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:TEAM VISMA | LEASE A BIKE (NED)


ピレネー最終日はカテゴリー超級頂上ゴール

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●第14ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
ピレネー最終日の7月19日は、フランス南西部ピレネー・アトランティック県のポーからオート・ガロンヌ県のリュションにある標高1804mでカテゴリー超級のシュペルバニエール頂上までの182.6kmで第14ステージが行われる。

コースは途中、今大会のピレネー最高峰でジャック・ゴデ賞がかけられた標高2115mでカテゴリー超級のツールマレー峠に挑み、アスパン峠(カテゴリー2)とペイルスールド峠(カテゴリー1)を越える。スキーリゾート地のシュペルバニエールへの最後の登坂は全長12.4kmで平均勾配は7.3%だ。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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