ツール・ド・フランス2025 第4ステージはポガチャルが勝ってプロ通算100勝達成

2025.07.09
レース

text sasachini
photo A.S.O. /Billy Ceusters / ©SprintCycling

フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）は、ソンム県のアミアン・メトロポールからノルマンディー地方のルーアンまでの174.2kmで、丘越え区間の第4ステージを競い、世界チャンピオンのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧ／スロベニア）が、マイヨ・ジョーヌを着たオランダのマチュー・ファンデルプール（アルペシン・ドゥクーニンク）をゴールスプリントで打ち負かし、プロ通算100勝目となるツール区間通算18勝目を上げた。

ポガチャルがゴールスプリントでマイヨ・ジョーヌのファンデルプールを打ち負かし、プロ通算100勝を達成した (©SprintCycling)

区間3位はデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー（チームヴィスマ・リースアバイク）だった。ポガチャルはこの日のボーナスタイムでファンデルプールと総合で同タイムになったが、4ステージの区間順位の合計で（54対92）ファンデルプールがマイヨ・ジョーヌを守った。

ファンデルプールがマイヨ・ジョーヌを守った (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

ノルマンディーの丘越えバトル

(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

第4ステージは181選手が出走。オフィシャルスタートと同時に地元フランスのレニー・マルティネス（バーレーンヴィクトリアス）がアタックし、ヨーナス・アブラハムセン（ウノエクスモビリティ）と一緒に最初の逃げになった。そこにトマ・ガシニャール（トタルエネルジー）とカスパ・アスグレーン（ＥＦエデュケーション・イージーポスト）が合流し、19.5kmで逃げは4人になった。

集団はアルペシン・ドゥクーニンクがコントロールし、逃げのタイム差は大きくならなかった。この日は後半に5カ所の丘越えがあり、ゴールまで残り50kmで最初のジャック・アンクティルの丘（カテゴリー4）が始まった時、タイム差は1分38秒だった。

次のカテゴリー3のベルブフの丘が始まった時、タイム差は20秒を切っていた。逃げはマルティネスが単独で粘り、先頭で頂上を通過。集団はマイヨ・アポワを着たベルギーチャンピオンのティム・ウェレンス（ＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧ）が先頭を引いて丘を越えた。マルティネスは次の丘を越える前に集団に吸収されたが、この日の敢闘賞を獲得できた。

最後まで逃げたマルティネスは敢闘賞を獲得した (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

ＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧが集団の先頭を引いて最後から2番目の丘を越えた後、ヴィクトール・カンペナールツ（チームヴィスマ・リースアバイク）が先頭を引き始め、先頭集団は20〜30人に絞られた。ゴールまで残り6kmで最後のランプ・サン・ティレールの丘（カテゴリー3）が始まり、集団の主導権はＵＡＥチーム・エミレーツ・ＸＲＧが取り返した。

ポガチャルがアタック

そしてゴールまで残り5.4kmの丘の中腹でアルカンシエルのポガチャルがアタックすると、付いていけたのはヴィンゲゴーだけだった。ヴィンゲゴーも頂上間近でポガチャルに置いていかれそうになったが、頂上を一緒に越える事ができた。ここで2ポイントを獲得したポガチャルは、山岳賞総合で再び首位に立った。

先頭の2人は残り5kmでマイヨ・ジョーヌのグループに12秒差を付けていたが、すぐに追いつかれた。最後は小集団でのゴールスプリントになり、残り200mでスパートしたマイヨ・ジョーヌのファンデルプールが今大会2勝目を上げるかと思われたが、彼はフィニッシュライン目前で力尽き、ポガチャルが記念すべきプロ100勝目を手中に収めた。

■プロ通算100勝目を上げたポガチャルのコメント
「今日以上の良いフィニッシュは夢にも見られなかった。ロード・サイクリングの世界で最高の選手の１人を、取りわけこの類のゴールで打ち負かし、アルカンシエルを着てツール・ド・フランスで100勝に到達するのは信じられない事だ。

明日は本当のテストだ。脚があるかどうかの問題だ。これはF1ではなくサイクリングだからね。プッシュする脚力が必要なんだ」

ポガチャルのツール区間通算優勝数は18勝になった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

■第４ステージ結果
［７月8日／アミアン・メトロポール～ルーアン／174.2 km］
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 03h 50′ 29”
2. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED)
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN)
4. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR)
5. R. GREGOIRE (GROUPAMA-FDJ / FRA)
6. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR)
7. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 03”
8. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 03”
9. M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN) + 00′ 07”
10. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 00′ 10”
18. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 32”

■第４ステージ後の総合成績（マイヨ・ジョーヌ）
1. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) 16h 46′ 00”
2. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO)
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 08”
4. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 19”
5. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 00′ 26”
6. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 48”
7. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 00′ 55”
8. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 55”
9. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 58”
10. M. SKJELMOSE (LIDL-TREK / DEN) + 01′ 02”
13. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 01′ 27”

［各賞］
■ポイント賞：J. MILAN (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO)
■新人賞：K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA)
■チーム成績：GROUPAMA-FDJ (FRA)
■敢闘賞 : L. MARTINEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / FRA)

第5ステージは個人タイムトライアル