TOJ2025 活躍を見せた日本人選手たちの声 part2

目次

5月18日〜25日の日程で行われた2025年のツアー・オブ・ジャパン。今大会で活躍を見せた日本人選手たちのコメントを最終東京ステージにて聞いた。

 

相模原ステージ2位 今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)

ツアー・オブ・ジャパン2025 日本人選手 パート2

昨年までトラック競技を中心として活動してきた今村駿介は今年、大門宏監督を介してベルギーのコンチネンタルチームであり、アンテルマルシェ・ワンティの下部組織であるワンティ・NIPPO・リユーズへと移籍。

今シーズン、ベルギーやイタリアなどでロードレースを重ねてから帰国したツール・ド・熊野の第2ステージでは独走勝利を挙げた。そのままTOJへと入り、ショートタイムトライアルの堺ステージでは7位、逃げ切りが決まった相模原ステージでは、惜しくも2位となった。

熊野とTOJは違いました。本当は京都ステージが一番チャンスかなと思ったんです。ちょっとだけひよりました」と今村は話す。

TOJには例年出場していたが、今年はヨーロッパでの修行を経てのステージレース。今までとは少し違う様子であった。

ある程度自信を持って戦えるようにはなったと思います。もう少しっかりロードレースに重きを置けば、京都(ステージ)とか、いなべ(ステージ)とかで戦えると思います

ツアー・オブ・ジャパン2025 日本人選手 パート2

ヨーロッパでのレースは、「きついけど、学ぶこともすごく多い」と話す。「知らない選手とかでも全然強いので、もう誰がどうとかじゃなくて、本当にひたすら前にすがりついてないと」しかし、前に前に行くレースこそ今村の本領だ。「荒れている展開とか、そういうほうが好きなんです

もっと頑張るので」と言い残し、再びベルギーへと旅立った。トラック競技で頂上を争ってきた今村がロードレースではどのような結果をもたらしてくれるだろうか。

 

総合16位 橋川丈(愛三工業レーシングチーム)

ツアー・オブ・ジャパン2025 日本人選手 パート2

橋川丈は、総合10位以内を第一目標として今大会へと臨んだ。総合がかかる富士山ステージでは、周回コース部分でメカトラがあり、そこで脚を使ってからの登坂となってしまい、トップから5分15秒遅れの22位でフィニッシュ。結果は総合16位。新人賞としては2位だった。

結果的には、今の僕の実力はここで、熊野とTOJまでで出し切れたかなと思います。今後の自分の課題もあって、今は悔しい気持ちとかもありますけど、後から振り返ったら、いろいろと学んでもっと強く帰ってこられると思うので、すごくいい期間だったかなと思います

昨年までEFの下部組織で走っていたが、今年入るチームが見つからず、滑り込みで愛三工業レーシングチームへと加入という経緯があった。

チームからは本当に救ってもらって、いろんな人が本当に関わってくれて、最後の最後に入れてくれたので、本当にそういう人たちのためにも、自分を入れた価値があるということを証明もしたかったので、こうやって少しずつ小さな成績を重ねていくことで、彼らには感謝に伝えていきたいと思います

ベルギー生まれベルギー育ちの橋川は、再びヨーロッパでの活動を目指す。そのためにクリアすべき課題についてこう語った。

自分の考えでは、チームのスローガンでもあるアジアナンバーワンを目指すこと。最近、アジアのUCIレースのレベルも上がってきていますし、今回こういうTOJだったり熊野だったりも、元ワールドツアーで走っていた選手や強い選手が来ているので、そういうところで自分の勝負をして勝つことができたら、絶対ヨーロッパでも評価されると思っています。

まずその自分のペースでちょっとずつ毎年積み重ねていければ、そのレベルには絶対いけると僕は信じているので

 

チームメイトの総合4位を支えた 新城幸也

ツアー・オブ・ジャパン2025 日本人選手 パート2

今大会唯一のプロチーム(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)の一員として多くのステージで集団を引く姿が見られた新城幸也。チームとしては京都ステージでスプリントを狙えるドゥシャン・ラヨヴィッチを落車で失ったことで、「勝てる幅が狭まってしまった」と新城は話す。一方でマーク・スチュワートが総合4位に入ったが、狙えたポイント賞獲得までも少し誤算があったようだ。

新城のチームでの役割は「全てのコントロール」。事前のミーティングでは決めきれない現場での判断や、決められた作戦の実行を自ら体現していた。

どうやって逃げを行かさないようにするか、どうやって逃げを決めるのか、どうやって逃げを捕まえるか、見ていたら分かると思います。チームの若い選手にも感じてもらえていれば。どこでペースを上げて、どこでつないでいて、全部ちゃんと僕の動きを見ていれば、勉強できるはずなんです

クラス2ということで無線も使えない。だからこそ、現場の判断は重要になってくる。ただ言うだけでなく自ら動くことでレースを作るということを教えていたようだ。

ツアー・オブ・ジャパン2025 日本人選手 パート2

多くのレースを経験してきた新城が感じる、熊野やTOJのようなレースとワールドツアーとの違いについてこう語る。

違うキツさがあって、ワールドツアーはやっぱり先頭に居続けるじゃないですか。居続けて、居続けて、ドロップする。

でも、このクラスになると、僕が先頭でずっと走れてしまう。ついていけないところがあっても、少し経ったら回復するので、また前で動けるんです。ワールドツアーは限界に達したら、もう集団から遅れるしかない。ここは限界に達してからも少し休んでいれば、もう一回できるので、集団から遅れることがない。

そうすると昨日(相模原ステージ)みたいに上りのきついところを前で走って、またちょっと休んで、と何回でもできます。ワールドツアーだったらもう2周、上り区間を全力で上って、もう集団半分になってます。そういうレースではないので

プロフェッショナルな仕事をしてきた新城だが、新城自身の勝利もファンは見たいと思うもの。

僕ももちろんもう一回勝ちたいなと思いますし、ヨーロッパでも自分が走ったレースにまた戻っていく感じになります。ツール・ド・リュムザン(2012年に総合優勝)も8月にあります。勝ったことがあるということは、やっぱり相性がいいと思うので、そういうところでまた勝ちたいですね。あとは、日本でまたこうやって皆さんに会いながらレースができるのはすごく楽しいです」新城はそう話した。

 

第8ステージを終えての全てのリザルトは以下より。
https://www.toj.co.jp/2025/file_upload/100547/_main/100547_01.pdf

 

UCI公認国際自転車ロードレース『Tour of Japan 2025』(アジアツアー・クラス2.2)     

開催日程:2025年5月18日(日)~5月25日(日)

開催地:大阪府堺市、京都府京田辺市、三重県いなべ市、岐阜県美濃市、長野県飯田市、静岡県駿東郡小山町、神奈川県相模原市、東京都大田区

https://toj.co.jp/2025/